行きたくない (角川文庫)

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感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041067888

作品紹介・あらすじ

「ひとりで行きなよ」「いやなの、ねぇ条介お願い、ついてきて」
高校生の僕は幼馴染のアンから、恋人と別れるところを見ていてほしいと頼まれる。
バイトを休んで渋々ながら彼女についていった僕が目にしたのは--。(『ポケット』加藤シゲアキ)
朝起きてぼうっと生きていたらいつの間にか時間が過ぎ去っている。仕事から帰宅すると、毎日違う知らない友達が家にいる。
そんなある日、一人の友達だけが何度も家に来ることに気がついて――。(『コンピレーション』住野よる)

誰に何を言われようと行きたくない場所もあれば、なんとなく気持ちがのらない朝だってある。
ふとしたきっかけでサボってしまうかもしれないし、人生を変えるような決意で回れ右をすることもあるかもしれない。
ひとはいつでも「行きたくない」気持ちを抱えている。
僕たちのそんな所在なさをそっと掬い上げる、刹那のきらめきを切り取った物語。

感想・レビュー・書評

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  • 読んでみたかった加藤シゲアキ先生初読み
    『ポケット』は不可思議な女子に振り回される男子
    勝手に恋愛してくれよ と叫びたくなるわ
    お気に入りの阿川せんり先生
    『あなたの好きな/わたしの嫌いなセカイ』
    は まさに面倒くさい女子がぐいぐいくる嫌さが
    伝わってきて 誰が読んでも
    「行きたくない~」と思えるものでした

  • 「行きたくない」を題材にしたアンソロジー。個人的には奥野亜希子さんの作品が良かった。

  • 2019年6月角川文庫刊。加藤シゲアキ:ポケット、阿川せんり:あなたの好きなわたしの嫌いなセカイ、渡辺優:ピンポンツリースポンジ、小嶋陽太郎:シャイセ、奥田亜希子:終末のアクアリウム、住野よる:コンピレーションの6編の書下ろしアンソロジー。「行きたくない」をテーマにしている。コンビニで、ヤッシャイセーと主人公に声がけする店員さんの「シャイセ」というお話と、行きたくないと言うロボットの「ピンポンツリースポンジ」という2本が秀逸で楽しめました。

  • ピンポンツリースポンジ
    このAIロボットを想像して笑えた
    優しい物語の中に
    ロボットが意思を持ち始めたらどうなるのか想像したらぞっとした
    こんな本は連休の頭に読まないとと思いながら読んだけど、それぞれの物語は行きたくないややりたくないの中に行きたいとやりたいが交錯していた

  • 印象に残ったのは住野さん。

    SFみのある話はあんまり好きじゃないけど
    なんともいえない世界観。
    でも暗くないところがよかった。

  • 加藤シゲアキ、奥田亜希子、住野よる(以上すべて敬称略)目当てで手に取ったのですが、奥田さんがグッときた。年齢設定がマッチしてるからかな。子供が欲しいと思わない、生みたいと思わないのは異常なのか。わたしも割と妙齢ですがすごく欲しいと一度も思ったことありません。子供が欲しいからどうしような本サイトはたくさんあるのに、子供が欲しいと思うには、子供が欲しくなる方法なんてどこにもないよねー。っていう繊細なラインをなぞってきて、おおおって思った。やっぱり奥田さん好き。

  • 6人の作家による短編集。

    不思議なお話。

  • 「行きたくない」がテーマのアンソロジー。

    いやあ。
    行きたくない、分かる分かる。
    住野よると奥田亜希子が目に入って購入したけど、星四つか五つか迷うくらい、どれも印象に残るお話だった。

    以下、ネタバレ含む注意。



    「ポケット/加藤シゲアキ」
    友達が不登校になって、周りからは浮いた存在になってしまう。
    そんな彼に、優しく声をかける俺、という優越感が形になる後半が面白い。
    実は自分には出来ないこと、知らない世界を開いていた友達に、自分自身の狭量さを感じさせられる主人公。その描写に、青春を感じる。

    「ピンポンツリースポンジ/渡辺優」
    ロボットが「したくない」と言うのはオカシイ、という着眼点がいい(笑)
    Siriに拒否されたら、困るだろうな。
    検索したくありません。
    でも、そこでそんなロボットに愛嬌があると感じるか、不快に感じるかで、この物語は分岐するように思う。

    「シャイセ/小島陽太郎」
    明らかに拒食症と思しき店員シャイセと、仲良くなれないかと眺めているわかばさん。
    とあるキッカケから、二人は一緒に食事をするようになるのだけど、うどんをちょっとずつちょっとずつ咀嚼するシャイセが、可愛い。
    歪んだ生活の中にいる二人が、それでもか細い繋がりを得て満足するので、なんか、最後ホッとする。

    「終末のアクアリウム/奥田亜希子」
    停滞から抜け出すことの、グッという覚悟とか、痛みって、ちょっと分かる。
    この生温さが、ずっと続くわけではないと分かっていても、動きたくない。
    ゆるゆると終わりなく続く夫婦生活を、楽しんでいたはずの彼女。
    子供が欲しい、とスイッチを押した彼と、そのスイッチを押されたことで、ああ、この時がついにやって来てしまったと、動きを開始する彼女から放たれるノイズが、やっぱり、分かる。

    「コンピレーション/住野よる」
    仕事から帰ると友達がご飯を作って待っている。
    けれど、どうやらその友達とは初対面で。
    ゲームして、映画見て、悩みを打ち明けて、眠る。
    そして翌日、また違う初めての友達が待っている。
    そんなミステリーな始まりが、どんな結末を迎えるんだ、とドキドキしながら読んでいた。
    知らなくても、知ってくれている人がいる状況って、受け入れられるものなのか。

    でも、人付き合いが苦手だからこそ、付き合いが限定的に、しかも円満な形で始まっては終わってゆく、この小説みたいなカタチって、楽でいいかもしれない(ご飯までついてくる)と思ってしまった。

  • ロボットの話は好きだったけど、他は合わなかったかも。

  • テーマに基づき、複数の作家の短編が集められている。好き嫌いが結構分かれた。

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著者プロフィール

1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒。NEWS のメンバーとして活動しながら、2012年1月に『ピンクとグレー』で作家デビュー。以降『閃光スクランブル』、『Burn.-バーン-』、『傘をもたない蟻たちは』、『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』 とヒット作を生み出し続ける。2020年刊行の『オルタネート』で、21年に第164回直木三十五賞候補、第42回吉川英治文学新人賞受賞、第18回本屋大賞第8位、第8回高校生直木賞受賞。アイドルと作家の両立が話題を呼んでいる。

「2022年 『1と0と加藤シゲアキ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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