バー極楽

  • KADOKAWA
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本棚登録 : 95
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041067765

作品紹介・あらすじ

6年間の放蕩の果てに実家の寺に出戻った照月は、あらゆる欲を捨て「絶食系男子」に生まれ変わることを決意する。しかし修行を終えた彼を出迎えたのは、父ではなく欲望まみれの謎の美人姉妹だった! 派手でセクシーな “女豹”ことフミヨと、清楚だけど肉感的な“菩薩”のテイ子。自称姉妹の2人が境内に開いたバーには、連日煩悩まみれの檀信徒や町の人々がトラブルを持ち込んでくる。寺での生活を守るため、照月は嫌々トラブル処理に奔走するが……!? 欲と食の極楽へようこそ! 無欲の絶食系僧侶×欲深き美人姉妹、異色のトリオがあなたのお悩みを解決します。
痛快・爽快・うっかり泣ける!? 新食感のお仕事小説!!!!

感想・レビュー・書評

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  • 坊主バーってのは聞いた事があるけれど、これは荒行に出た住職とのご縁で謎の美人姉妹が寺の茶室を改装して営むバー(゜o゜)放蕩の果てに実家へ戻った照月(副住職)とトラブルを解決していく(^^)トラブル解決の糸口に食べ物を結びつけているんだけれど…あれっ?その食べ物私も食べてるよ(--;)私、病んでいるのかしら?(゚A゚;)と不安になった(^^;)住職も戻ってきていないし、美人姉妹も謎のままだから、続くのかな?

  • やりたい事をやった結果人生に挫折し、一度は出奔した実家の安穏寺を継ごうと副住職に就任した昭月。
    その父親であり現在は修行中の住職の許しを得ているからと、強引に寺の敷地内でバーを開く色気はたっぷりあるけれどどことなく胡散臭い姉妹。
    最初はなんだこの図々しい姉妹、と思ったのに、じわりとにじり寄られいつの間にやら絡め取られて、昭月や檀家や地域住民と同じ様に彼女達の掌で転がされてる感じ…。

    トラブルの解決法がちょっと強引かな、と思うけれど面白かった。
    姉妹の素性が最後まで明かされないので、もしかしたら続刊もあるかも。

  •  小さな寺の跡継ぎを嫌い出奔するも夢破れ帰宅。俗と欲を捨て、仏道修行に邁進することにした副住職・照月の奮闘を描く。
     プロローグおよび5章からなり、お仕事小説としての側面もある。

         * * * * *

     ずいぶん地味な小説だなあというのが読み始めの印象。夜な夜な営業するバー極楽やバーを切り盛りするフミヨ・テイ子の姉妹にも、惹きつけられるイメージがちっとも湧かない。

    でも1章を読み終える頃には ( 作品の雰囲気に慣れたせいもあるでしょうが ) おもしろくなってきました。これは地域に根差す寺としての困り事解決ミステリーだとわかったからです。

     実際に解決するのは照月なのですが、問題の本質を見抜いて解決への道筋をつけるのは、夜のバーで菩薩の微笑を浮かべるテイ子です。また、奔放なフミヨの思いつきのような感想も大きなヒントになったりします。つまり真の探偵は、妖しげなバーの妖しげな姉妹なのでした。
     照月が遭遇する問題を、バーの中で解決する姉妹。安楽椅子探偵ならぬ極楽バー探偵。この設定がとてもおもしろかった。

     各章のタイトルも凝っています。バーの付きだし(4章以外) と仏教用語の組み合わせ。いずれも問題解決に関わる、各章のポイントになっています。そして照月の僧侶としての成長にもつながっているのです。すばらしい。

     照月が関わる問題もバラエティーに富んでいておもしろい。
     檀家、地域、新たな信者。彼らが持ち込むのは信仰心とは無関係。俗にまみれた問題です。
     対して、昼は照月、夜は極楽姉妹。寺の仕切役が替わることで問題を違う角度から捉えることができています。だから解決は鮮やかです。この展開もいい。

     不満があるとすれば、極楽姉妹の正体と住職の荒行の事情が明かされなかったことです。
     遠藤さんは続編で明らかにするつもりなのだろうと信じていますが、『バー極楽』出版後そろそろ4年が経過します。少し待たせ過ぎではないでしょうか。1日でも早い上梓を熱望しています。

  • なんの経験が役に立つか、ほんとわからない。

  • 後を継ぐことを拒否して放蕩の限りを尽くしたお寺の跡取り息子が夢破れてお寺に出戻ってくる。これからは欲を捨てて修行に励もうと誓うも、敷地内に煩悩にまみれたバーが出来、そこに集まってくる悩みや問題を解決しながら前へ進んでいくお話。

    小さな推理小説の部類に入るのかな、もっと面白くなり得たかな、という感じもある。なぜ住職はこのふたりとバーを作ったのか、寺のものを盗んだ犯人は結局誰だったのか等、残った部分も多くあまりすっきりしないかな。寺の存続についてや、壇家争いのようなとこは面白かった。

  • 副住職のご近所&檀家トラブル解決。バーの二人の年齢は設定より10歳は上に思える。食べているものからトラブルの元を推測する日常の謎解きは他にもあるけど、それが仏教とつながるところが面白い。

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著者プロフィール

東京生まれ。1996年、脚本家デビュー。1999年、テレビドラマ「入道雲は白 夏の空は青」で第16回ATP賞ドラマ部門最優秀賞を受賞。2013年、『給食のおにいさん』で小説家としてデビュー。同作はシリーズ化されている。他著に、『キッチン・ブルー』『イメコン』『バー極楽』など。

「2020年 『二人がいた食卓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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