- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041067543
作品紹介・あらすじ
聖なる白虎の伝説が残る麗虎国。
美貌の宮廷神官・鶏冠は、王命を受け、
次の大神官を決めるために必要な「奇蹟の少年」を探している。
彼が持つ「慧眼(えげん)」は、
人の心の善悪を見抜く力があるという。
しかし候補となったのは、山奥育ちのやんちゃな少年、天青。
「この子にそんな力が?」と疑いつつ、天青と、
彼を守る屈強な青年・曹鉄と共に、
鶏冠は王都への帰還を目指すが……。
心震える絆と冒険を描く、著者渾身のアジアン・ファンタジー!
感想・レビュー・書評
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人の悪しき心を見抜くという、伝説の〈慧眼児〉。
宮廷神官の瑛鶏冠は、王命により、その子どもを探しに行く。
シリーズ第1作。
とてもおもしろく、一気読み。
まず、とにかくキャラクターが魅力的。
禁欲的でなかなか感情を見せない、宮廷神官の瑛鶏冠。
言葉遣いも礼儀も知らない、山猿のような少年・天青。
天青を守る、武芸に秀でた青年・曹鉄。
メイン3人のバランスがとてもよく、ぽんぽんとテンポのよい会話がたのしい。
表立って見せないけれど、鶏冠が根底に持つ、他者へのやさしさ。
やんちゃな中にある、天青のものごとを率直に見つめる目。
それぞれの内面が掘り下げられるごとに、どんどん魅力が増していく。
ストーリーもおもしろく、コミカルなだけでなく、時につらく切ないできごとがあり、ぐっとくる。
緩急のつけ方がうまく、引きこまれる作品。
シリーズ化しているようなので、続編も探したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アジア風のファンタジー。
衣装は朝鮮王朝風だけど、国の成り立ちなどは違います。
美形ばかりで生き生きと描かれ、楽しく読めました。
瑛鶏冠は、宮廷神官。
若くして認められている、優秀で冷静沈着、しかも大変な美形。出世には興味がないのですが…
白虎の神話が残る麗虎国には、慧眼児(えげんじ)という、これも伝説的な存在がありました。
次の大神官を決めるには、この慧眼児が必要なのです。
王名を受けて、とある山奥の村までやってきた鶏冠は、下働きをしている乱暴な子供に出会い、この男の子・天青が慧眼児の候補と知ります。
手こずらされながらも宮廷へと向かう旅路へ。
天青の幼馴染で兄代わりの曹鉄、旅の難所で助けるように現れた白虎の子、匿ってくれた旅芸人の一座など、苦難を乗り越える仲間にも出会いながら。
そして、宮廷では…?
会話は若向きでわかりやすく、キャラ設定がはっきりしていて、軽快なテンポに引き込まれます。
無邪気な天青に振り回されて、クールな鶏冠がしだいに冷静さを保てなくなる一方、皆が少しずつ仲間になっていく。
続きも大いに楽しみで、すっかり気に入ってます☆ -
青臭い友情と言われればそれまでなんどけど、そういう綺麗なこころってなかなか現実では味わえない。
やっぱり読書の醍醐味って現実逃避も大きな魅力のひとつなのでこの際、こんな不吉なGWはちょっと感動しちゃいそうなこのシリーズイッキ読みしてみよう。
っていうか、スゴいおもしろい。 -
若き美貌の宮廷神官が王命を受けて「慧眼」を持つ奇跡の少年を探しに行く…。榎田ユウリさん好きで、アジアンファンタジーも好きだから気になっていたシリーズ。榎田さんの書くお話は、読みやすくすぐその世界に入れて好き。身分差別、宮廷内の権力争いなど王道であるが、キャラクターが魅力的で、物語のコミカルなところとエグいところの落差、喜怒哀楽が豊富で続きが早く読みたくなる。
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元々は角川ビーンズ文庫で刊行されていたそうです。
道理で読みやすいわけだ。
帯に書かれたアジアンファンタジーの文字と表紙のイラストに好感をもてたのでジャケ買いしたのですが、買って正解でした。時間も忘れ、結末を知りたくてページを繰る手が止まらなかった。
ビーンズ文庫ではシリーズ化されているみたいなので、安心して読み進められます。でも刊行がまだまだかかりそう……!!(やきもき)
ちなみに今日、ビーンズ文庫版を店頭で見かけましたが表紙が好みでなかったので、もし角川文庫版が出ていなければ手に取ることはなかった作品だったと思います。
出会いやタイミングってあるんだなぁ。 -
これってもう完結してるシリーズの改訂版だったのね。最後まで確実に読めると言うのは、何とも心強い。こちらのイラストの方がおばちゃんには手にとりやすく、出会えてよかったと思えるお話でした。
著者プロフィール
榎田ユウリの作品





