あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 599
レビュー : 82
  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041067925

作品紹介・あらすじ

江戸は神田の筋違御門先にある袋物屋の三島屋で、風変わりな百物語を続けるおちか。 塩断ちが元凶で行き逢い神を呼び込んでしまい、家族が次々と不幸に見舞われる「開けずの間」。 亡者を起こすという“もんも声”を持った女中が、大名家のもの言わぬ姫の付き人になってその理由を突き止める「だんまり姫」。屋敷の奥に封じられた面の監視役として雇われた女中の告白「面の家」。百両という破格で写本を請け負った男の数奇な運命が語られる表題作に、三島屋の長男・伊一郎が幼い頃に遭遇した椿事「金目の猫」を加えた選りぬき珠玉の全五篇。人の弱さ苦しさに寄り添い、心の澱を浄め流す極上の物語、シリーズ第一期完結篇!

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ5作目。
    本作でおちか編は完結のようです。これからは三島屋次男坊、富次郎編。

    本作は語り手がいつも個性豊かでそこも見所のひとつ。実際読んでいて、語り手の表情だったり仕草だったりが見える。その描写力はやはり宮部さん、と言うほかないですね。

    形式、主題としては百物語ではありますが、怪談と言う括りでは収まらない、ふしぎなお話たち。勿論怖い話だってあるんですけど、絶対一番恐ろしいのは人。ふしぎな話を通して、いつの時代も変わらぬ人の心のありようを書かれている。それは宮部さんの作品全てに共通することかな。

    フィクション、ファンタジーなのだけれど、それがよりリアリティを浮き彫りにしている気がします。

    【開けずの間】
    最後に行き逢い神の言ったことが全てだと思う。バカだねぇ。

    【だんまり姫】
    本作で一番好きなお話。語り手のキャラクターも、話の内容も、ボリュームも。語り手と登場人物の関係などまで本当に魅力的。図太い語り手がイキイキとしています。

    【面の家】
    語り手の声が、ちびまる子ちゃんの前田さんの声で脳内再生されました。こう言う人の気持ち、そうそう、あるよな、と言うのがズバリ書かれていて、グサリときます。

    【あやかし草子】
    語り手二人分と言える回。
    そうきたか、と言う。
    大きな節目回。
    結局、どっちなの? と言うところが気になって仕方ないです。

    【金目の猫】
    三島屋の紹介として読みました。
    おちか視点ではわからなかった昔の三島屋の様子、長男、次からの主役である次男の人となり。
    三島屋主人やおかみさんのことも、叔父叔母ではなく親としての姿が見られる。貴重な一本。

    こんなこと言ってはアレなのですが、伊一郎と富次郎、読んでいてどうしても畠中恵さんのまんまことシリーズの清十郎と麻之助に重ねてしまって。脳内ビジュアルがつい。
    小僧コンビは宮部さんのぼんくらシリーズの弓之助、おでこのようなイメージ。かわいいらしい。

    これからがまた楽しみです。

  • 大好きなシリーズ。
    今回はシリーズ第一期完結という節目の第五弾。
    今回も三島屋の黒白の間で様々な語り手が聞き手・おちかに胸に溜めた秘め事を語る。
    思わずゾクッとする話や身の引き締まる思いにさせてくれる話と相変わらず幅広い。

    人の弱さにつけ込む「あやかし」達のなんと多いことか。
    そしてそんな「あやかし」に惑わされる人の弱さをまざまざと見せつけられる。
    けれど語り終え胸の重荷を下ろした人達の満足した様子に読み手も安堵する。
    これだから、この三島屋シリーズはやめられない。

    百物語中二十七話まで聞き捨ててきた黒白の間。
    我らがおちかはお勝の予言通りの展開になって喜ばしい反面、寂しい…けれどやっぱりおめでたい!
    引き継ぐ小旦那の今後にも期待して第六弾を待ちたい。

  • 続き物とも知らずここから読んでしまった。
    三島屋の人達の前にあったことなどをもっとしっかり知っていればもっと楽しめただろうけど、それでもここから読んでも凄く楽しかった。
    語り部の口から語られるなんとも面妖なお話達…ゾッとするものもあれば、涙腺がうるっとくる話もある。
    語り捨ての話と言いつつ、つい怖い話などは頭から離れなくいで残ってしまうあたり、自分はこの話を捨て開けてないのか…と、思ったりするとちょっとまた怖くなる。
    機会があればしっかり最初から読みたい。

  • 開けずの間・・・塩断ちにより呼び寄せてしまったのは、
          邪神か?
    「猿の手」を彷彿とさせる願いの行き逢いが襲う悲劇。
     最後の最後まで背筋がぞぉっとさせられる。
     “うふふ”が最凶に恐ろしい!
    だんまり姫・・・亡者を起こす声を持った、
          おせいの数奇な運命。
     恐れず行動する、おせいの真っ直ぐな心意気、
     姫と一国様の可愛さと健気さが際立ってます。
     そして、なんといっても亡者よりも生者の方が怖い。
    面の家・・・謎めいた奉公先には、謎めいた人々と
         謎めいた面がいた。
     面の家にいる人たちはどこから来たのだろうか?
     現代にも面の家はあるのだろうか?
     と、考えてしまいました。
    あやかし草紙・・・一冊の薄い冊子を写本することで起こる
         人生への影響とは?もしかして彼も?
     だが、次の語り手である老婆の話がおちかを動かす。
     聞き捨てできなかったおちか。
     聞き捨てできた富次郎。
     ここが聞き手交代の運命の分かれ道と、読みました。
    金目の猫・・・三島屋の兄弟、伊一郎と富次郎。
       二人が子ども時代に出会った、猫の正体は?
     第二期へのプロローグ。富次郎目線での話です。
     ここでやっと三島屋と兄弟の過去がわかりました。
    これにて第一期完結。怖い話、切ない話が繰り返される
    合間での、おちかの心情と行動。
    過去からの脱却にもなったかな?
    また、話毎に富次郎の姿が大きくなりました。
    これにて、女性目線での聞き捨てはおしまい。
    また、お勝の過去も気になっています。
    第二期にも期待!

  • ここにきて一気に物事というものは進んでいくのだな。
    おちかちゃんの幸せをずっと祈っていたけど、なんていうかこう人生だなって気がした。別れがあり出会いがあり。何かのきっかけで日にち薬の効能が現れる。そして物語は新たな局面を迎える。
    勘一さんの寿命はきっと長生きするんだろうな。
    富次郎の感傷もなぁ、切ないですね。

    百物語としてもどの話もおもしろかった。
    富次郎編にも期待。
    最初から読み返したくなったけど、いかんせん気軽に読める量じゃあないよね。

    先日、江戸深川資料館に行ってきて、江戸の街並みの再限度がすばらしく楽しかった。三島屋シリーズではさほど出てこないけど、深川は宮部さんの出身地らしく著作の紹介もありました。
    江戸なら普通に住めそうって思ってしまう。むしろ住んでみたい。

  • 驚きの展開。。。次からどうなるのだろう?

  • 三島屋百物語シリーズ最新作。
    とても面白かったです。ちょっと暗い話あり、じんわりと明るい話もありとバラエティに富みつつシリーズについに動きが・・!
    読み応えもばっちりだし引き込まれる感じもかなりのものです。とても素晴らしい・・・んですが。
    ただ問題はその「シリーズに動きが!」というところで。普通ならびっくりしつつとても盛り上がるところなんですが、あろうことか以前に発売してた宮部みゆきの公式読本で「今後の展開」という感じでがっつりとネタばれされてるという。しかも作者本人が。そりゃあないでしょ宮部さん・・・

  • 今回も面白かった。怖ろしいより哀しみや情が溢れる話が多かった。宮部みゆきさんも丸くなったか?
    聞き役が男性にかわる百物語はやはり変化するのだろうか。

  • 江戸は神田の筋違御門先にある袋物屋の三島屋で、風変わりな百物語を続けるおちか。 塩断ちが元凶で行き逢い神を呼び込んでしまい、家族が次々と不幸に見舞われる「開けずの間」。 亡者を起こすという“もんも声”を持った女中が、大名家のもの言わぬ姫の付き人になってその理由を突き止める「だんまり姫」。屋敷の奥に封じられた面の監視役として雇われた女中の告白「面の家」。百両という破格で写本を請け負った男の数奇な運命が語られる表題作に、三島屋の長男・伊一郎が幼い頃に遭遇した椿事「金目の猫」を加えた選りぬき珠玉の全五篇。人の弱さ苦しさに寄り添い、心の澱を浄め流す極上の物語、

  • 三島屋百物語シリーズ第5弾。

    今回は、妖(あやかし)の話が幾つかあり、怖い。それを含めて安定して面白い。

    おちかが嫁入りしてPhase 1 終了。嫁ぎ先は近いから、また登場はするのでしょう。

    以下は読書メモ:

    第一話 開けずの間
    行き逢い神は、人のなにかと引き換えに願いをかなえると言って、人の心の隙間に入り込む、実はあやかし。本当は願いはかなわず、不幸の連鎖が続く。すごく怖い話。

    第二話 だんまり姫
    もんも声は亡者をおこす。

    第三話 面の家
    屋敷の奥に閉じ込められた面は、世の中の災いの元となる。それを逃したお種。

    第四話 あやかし草紙
    瓢箪古堂の勘一が語る。写本を書くと、自分のあれがわかってしまう本。
    その次の語りは6度嫁いだ婆様の話。
    勘一は写本したのか、その結果を見届けるため、おちかは嫁に行く、と。

    第五話 金目の猫
    兄弟が黒白の間で語る。
    伊一郎は金目の猫の正体に気がついていた。
    最後はおちかの祝言。裏口に祝の挨拶に来たのは…

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。
1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。
大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。
『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。

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