- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041068052
作品紹介・あらすじ
【あなたの死後、不要となるデータを削除いたします。】
罪の証。不貞の写真。隠し続けた真実。
『dele.LIFE』で働く圭司と祐太郎の仕事は、秘密のデータを消すだけ――のはずだった。
あなたの記憶に刻まれる、〈生〉と〈死〉、〈記憶〉と〈記録〉をめぐる連作ミステリ!
『dele.LIFE(ディーリー・ドット・ライフ)』。
真柴祐太郎がその殺風景な事務所に足を踏み入れたのは、三ヶ月ほど前のことだった。
所長であり唯一の所員でもある坂上圭司いわく、
「死後、誰にも見られたくないデータを、その人に代わってデジタルデバイスから削除(delete)する。それがうちの仕事だ」。
誰かが死ぬと、この事務所の仕事が始まるのだ。
新入りの祐太郎が足を使って裏を取り、所長の圭司がデータを遠隔操作で削除する。
淡々と依頼を遂行する圭司のスタンスに対し、祐太郎はどこか疑問を感じていた。
詐欺の証拠、異性の写真、隠し金――。
依頼人の秘密のファイルを覗いてしまった二人は、次々と事件に巻き込まれる。
この世を去った者の〈記録〉と、遺された者の〈記憶〉。
そこに秘められた謎と真相、込められた切なる想いとは。
『MISSING』『MOMENT』『WILL』などで「生」と「死」に直面した人々を描いてきた著者が、
今だからこそ書き得た新たな代表作。
≪dele=ディーリー。校正用語で「削除」の意。≫
感想・レビュー・書評
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「自分の死後、このデータは削除される。そう信じていたからこそ、依頼人は最期までデータを残していられた。」データに秘められた謎と真相、込められた切なる想いとは。
祐太郎は削除する前にデータを見てみようとすぐ所長に言う。依頼人の家族や大事な人の為とは言え、毎回ちょっとイラっとしてしまう(笑)
誰にも見られたくないからdele.LIFEに依頼してるのにどうなんやろう。
でも、結局最後にほろっとさせられてこれでよかったんだと思わされる。悔しい(〃∀〃)ゞ
この世をさった者の過去と、遺された者の未来ならやっぱり…
「消すことで守れることもあるが、残すことで守れることもあると思う」
まぁね、所長も祐太郎と同じ思いだからクビにしないわけだし、いいコンビだと思う。
だけど介護の話だけはそう簡単じゃないと思う。
今のところ私には削除したいデータはない。 -
『dele』本多孝好 著
1.職業 消去屋
弁護士事務所を経営する姉。
その弟が経営する事務所はその姉の事務所と業務提携をしている。
職業は消去屋。
依頼者が死亡後、依頼者の指示した時間以内に、指定されたデバイスのログを消去するという内容。
2.2人の登場人物。
消去屋の所長は、仕事のプロフェッショナル。依頼人との契約を遂行するために、どこまでも理論的にかつ理性的な思考の持ち主。
一方で所長のアシスタントは、消去する範囲そしてその理由に曇りがあれば、調べないと気がすまない情緒性豊かな思考の持ち主。
対極にある2人。
仕事を通じて、お互いのポリシーの明らかな違いを認識しながらも、あゆみ寄りが始まる。
3.消去できることと、消去出来ないもの
この世界から物理的なものは消去できる。
ログもそして生物としての存在も。
一方で、往きし人々との生前の思い出は、プラスもマイナスも消去できづらいものである。
この『dele』の世界では、残された人々が、往きし人々に想いを馳せる物語でもある。
タイトルがdelete /完全な述語ではないこと。
そこに、勝手に意図を想像をしてしまうのは、小説を閉じてしばらくしてからのことであった。。。
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『dele.LIFE』は、死後、誰にも見られたくないデータをデジタルデバイスから削除する会社だったが……。
原作ではなく原案なので、ドラマとはちがった話が読めてたのしい。
ドラマ脚本も筆者なので、世界に違和感がなく、ドラマの配役で脳内再生された。
人の死にかかわる仕事だけれど、遺された人たちのことを思うあたたかさがあって、読後感がいい。
仕事へのスタンスや、人間への信頼などは正反対なのに、どこか通じるところもあって、いいコンビ。 -
2024-10
依頼人が死亡したら、頼まれたデータを削除する仕事のお話。
本来は死亡したら中身を確認せずにすぐに削除するはずなのに、新人祐太郎になんやかんやと言われて中身を見てしまう圭司も圭司では……と思ってしまった。
登場人物に割と感情移入してしまうし、 なんか揺さぶられる感じがする。
私も死んだら誰にもみられずにデータを消して欲しい。 -
切ない話ばかり。
どの話も好きやけど、『ドールズ・ドリーム』と『ロスト・メモリーズ』が特に好き。 -
ぼちぼちでしたね。
読み易くてよいのですが、特に不思議な題材である割には目新しさはなく。淡々と読み終わりましたね。余韻を感じるものもなく少し期待外れな感じです。とりあえず、好きな作者なので続編も読みますが。 -
ドラマで知りました。
ドラマとは若干話は異なりますが、もう山田孝之と菅田将暉のイメージで読みました。
実際に存在しそうな現実味もこめて、面白くあっという間に読めました!
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面白かった。久々にミステリーを読む。タッグもの。すべての謎が明らかになるわけでもなく、謎を明らかにするのかどうか?というのを、二人が毎回揉めているのが新鮮。
そこに、情報化社会の、知る権利やプライバシーを絡ませていて、今風だなあと感じた。
親しい人が亡くなったときの、「思いきり悲しめばいい。自分がかわいそうだと思わなくていい」というメッセージがよかった。
自分がどんな困難になったとしても、それをまっすぐに受け止めたい。かわいそうだと思わなくていい。辛いなら辛いと、誤魔化さず、受け止めて生きていきたい。
ミステリーは、キャラクターが大事なんだなあと思った。主人公がまっすくで、見ていて気持ちがいい。社会的にはまっすぐじゃないんだけど、気持ちがまっすぐなのがいい。
あと女子キャラが可愛い。妹の友達と舞ちゃんとか。気のおけない女子を描かせるのがうまいというか、憎めない感じで、可愛い。続き読もうか、迷う。 -
ドラマが面白かったので「これは原作を読まねば」と購入した本。
当時、わくわくしながら読み始めたけれど、厳密には『原作』とはちょっと違った。良い意味で裏切られた。設定や世界観は同じだから入り込み易いし、圭司と祐太郎のセリフは山田孝之&菅田将暉で再生余裕でした。
本作で一番泣いたのは「ドールズ・ドリーム」
圭司が重視する『依頼』と祐太郎が大切にしたい『遺族の感情』、双方から読み解かれる『依頼人の真実』に毎話心が揺さぶられまくる。涙腺が弱い人は、絶対に公共機関で読まないで欲しい。
けいたんさんは関西の人なんですね!
レビューの最後の一文カッコ良すぎます(o^^o)
けいたんさんは関西の人なんですね!
レビューの最後の一文カッコ良すぎます(o^^o)
コメントありがとうございます(^-^)/
小さい頃に関西に住んでいましたが、もうずっと九州です。どっぷり九州ですね(...
コメントありがとうございます(^-^)/
小さい頃に関西に住んでいましたが、もうずっと九州です。どっぷり九州ですね(*≧艸≦)
最後の一文褒めてもらって嬉しいですが、大した人生を過ごしていないって事ですよ!
なんの取り柄もないので。