ずうのめ人形 (角川ホラー文庫)

  • KADOKAWA
4.14
  • (249)
  • (331)
  • (126)
  • (10)
  • (2)
本棚登録 : 2688
感想 : 286
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041067680

作品紹介・あらすじ

オカルト雑誌で働く藤間が受け取った、とある原稿。読み進めていくと、作中に登場する人形が現実にも現れるようになり……。迫りくる死を防ぐために、呪いの原稿の謎を解け。新鋭が放つ最恐ミステリ!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 祓魔師・比嘉姉妹シリーズ第2弾。
    前作『ぼぎわん、が来る』は開幕からフルスロットルで怖がらせにきていたが、今作では助走をつけた展開になっていてホラー要素はやや弱め。
    その分ミステリ色が強く、それはそれで楽しめた。

    とはいえ 感じる面白さの半分は前作に寄りかかったものでもあるので、今作の前に必ず『ぼぎわん』を読んでおいた方が良い。

    都市伝説や呪いを題材にしつつ、この作品の肝はミステリ要素にあるといえる。
    人間を描くのも上手く、作者の力量の高さがうかがえた。
    次作を読むのも楽しみ。

  • 第2弾!
    比嘉姉妹活躍!ってほど活躍してない気はする。最強のお姉ちゃん出て来んし。
    でも、結構、ミステリー要素あって、面白い!
    実は比嘉姉妹の活躍を期待してたんやけど、ええ意味で裏切られた(^O^)

    グロいのばっか読んでるからか、こんな死に方とかは、そんなこわくはない。
    とは言え、呪いがかかったら、死ぬの確定なんやけど^^;
    それも話読んだら呪われるとか…やめて〜
    この本読んでもそうなるんかとかビビる!
    人形はイヤな〜何か怖い〜

    そう言っても、結局のところ、一番怖いのは…

      人間

    です〜〜〜(−_−;)

  • 初ホラー作品。

    電車中でのみ、読みました。こわかったので。
    呪いのこわさと、呪われていない人間の心理的なこわさ、どちらもこわい。

  • Audible利用(11h18m)
    読了まで2日間(1.1倍速)

    嫌な人間大博覧会。
    最初から最後までずーーーっと嫌な味わい。物語が終わってもその味がしつこく舌に残るような、そういう読後感。
    どうやら私も作中でトナミさんが指摘する「お人よし」の1人だったようで、まんまと登場人物たちに感情移入してしまった。おかげで後半からは足元掬われっぱなし。腹が立つのだけど、しっかり聴いていると違和感のある箇所がちゃんとあちこちに挟み込まれてる。上手いなあというか意地悪だなあというか。前作よりミステリー要素も強く、一度読み出すと止まらない。読ませるパワーがものすごい。
    最後まで読み(聴き)終わってから、もう一度急いでプロローグを読み返し、「はあ~~」と溜め息をついたのは私だけじゃないはず…!!たぶん。

    今回は『ぼぎわん』の最強霊能者琴子さんは事件には登場しない。妹の真琴ちゃんと恋人の野崎さんは、あるきっかけから不可解な呪いに巻き込まれ、同じく呪いを受けた出版社アルバイトの藤間君と共に呪いに抗う方法を探る。呪いのタイムリミットが迫る中、3人は苦戦を強いられ、最後には究極の暴力的手段を選ぶか選ばないかというところまで追い詰められる。憎しみが次々と連鎖していき、読んでいて辛くなることが何度もあった。
    思わぬかたちで事態が収まり、ようやく平穏とささやかな希望が戻ったと思っていたら……。冷や水をかけられたようなラストに「人間って一生懸命生きているだけでも誰かを傷つけているものなのか」と、なんだか虚しさを感じた。

    朗読は前作と同じ方。相変わらずアクが強い。そして大熱演。すっかり慣れてしまい、別の方になったら物足りないんじゃないかとすら思う。ただ、今回の作品はもう少し抑えた朗読の方が「人間怖い」がより味わえたかもしれない。
    (※これから初めて読む方、そして本書の内容を100%楽しみたい方は、紙の本で読むことをオススメします。
    これは朗読の方が悪いわけではなく、単純にこの小説の面白さに関わるある重要な設定が、紙の本でないと活きてこないからです。)

    • ゆたこちさん
      そうそう、Audible高いんですよね~!耳読合わなかったら無駄かな~とか好きなジャンルの品揃えが少なそうだな~とか、私も始めるまでに1年く...
      そうそう、Audible高いんですよね~!耳読合わなかったら無駄かな~とか好きなジャンルの品揃えが少なそうだな~とか、私も始めるまでに1年くらい迷ってました(^-^;
      思い切って始めたら、今まで読まなかったようなジャンルも読むようになって、私は良かったです♪

      それにしても、変なところで音節区切られるのは辛すぎる…(´・ω・`)
      2023/05/25
    • ゆきやままさん
      フォローありがとうございます。
      ゆたこちさんの本棚をあらためて見させてもらって、私とめっちゃ趣味合う〜と勝手に思ってしまいました。私は映画...
      フォローありがとうございます。
      ゆたこちさんの本棚をあらためて見させてもらって、私とめっちゃ趣味合う〜と勝手に思ってしまいました。私は映画の方は別のアプリで記録してるんですけど、そっちもホラーばっかりです( ̄▽ ̄;)
      澤村伊智さんのシリーズ読破されてますよね。私も最近ずうのめを読んでハマってしまいました。短編集買ってしまいました( ´∀`)
      2023/05/25
    • ゆたこちさん
      フォローバックありがとうございます♪好み似てますよねー!(*^^*)私もホラー大好きです。
      今までは海外ホラーやミステリーを手に取ることが多...
      フォローバックありがとうございます♪好み似てますよねー!(*^^*)私もホラー大好きです。
      今までは海外ホラーやミステリーを手に取ることが多かったんですが、澤村伊智さんはたまたまAudibleで聴いてみて大当たりでした♪
      短編集は『などらき』でしょうか??感想楽しみにしていますね!
      2023/05/25
  • スッキリの一冊。

    噂の"辻村ゆかり"を知りたくての再読。

    来る…。うふふ…くふふふふふ…真っ黒な振袖、赤い糸ぐるぐる巻きの人形は「ずうのめ人形」の原稿を読んだ人の元へきっと来る…。

    果たしてこれは虚なのか実なのか、その謎に真琴&野崎が立ち向かうストーリーは初読み気分で楽しめた。

    たしかにここで登場していたのね、辻村ゆかり。彼女のルーツ、そして朧げだった諸々がたった一巻の再読でこうもスッキリするとは!
    これぞ快感ってやつね。

    迫り来る和ホラー感バツグンの怪異とほんのり伏線回収と、シリーズの整理整頓で、ザ・一石三鳥なり。

  • 以下の順番らしいです。
    ぼぎわんが、来る→読んだ
    ずうのめ人形→読んだ
    などらきの首
    ししりばの家
    ぜんしゅの跫
    ばくうどの悪夢
    さえづちの眼

  • 呪禁の囀り、ずうのめ人形。

    明確な「殺意」は、4日かけて、じわじわと近寄り、対象のいる空間上にいる全ての生命を確殺する。

    とあるホラー好きな少女が過ごした思春期。映画「リング」が流行って、Jホラーの人気が高まり、各所でスピリチュアルや都市伝説が沸騰した時代。
    学校では「貞子」とさげすまれ、孤独に過ごしていた少女は、図書館で友達ができた。年下のホラー好きの女児だった。
    その子が話す怖い話の一つに「ずうのめ人形」の話があった。その話を知った日から、確実な殺意を持って「ずうのめ人形」に襲われるようになった。赤い糸に絡め取られ、痛みを感じながらも一命を取り留めた少女は、女児に「ずうのめ人形」とは何なのかを問いただす。しかし、その日を境に女児は少女の目の前から姿を消した。
    同様に、少女から「ずうのめ人形」の話を聞いた人たちも、どんどん死んでいった。少女をいじめていたクラスメイトも、少女を所有したい両親も、少女を初めて守ってくれた友達も。

    少女は大人になり、とある雑誌でやっていた新人作家オーディションに「ずうのめ人形」の話を投稿した。「ずうのめ人形」に友達が殺された話を。

    その作品を読んだ審査員が次々に怪死した。

    死んだ審査員の一人の家で、その原稿を読んだ編集部の社員が、自宅の2階で死んだ。1階にいた社員の両親も死んでいた。

    「ずうのめ人形」は女児の作り話だった。この話を広め、呪禁を拡散させ、大量殺戮を実行したのはかつて少女だった女。

    この本の清々しいところは、本当に救いようのない奴が、救われてほしい人に追い込まれるところ。
    しかも、救われた奴が、自ら踏襲しようとするところなど、前作「ぼぎわんが、来る」とは一変して、人間の歪みを穿った作品になったと思った。それでも、ホラーのテイストは崩していないところは、澤村節と言えると感じた。

    分厚いけど、一気に読めた。

  • 感想
    真琴がずうのめ人形に立ち向かえるのか?強力そうだけど大丈夫なのか!?

    結末としては今回は比嘉の活躍ではなく、完全に他力本願な結末だった。心のスキマに呪いが宿るというのが著者の見解か。笑うセールスマン?

    あらすじ
    オカルト雑誌のライターが不審死を遂げる。ライターは目がえぐりとられていた。編集者はライターの部屋にあった原稿を持ち出し、それを読む。そこにはずうのめ人形と呼ばれる都市伝説的な物語が書かれていた。

    その物語を読んだものは日に日に人形が迫ってきて、4日後に死ぬ。野崎と真琴は、ライターから相談を持ちかけられ、その物語が事実であると知る。そこには真琴のすぐ上の姉が登場し、ずうのめ人形に呪殺されていた。

    ずうのめ人形の原稿を書いたであろう里穂を探すべく。野崎たちは謎に迫る。里穂は料理研究家として有名になっていた。野崎たちの助けにも応じず、追い返すが、ホラー雑誌の編集長の戸波が家を訪ねてくる。彼女も里穂の関係者だったのだ。そして、戸波に呪いがかかる時、里穂も巻き添えになり呪いの連鎖は断ち切られる。

  • 「ぼぎわんが、来る」に続いて読みました。
    ホラーとしても恐ろしいのはもちろんだけれども、それだけではなく、人間の執念、恨み、つらみの恐ろしさもしっかり描かれていて、そちらの方がより恐ろしかった気がします…。
    真実に近づいていく過程は、ドキドキしっぱなしでした…。

  • 久しぶりのホラー小説。

    読んで大丈夫か?怖っ、ぞわぞわビビりながらの読了。

全286件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

澤村伊智の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×