dele2 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041068069

作品紹介・あらすじ

消えゆく記憶。削除(=dele)された真実。
驚愕と感涙のミステリ、待望の第2弾。


『dele.LIFE(ディーリー・ドット・ライフ)』は、依頼人が死んだときに動き出す。
故人より託された秘密のデータを削除するのが、この会社の仕事だ。

所長の圭司の指示を受けて依頼人の死亡確認をする祐太郎は、
この世と繋がる一筋の縁を切るような仕事に、いまだ割り切れないものを感じていた。

そんなある日、祐太郎の妹・鈴が通っていた大学病院の元教授・室田から依頼が舞い込む。
難病を患い、新薬の治験中に死亡した鈴。その真相に二人は近づくが……。

感想・レビュー・書評

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  • 依頼人が死んだときに託された秘密のデータを削除するのが、圭司と祐太郎の仕事。記憶と記録をめぐるミステリ、待望の第2弾。

    今回は中編3作でどの作品も読み応えあってよかった。キュッと切なくもあるけど、最後はやっぱり優しさで胸が暖かくなる。

    3話目は祐太郎の妹の話。鈴の死には何かある⁉︎ 佑太郎とケイは真相をつかもうとするが…。
    新薬、治験、医療事故、隠蔽工作…。
    そこに隠された驚きと悲しい真実。

    家族が病気になった時、なんとかしてあげたい焦り、なんにもしてあげられない苦しみで押しつぶされそうになる。そして、何にでも縋りたくなるのだと思う。その気持ちはわかる…

    「今と同じだよ、祐さん。そういうときに人は、泣けばいいんだと思うよ」

    ドラマ始まりました。会社の仕事内容はおなじだけど、依頼内容はドラマオリジナル。ちょっと暗めだね。

  • 依頼人が死亡したときにデジタルデバイスからデータを消去するdele.LIFEの物語第2弾で、中短編3つ収録。
    どれも真の悪人はおらず、やるせない読後感が残る話である。
    最終話で祐太郎の妹の事件に決着がつくが、圭と祐太郎の今後がどうなるのか気になる終わり方だったので続編を読みたい。

  • メインの話(祐太郎の妹の話)も良かったけど「アンチェインド・メロデイ」も「ファントム・ガールズ」も両方とも面白かった。ミステリとしても面白いけど、人間関係のもどかしさや切なさがとても突き刺さる内容で、読後は寂寥感ありつつも爽やかさのような。

  • えええええっ!
    それでも1年後あたりに。ねぇ?

    優しい人しか登場しなくて辛い。

  • 気付いてしまった瞬間、思わず本を閉じてしまった。信じたくなくて。

    無くしたくないのにこぼれ落ちていくものが悲しくて。でもこの歳になってみると全部全部零さないで抱えて生きていくことがどれだけ困難なことなのかも頭では分かっている。
    悲しくても泣きながらでも、気付かないふりでふんばってても時は進んでいくし、人生は進んでいく。色々色々考える。
    その悲しみと向き合う時間や、身をまかせる時間も必要なんだろうな。
    そしてやっぱり色々考えてしまった。

  • 1巻に続き、テレビの内容とは異なる事案が読めることに満足しつつ。
    2巻のラストは、テレビの内容とかぶって、祐太郎の妹の死の真相についての言及になっている。が、テレビの内容よりも原作の方が憂鬱感が増すというか、不穏な空気が漂っている。
    ケイと祐太郎の今後も不透明なままエンディングとなり、私的にはすっきりしない展開。でもこれも、3巻へ続く伏線と捉えれば、楽しみになるのかもしれない。

  • 「dele」一冊目だけではいろいろと伏線や謎が残っていましたが、それを綺麗にすべて掬い上げた完結編。一冊目を読んだ時に少し感じた消化不良感はなくなりましたが、読み終えると逆に、「完結」してしまったことがなんだかもったいなくも感じました。

    それは凄く出来の良い(もちろん別設定であるとはいえ)ドラマ版が頭にあるという影響が否めません。彼らの「dele」での活躍を、もっと見たい、まだ読みたい…という想いがどうしても強かったからです。

    そんな個人的な感情論を省くともちろん、祐太郎と圭司の物語としてしっかりと収束しています。

    収束に至る話の前の、女性二人の物語のやるせない切なさも余韻があリ考えさせられます。

    最後の物語では祐太郎の過去へと迫っていき、その真実が明らかになるにつれ、過去と向き合うことの無意味さ、虚しさもあらわになり、そして「巨悪」の不在がまた彼らを追い詰めていく。
    そんな、ほんとうのことが明らかになってハッピーエンド、と簡単にさせない小憎たらしさが作者らしいというか、だからこそ複雑に交差する人間模様に惹きつけられるというか。…ただ、彼らがきっと遠くない将来に、また笑い合える日が来てくれるだろうという希望は、持てそうなだけ、良いラストだったと思いました。

  • 『dele.LIFE』は依頼人が死んだときに動き出す。託された秘密のデータを削除するのが、この会社の仕事だ。所長の圭司の指示を受け依頼人の死亡確認をする祐太郎は、この世と繋がる一筋の縁を切るような仕事に、いまだ割りきれないものを感じていた。ある日、祐太郎の妹・鈴が通っていた大学病院の元教授から依頼が舞い込む。新薬の治験中に死んだ鈴。その真相に2人は近づくが…記憶と記録をめぐるミステリ、待望の第2弾。

  • 圭司と祐太郎の思いがけないつながりにびっくり。
    まさか、まさかの展開。
    これで完結なのかな。
    圭のユウも好きだったので残念。
    でも、2人はこれからもまっすぐに生きていくはず。

  • まさかの過去の因縁が明らかに…。

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著者プロフィール

1971年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。1994年「眠りの海」で小説推理新人賞を受賞。‘99年、『MISSING』で単行本デビュー、「このミステリーがすごい! 2000年版」でトップ10入りするなど高く評価され、脚光を浴びる。以後、恋愛、青春小説を超えた新しい静謐なエンターテインメント作品を上梓、常に読者の圧倒的支持を得ている。その他の作品に『正義のミカタ』『MOMENT』『WILL』『魔術師の視線』『君の隣に』など。『dele』では原案と脚本を担当し、山田孝之と菅田将暉主演でドラマ化された。

「2021年 『チェーン・ポイズン <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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