• Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041067888

作品紹介・あらすじ

どうしても行きたくないときだって、ある。

「ひとりで行きなよ」「いやなの、ねぇ条介お願い、ついてきて」
高校生の僕は幼馴染のアンから、恋人と別れるところを見ていてほしいと頼まれる。
バイトを休んで渋々ながら彼女についていった僕が目にしたのは--。(『ポケット』加藤シゲアキ)
朝起きてぼうっと生きていたらいつの間にか時間が過ぎ去っている。仕事から帰宅すると、毎日違う知らない友達が家にいる。
そんなある日、一人の友達だけが何度も家に来ることに気がついて――。(『コンピレーション』住野よる)

誰に何を言われようと行きたくない場所もあれば、なんとなく気持ちがのらない朝だってある。
ふとしたきっかけでサボってしまうかもしれないし、人生を変えるような決意で回れ右をすることもあるかもしれない。
ひとはいつでも「行きたくない」気持ちを抱えている。
僕たちのそんな所在なさをそっと掬い上げる、刹那のきらめきを切り取った物語。

感想・レビュー・書評

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  • 「行きたくない」がテーマのアンソロジー。

    いやあ。
    行きたくない、分かる分かる。
    住野よると奥田亜希子が目に入って購入したけど、星四つか五つか迷うくらい、どれも印象に残るお話だった。

    以下、ネタバレ含む注意。



    「ポケット/加藤シゲアキ」
    友達が不登校になって、周りからは浮いた存在になってしまう。
    そんな彼に、優しく声をかける俺、という優越感が形になる後半が面白い。
    実は自分には出来ないこと、知らない世界を開いていた友達に、自分自身の狭量さを感じさせられる主人公。その描写に、青春を感じる。

    「ピンポンツリースポンジ/渡辺優」
    ロボットが「したくない」と言うのはオカシイ、という着眼点がいい(笑)
    Siriに拒否されたら、困るだろうな。
    検索したくありません。
    でも、そこでそんなロボットに愛嬌があると感じるか、不快に感じるかで、この物語は分岐するように思う。

    「シャイセ/小島陽太郎」
    明らかに拒食症と思しき店員シャイセと、仲良くなれないかと眺めているわかばさん。
    とあるキッカケから、二人は一緒に食事をするようになるのだけど、うどんをちょっとずつちょっとずつ咀嚼するシャイセが、可愛い。
    歪んだ生活の中にいる二人が、それでもか細い繋がりを得て満足するので、なんか、最後ホッとする。

    「終末のアクアリウム/奥田亜希子」
    停滞から抜け出すことの、グッという覚悟とか、痛みって、ちょっと分かる。
    この生温さが、ずっと続くわけではないと分かっていても、動きたくない。
    ゆるゆると終わりなく続く夫婦生活を、楽しんでいたはずの彼女。
    子供が欲しい、とスイッチを押した彼と、そのスイッチを押されたことで、ああ、この時がついにやって来てしまったと、動きを開始する彼女から放たれるノイズが、やっぱり、分かる。

    「コンピレーション/住野よる」
    仕事から帰ると友達がご飯を作って待っている。
    けれど、どうやらその友達とは初対面で。
    ゲームして、映画見て、悩みを打ち明けて、眠る。
    そして翌日、また違う初めての友達が待っている。
    そんなミステリーな始まりが、どんな結末を迎えるんだ、とドキドキしながら読んでいた。
    知らなくても、知ってくれている人がいる状況って、受け入れられるものなのか。

    でも、人付き合いが苦手だからこそ、付き合いが限定的に、しかも円満な形で始まっては終わってゆく、この小説みたいなカタチって、楽でいいかもしれない(ご飯までついてくる)と思ってしまった。

  • 後輩におすすめしてもらった。
    チープかな、と思っていたけど、読んでみると、日常で思う・感じる微妙なものを、物語の中で消化できて、なかなかよかった。
    お礼を言おう

  • いい意味で想像してたのと違ってた。
    初めましての作家さんもたくさんで、惹かれる作品がたくさんだった。他の作品も読んでみたい。

  • 「行きたくない」

    この言葉だけで、色々なストーリーがあるのだなと感じた一冊でした。面白かったです。


    個人的には、「ピンポンツリースポンジ」と「シャイセ」か良かったです。
    お二人の他の小説も読んでみたくなりました。

    きっと色々な人が、色々な「行きたくない」を抱えて生きているんだろうなあ。
    一話読むごとに、「自分だけじゃない、今日も頑張ろう」と前向きにさせてくれました。

  • 行きたくない、そんなときが誰にでも。

    立ち止まっていることに対して、マイナスのイメージがあるのはなぜだろう。「行きたくない」けれど、別にここにいたいとか、ここが好きとかではない。明確にことばにできないけれど、「行きたくない」ときがある。逃避と言われても、目をそらしていたいことがある。各短編の登場人物それぞれに、「行きたくない」理由がある。結末は、前向きに立ち止まるようなものが多い。進んではいないけれど、進んでいるような。決して、読後が暗い作品ではない。

    渡辺優「ピンポンツリースポンジ」将来、もっとロボットが発展したら、なんとなく理由はないけれど行きたくないと言い出すロボットが出て来るかもしれない。そんな、ロボットに親しみがわく未来を想像しつつ。どうしてもロボットに感情移入してしまう人の話でもある。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/517280

  •  どうしても行きたくないときだって、ある。を綴った6人の作家さんの物語。

     内容紹介:誰に何を言われようと行きたくない場所もあれば、なんとなく気持ちがのらない朝だってある。 ふとしたきっかけでサボってしまうかもしれないし、人生を変えるような決意で回れ右をすることもあるかもしれない。 ひとはいつでも「行きたくない」気持ちを抱えている。 僕たちのそんな所在なさをそっと掬い上げる、刹那のきらめきを切り取った物語。

     こちらの著書を購入したきっかけは、作家の一人の住野よるさんの作品が載っててそれで読んでみたいと思って購入したんですが、読んで見るとどの話も良かったです。特に心に残ったのが

     阿川せんりさん・・・好き・嫌いどっち? 「あなたの好きな/わたしの嫌いなセカイ」

     渡辺優さん・・・エラー?ロボットだって... 「ピンポンツリースポンジ」

     小嶋陽太郎さん・・・人は見た目では。なんとなくホッ 「シャイセ」 

     住野よるさん・・・住野さんの空気が。幸せって... 「コンピレーション」

     ほんとどれも良かったですが、やっぱり短くても住野さんワールドが一番良かった(^^)

  • 読みやすい短編集。
    読み辛いなと思って手が止まることがなかった。

  • おもしろかった~
    いろんな人のいろんな「行きたくない」、ネガティブな言葉だと思われがちだけどもしかしたら物語を広げる物凄い言葉なのかもしれない
    個人的には「シャイセ」が好き

  • 2019年08月15日読了。

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著者プロフィール

加藤シゲアキ(かとう しげあき)
1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒。2012年1月、『ピンクとグレー』で作家デビュー。同作は16年に映画化され、大ヒットした。以降『閃光スクランブル』『Burn.-バーン-』(以上、渋谷サーガ3部作)と年1作のペースで執筆を続ける。最新刊は『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』。NEWSのメンバーとして芸能界でも活躍の場を広げ、近年はドラマやバラエティ、情報番組などに出演し、アイドルと作家の両立が話題を呼んでいる。

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