- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041067529
作品紹介・あらすじ
電気とオタクの街――秋葉原。その交番に勤める権田は、筋金入りのオタク警官。対してコンビを組む長身イケメン警官・向谷は頭はからっぽだが、類い稀なコミュニケーション能力の持ち主。ひいては美脚の「足だけの幽霊」を連れてきてしまった。2人は「足子」さんと呼び、彼女の死の理由を探し始める。フィギア盗難、抱きつき魔、迷子、メイド喫茶のいさかい……ご当地ならではの「謎」に凸凹警官が挑む、新境地人情ミステリ!
感想・レビュー・書評
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Audibleにて。
なんか軽いの聴きたいなーって時にぴったりだった。というより、思ってた以上に面白かった。
足だけの幽霊の足子さんと、どうにかして足子さんと意志疎通を図り、犯人を探そうとしてくれる秋葉原のお巡りさんや、オタク達、メイドさん等コメディ要素満載なんだけど、後半は同じ話だっけと思う位切ないお話もあり、飽きずに楽しめた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
奈加さんのこういう感じの作品、もっと読みたいんですよね。コメディタッチの軽い感じかと思えば、しっかり社会問題など大事なことを絡めてて、入りやすい。だから、ゴメスの続きをお願いします!!
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あまり好きじゃない内容かな、と思ったのにどんどん読んでしまう、読まされてしまう、ような引力があった。
オタクと呼ばれる人たちの抱える痛みや、DVから逃れ隠れるように生きる人たちが直面する困難に気付かされる。 -
Audibleで。時代小説とは全く違う、主人公のオタクに対する率直な嫌悪感の表現が良かった。
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手軽に楽しく読み進められました♪
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西條奈加の連作ミステリ作品『秋葉原先留交番ゆうれい付き』を読みました。
西條奈加の作品は、昨年7月に読んだ『はむ・はたる』以来… 時代小説じゃない作品は初めて読みますね。
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著者新境地の人情ミステリ!
電気とオタクの街――秋葉原。
その交番に勤める権田は、筋金入りのオタク警官。
対してコンビを組む長身イケメン警官・向谷は頭はからっぽだが、類い稀なコミュニケーション能力の持ち主。
ひいては美脚の「足だけの幽霊」を連れてきてしまった。
2人は「足子」さんと呼び、彼女の死の理由を探し始める。
フィギア盗難、抱きつき魔、迷子、メイド喫茶のいさかい……ご当地ならではの「謎」に凸凹警官が挑む、新境地人情ミステリ!
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2015年(平成27年)10月に刊行され、2018年(平成30年)4月に文庫化された作品… ファンタジー+コメディタッチの人情ミステリでしたね、、、
軽めの作品を読みたくて本書を選択しましたが、軽めのタッチの中に奥深いテーマが織り込んであったし、謎が解けることに伴い思わずホロッとさせられ胸を打つような展開もあり、ユーモアとシリアスのバランスが良く、しっかいと読み応えがある作品でした… 面白かったし、感動できました。
■オタクの仁義
■メイドたちのララバイ
■ラッキーゴースト
■金曜日のグリービー
■泣けない白雪姫
■解説 大矢博子
超イケメンで女性に優しい社交家だが、オツムの方がかなり残念、行く先々で女性と問題を起こしているボンクラ警官で社交性の高さがこうじて幽霊まで見える警官・向谷弦(むこうやゆづる)と、秋葉原・先留交番に勤務し、東大出身で頭は抜群に切れるが、毒舌で聡明オタク気質の警官・権田利夫… そして、向谷が勤務していた奥多摩の稲香(いねか)村駐在所から連れてきた、自分が誰にどのように殺されたのかわからず、会話さえできない、足だけが見える幽霊・渡井季穂(わたらいきほ)、、、
イケメンボンクラ警官とブサメンオタク警官、そして足だけの幽霊という奇妙なトリオは、秋葉原のディープな住人たちが巻き起こす地域に根ざした小さな事件を解決しつつ、季穂を殺害した犯人を追うことに… オタクの聖地で奇妙なトリオが犯人捜し!コミカルなのに胸を打つ物語。
ユーモア全開で素っ頓狂な物語と思いきや、ミステリ的な展開も愉しめるし、現代の家庭環境や趣味嗜好に関する問題点も扱われており、なかなかの読み応え… フィギュア誘拐事件、メイドカフェ従業員への抱き着き魔事件、行方不明の子どもの捜索等、一話ずつ物語が進むごとに愉しさに痛みや苦しみが混じりこむ展開が秀逸、、、
肯定されず否定され続ける哀しみが伝わってくる物語でした… 幽霊視点での語りや突っ込みも印象的でしたねー 良かった! ぜひ、シリーズ化してほしいなぁ。 -
私、この作者さん好きだなぁ、きっと。他には千年鬼しか読んだことないけど。他の作品も読んでみよう。文章だからなおさらだろうけど、序盤からすでに、メガネトド権田がかっこよく感じられる。輝くんのお話でうるうる。ラストはポロポロ涙が出た。
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西條さんらしくないオタク要素に満ちた作品だと思っていたら、解説に実は彼女がアニメオタクだと書いてあってビックリした。
オタクものは自分が知らない世界に触れることができるので、実は読んでいて結構楽しいことに最近気がついています。 -
警察が幽霊の為に捜査をする、って斬新。
足だけの幽霊も斬新。
普通の推理小説にすれば重くなると思うんだけど、幽霊の足子さんが加わる事でポップな雰囲気がプラスされてたなあ。
なかなか面白かった。
足子さんの成仏まだみたいだし、続編があれば読みたいなあ。 -
オタクのベテラン警官とイケメン警官コンビ、そこに足だけしか見えない幽霊、「足子さん」が加わって。
外見は、まるでトド、オタク感満載のオジサン警官の権田、
イケメンだで心優しいのだが、オツムリの方が、少々残念な向谷。
秋葉原先留交番に勤める、この二人の警官コンビと、
そして、足だけしか見えない幽霊の活躍を描く、
クスっとや、ほろっとや、ジュワっとが満載の、
この作家さんらしい作品。
権田は、後から分かるのだが、東大卒の切れ者なのだが、
「お巡りさん」として秋葉原にこだわり、
生涯、この地を離れたくないという、変わり者で、頑固者だ。
一方の、向谷は、霊が見えるという特異体質の持ち主で、
心優しいためか、すぐ、女性とXXの関係にはまり、
あちこちでトラブルを起こし、そのたび、謹慎処分をくらっている。
そして、ここでは主人公的扱いの、幽霊、「足子」さん。
本名、渡井季穂というメイドカフェに勤めていた女性なのだが、
向谷には足しか見えないので、「足子」さんと呼ばれる。
彼女の死に至る原因を探るため、変わり者警官コンビは、
必死になって幽霊との意志の疎通を図ろうとする。
足しか見えないから、ガニ股で「〇」、クロスで「X」を
表現するという技には、想像して笑ってしまった。
捜査の間に、キャストを襲う「抱きつき魔」事件を解明したり、
幽霊になってしまったギャンブル依存症の父親と、
その父親を慕う息子を会わせたり、
ドタバタと、物語は進むが、そのうち、
この作家さんのいつもの作品のように、
引き込まれていく。
足子さんの死の謎は解き明かされたが、
彼女が成仏することはなく、交番に住み着いてしまったという結末。
ということは、きっと、続編が…。期待。