あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続

著者 :
  • KADOKAWA
4.24
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本棚登録 : 1518
感想 : 222
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041067925

感想・レビュー・書評

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  • 主人公のおちかという娘がお客様の話を聞いて厄を落とすシリーズ。
    今回は、おちかの人生も変わってしまうような出来事がありました。
    今後このシリーズはなくなるのか?どうなるのか?きになるところです。
    宮部みゆきの江戸シリーズは、本当に自分が江戸にいるかのような気分にさせてくれるのが、素晴らしいと思います。

  • あやかし草子、金目の猫、が良かったです。
    今回も良い人情話が読めて楽しめました。

  • 図書館より。

    何だかんだで、シリーズ全部読んでいた自分に驚いた。
    読んでいて、???って思いながら読んだところもあったけど(笑)。おっかなびっくりだったけど、楽しく読了。やっぱり面白い(怖いけど)。
    主人公である女の子の成長って意味で、一部完結なのかな。でも、続いて欲しいなぁ。

  •  江戸時代の神田を舞台にした三島屋百物語シリーズの第五弾。
     今回も、つつましく暮らす市井の人びとがあちこちで遭遇した、悲しくも妖しい五つの話が収められている。

     人間の欲望を食い物にする悪霊のせいで死に絶えた一家の話や、化け物を呼び寄せる声を持って生まれてしまった少女、江戸時代版デスノートと、中身はおどろおどろしいが、いずれも人情味あふれる主役・脇役たちや、人を慈しむ心が丁寧に書かれており、560ページにもかかわらずぐいぐいと楽しく読み進めることができた。。

     『あやかし草紙』という、いかにも俗っぽい時代小説シリーズのようなタイトルが気になっていたのだが、この表題作の話の中で、聞き手であるおちかの身にも重大な喜ばしい出来事が起こる。というか、ある一大決心をする。
     百物語と言いながら、ここまでで約二十数話。果たしてこれで大団円となるのか。作者のことだから、また興が向いたら新たな聞き手を迎えて三島屋百物語を続けていくのか。読者にとって悔いが残らない、どちらともとれる見事な終わり方で、作者の老後の楽しみにとってあるような気がしてならない。

  • あ〜、面白かった。本当に。
    楽しい時間はあっという間に終わってしまった
    。シリーズ4作目の「三鬼」は貸出中で、
    先にこちらを借りて読んでしまった。
    登場人物が入れ替わっていたが、
    丁寧な話運びなので戸惑う事なく、
    すんなりと三島屋界隈江戸の町中に入り込めた。
    相変わらず人の業の恐さを思い知らされるが、
    「だんまり姫」には泣かされた。
    さてさて、これからの三島屋百変調百物語が、
    どのように進んでいくのか楽しみです。
    あの世とこの世の受け渡し商人が、
    お祝いに出てくる最後、
    上手いなあと思った次第であります。

  • 三島屋シリーズ最高傑作(私比)。宮部文には語りが本当によく合います。今回、「開けずの間」が非常にゾクソクと恐ろしく”やばい”やつで始まり、「だんまり姫」でちょっとほっこりし、「あやかし草紙」で考えさせられ、「金目の猫」で色々と百物語以外の話で盛り上がりながらも、ぞわっと〆るという、とても流れのいい程よい長さの一冊。とうとうおちかちゃんが嫁入り、百物語は代替り。おちかキャラ好きだったので、なんとなくとても寂しい気はするが、まだ続きそうな感じなので、それはそれで楽しみ。
    ただ、一箇所、174頁、もんも声のおせいの肩に鴎が止まるシーンがあるんですが、
    ”鷗は魚を捕らえる鋭い鉤爪でお星の肩の肉をぎゅっとつまみ、”
    という箇所、鷗は水禽とは微妙に言えないんですが、水かき(足の指の間に膜がある)がついた水鳥ですんで、鋭い鉤爪もないですし、魚を捕らえるのはもっぱら嘴です。ということで、”もんも”的にはオッケーなんですが、漁師町育ちのおせいが鷗の事をこう言う風に形容するのはかなり違和感があるかと、、。

  • このシリーズも5冊目。
    今回も一気に読んでしまった。

    一番怖かったのは「開けずの間」。
    それこそ息を詰めるように読み進み、最後はおちかと同じようにゾッとした。
    得体の知れない『魔』ほど怖いものはない。が、もしかして?と含みを持たせつつ、結局はその正体は明らかにならず、欲に付け込まれた人間はその命をとられていく。
    もっともっと、の思いが人の原動力になるけれど、ひとつ間違えば。。。
    まず『今あるもの』に幸せを感じ感謝して、思考の向きに気をつけなくちゃ。だって、わたしだっていつ、行き違い神に付け込まれるとも限らないから。

    「だんまり姫」は、根っこにあるのは残酷な話だけれど、何故か終わりにはホッと胸の中心が暖かくなった。一国さまの心根の良さがいじらしい。「あんじゅう」のような読後感。

    「面の家」は心根がねじ曲がった娘が遭った恐ろしい出来事。
    かくいう私も相当心根がねじ曲がっているので、面の声が聞こえてしまうかも、なんて思った。ねじ曲がった心根って変えられるかなぁ、、お種にはアドバイスできるけれど自分のことになるとどうしたらいいのかさっぱりだ。

    「あやかし草子」は貸本屋が繁盛し、人の手で写本をするという江戸時代ならではの怪異。おちかが嫁入りするきっかけとなったお話でもある。

    「金目の猫」は次男富次郎と長男伊一郎が幼い頃体験したちょっと切ない不思議な話。覚えていないだけで、子供の頃ってけっこう不思議な体験誰しもしているかもしれないなって思った。
    このお話でおちかは嫁に行き、変わり百物語の聞き手が富次郎へと変わる。
    おちかの聞きっぷりは、わたしには到底思い付かないような思いやりのある心遣いを話し手に出来ていて、何度も感心した。見事だった。
    聞き手を務めていくうちに、おちかの心が修復され、伴侶を得た終わり方で安心した。そうでなくちゃ。

  • 「だんまり姫」の決意と勇敢さったらない。泣いちゃいましたよ

  • 表題になっているあやかし草子よりも、一番最初の「開けずの間」が1番怖かったです。
    願掛けで行き逢い神に出会ってしまい、それがあまり良くない神様なので、納屋に近づかないようにしているのにもかかわらず、危機があると近づいてしまう家族。
    そして、自分の願いのために、他の人の(しかも家族)の命を簡単に犠牲にしようと考えて、それを実行してしまう。
    一家のほとんどが変な亡くなり方をし、最後に行き逢い神が放った一言で我に返る。なんでそこに気が付かなかったのだろうって。
    それがまたショックだったりします。

  • 今回は、怖いというよりは悲しい話が多かったようにおもいました。
    でも、いい話で終わってよかったです!
    次からは富次郎さんがつとめるんですね。楽しみです。
    開けずの間→なぜ 自分ばっかり不幸を背負ってしまうのか?の気持ちから皆を巻き込んでしまう話
    だんまり姫→かわいい姫様がある日声が出なくなってしまった。それには大人たちの犠牲になった一人のお殿様が関わっていました。
    面の家→嘘をついたり 悪いことをして悔い改めた人を探している?それは、面に騙されないようにだった。
    あやかし草紙→写本して欲しいが、読んではいけない冊子?
    金目の猫→伊一郎さんと富次郎さんがしみじみと昔話をする。(((^^;)

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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