リトル・バイ・リトル (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.09
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本棚登録 : 224
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041067505

作品紹介・あらすじ

ふみは高校を卒業してから、アルバイトをして過ごす日々。家族は、母、小学校2年生の異父妹の女3人。習字の先生の柳さん、母に紹介されたボーイフレンドの周、二番目の父――。「家族」を軸にした人々とのふれあいのなかで、わずかずつ輪郭を帯びてゆく青春を描いた、第25回野間文芸新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 芥川賞候補にもなったような作品。
    高校生でないと書けない感性であり、高校生では書けない表現力に心動かされた。
    じんわり哀しくずっと暖かい、いいお話し。

  • 島本理生さん、2作品目。
    以前読んだ「ファーストラヴ」が面白かったので購入、読了。

    「ファーストラヴ」の方が面白かったかなー…
    エンタメ要素が強く、物語自体にも動きがあったので自分としてはそっち方が好みだったかなという感じです。

    本作の方が、より島本理生さんっぽい作品なのかもしれませんが…(他の方のレビューを見る限り)

    個人的にはお母さんの雰囲気とか、生き様とか…スゴく好きだなぁと思いました。

    「人生ってなんやかんやあるけど、笑い飛ばしながらやっていこうぜ」的な(笑)
    そんな空気感のある人って、周りを幸せにする気がします。

    読みながら、自分も少し前向きになれた気がしました。
    と同時に、自分も家庭の中でそういう存在でありたいなとも思いました。

    「little by little」
    「少しずつ、徐々に、だんだんと」

    前向きに生きていれば「だんだんと」課題は解決されるし「少しずつ」でも幸せには近付いていく。

    このタイトルには、そんな意味が込められている気がしました。

    <印象に残った言葉>
    ・男の子の母親が帰った後、自分の体当たりが効いたのだと喜ぶ母の横で、私はむこうの親に詳しい事情を知られないように祈っていた。(P97)

    ・あの人はダメだよ。分かってるでしょう。ふみちゃんが期待するような人間性は、もうあの人の中で壊死してるも同然なんだよ。それにだった一度だって正当な理由もなく家族に手をあげるなんて、すること自体がおかしいんだよ。(P134、母)

    ・今ここで死んじゃうのもいいなんて、ちょっと思った。(P147、ふみ)

    ・でも、他人には言わなきゃずっと分からないままですよ。(P149、周)

    <内容(「Amazon」より)>
    第25回野間文芸新人賞受賞作品

    わずかずつ、かすかな輪郭を帯びてゆく日々。

    あれから私はどれくらい成長したのだろうとふいに疑わしい気持ちになって、その後にゆっくりと不安が押し寄せてきた。あのときよりも、もっとずっと前から時間の止まっている場所が自分の中にあるような気がした。

    ふみは高校を卒業してから、アルバイトをして過ごす日々。家族は、母、小学校2年生の異父妹の女3人。習字の先生の柳さん、母に紹介されたボーイフレンドの周、2番目の父――。「家族」を軸にした人々とのふれあいのなかで、わずかずつ輪郭を帯びてゆく青春を描いた、第25回野間文芸新人賞受賞作。

  • とてもすきな世界観。

    嫌なこととか悲しいこととかはどうしても起こるけど
    それでも平和を感じられる日々。
    ひとつひとつの言葉が心に優しくあたたかい。

    高校生のときに書いたってほんとに衝撃。

  • 周みたいな優しくて、強くて(ボクシングしてる)、包み込んでくれて、俺っていうのがすごい似合う感じの男の子と付き合ってみたかった〜〜

    お母さん呑気すぎ〜
    状況が変わらないなら楽しいほうがいいってそりゃそうだけどさ〜

    この人の書く小説の母親は割と責任能力ない人ばっかだなぁ

  • 貧しく複雑な家庭で育ち人とかかわることの苦手な娘が、高校卒業後少しずつ外の世界へと踏み出していく様を描いた作品。
    野間文芸新人賞受賞作。

    すらすらと読める青春小説風でありながら、つらい現状を達観せざるを得ない主人公の、背景にある家庭や実父との関係は痛々しく、ずっしりと重い。
    ボーイフレンドと二人でいるときには年相応の瑞々しさがあり、救われる。主人公には、もっと自由になって感情をあらわにしてもいいんだよ、と親心から声援を送りたくなった。

    遅い夏休みの旅のお伴に持参し、飛行機の中で眠気と戦いながら一気に読んだ一冊。読後半月以上経ち、ほかの何冊かとまとめてようやく感想が書けた~。

  • ふみくらいの年齢のころ、私はこんなに多感だっただろうか。どの作品もそうだけど、人物描写が丁寧。ふみの幼いような、それでいて大人っぽい一面は、著者そのものなのかな。

  • 母、異父妹と3人で暮らすふみ。静かで平穏で、一見何の変哲もない生活だが、家族の複雑な過去がそこに時折暗い影を落とす。家族を軸にした人々とのふれあいのなかで、ふみは少しずつ、光の射す外の世界へと踏み出してゆき…。

    ナラタージュの人だったのね。空気が似ている。同じ作家だからね。

  • タイトル通り、ゆっくり少しずつ進んでいく二人の男女の話。島本さんの書く男女は必ずどちらかが傷を抱えていて、その傷と向き合うところまでがゴールな気がします。周が「頼まれてもそれだけはしません」って言うシーンが特に好きでした。

  • 再読したい一冊。本編はもちろんですが、
    解説がとても心に響きました。

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著者プロフィール

一九八三年、東京都生まれ。一五歳の時に「ヨル」が「鳩よ!」掌編小説コンクール年間MVPを受賞。二〇〇一年「シルエット」が群像新人文学賞優秀作に。〇三年『リトル・バイ・リトル』で野間文芸新人賞、一五年『Red』で島清恋愛文学賞受賞。一八年『ファーストラヴ』で第一五九回直木賞を受賞。

「2020年 『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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