生まれる森 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 87
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041067512

作品紹介・あらすじ

失恋で心に深い傷を負った「わたし」。夏休みの間だけ大学の友人から部屋を借りて一人暮らしをはじめるが、心の穴は埋められない。そんなときに再会した高校時代の友達キクちゃんと、彼女の父、兄弟と触れ合いながら、わたしの心は次第に癒やされていく。恋に悩み迷う少女時代の終わりを瑞々しい感性で描く。

感想・レビュー・書評

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  • 森は 自分で育ててしまうのだと思うけれど
    抜け出すのも 大変だったりする。

    私は イイトシこいてるから
    平気なふり出来るけど
    いまだに 森の中を彷徨ったりしてしまう。

    キクちゃんや幸生さんみたいな人
    私の周りにも いればいいのにな...。

  • 繰り返し読んでしまう小説のひとつ。
    夏の夜の逃避は島本さんに限る。

    互いの想いの種類と重みが違うと分かっていても、弱い一部分が共鳴し合うと、離れがたい。

    サイトウさんが、今までの島本作品に出てくる男の人とひとつだけ違っていたのが、はっきりと終わりを告げるところ。

    キクちゃんみたいな友達がいたらいいなあ。

    ラグビーの試合結果はどうだったんだろう。

    新訂版を買って、加筆された島本さんのあとがきがまた良かった。

    少しだけこの森で休んだから、また明日からは森の外で頑張ろう。

  • どこか大好きな「ナラタージュ」を思わせるような作品で、やはりこういう関係性、女子大生、苦しさを描いている島本理生さんの作品は好きだなー!と思った。
    言葉選びもとてもきれいで、深く刺さるし、刺激される。満足。

  • 島本理生さんが大学在学中に執筆された作品。
    当時の島本さんと等身大の主人公の「わたし」に、読んでいる私もあの頃の自分と重ねてしまった。
    高校3年から大学1年にわたる、真っ直ぐすぎる想い。
    気持ちを巧くコントロールできず空回りしてしまう「わたし」は、暗くて深い森の中をさ迷い続け抜け出すこともできず途方に暮れてしまう。
    苦しいくせに平気なふりをして、自分から助けを求めることさえできず、もがき続ける。
    「昨日よりは今日、今日よりは明日、日々、野田ちゃんは成長して生きてる」
    こんな風に言ってくれる友達がいる限り大丈夫。
    いずれ森を抜け出せると確信した。
    報われない恋心は、時に少女に新たな絆をもたらす。
    とても颯爽とした気持ちになれる物語だった。

  • 謎が解けないままおわってしまうのですが、キクちゃん一家の設定が良かったです。野田ちゃんが1人の人間としてブレすぎていて違和感があって、中途半端なところで弱ったり強すぎたりしてしまうのが残念でした。ただ、表面的で全体が薄っぺらいところが若くてフレッシュ。そして登場人物の要所に妙な人間臭さがあって、現実味を引き立たせています。

  • 『ファーストラヴ』が良かったので島本理生さん2冊目。優しい物語でした。島本理生さんは恋愛感情を描くのが上手いなぁ…。初期の作品らしく、『ファーストラヴ』ほど整った文章構成では無いんだけど、それが逆に現実味があるというか。失恋にまつわる心の揺れ動きが丁寧に、自然に描かれています。

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著者プロフィール

島本 理生(しまもと りお)
1983年東京都板橋区生まれ。都立新宿山吹高等学校に在学中の2001年に「シルエット」で、第44回群像新人文学賞の優秀作を受賞し、デビュー。06年立教大学文学部日本文学科中退。小学生のころから小説を書き始め、1998年15歳で「ヨル」が『鳩よ!』掌編小説コンクール第2期10月号に当選、年間MVPを受賞。2003年『リトル・バイ・リトル』で第128回芥川賞候補、第25回野間文芸新人賞受賞(同賞史上最年少受賞)。2004年『生まれる森』が第130回芥川賞候補。2005年『ナラタージュ』が第18回山本周五郎賞候補。同作品は2005年『この恋愛小説がすごい! 2006年版』第1位、「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」第1位、本屋大賞第6位。2006年『大きな熊が来る前に、おやすみ。』が第135回芥川賞候補。2007年『Birthday』第33回川端康成文学賞候補。2011年『アンダスタンド・メイビー』第145回直木賞候補。2015年『Red』で第21回島清恋愛文学賞受賞、『夏の裁断』で第153回芥川賞候補。『ファーストラヴ』で2回目の直木賞ノミネート、受賞に至る。

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