阿Q正伝 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 120
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041068533

作品紹介・あらすじ

貧しい農民の家に生まれた一人の人間を通し、当時の中国社会を風刺的に描く。辛亥革命の失敗点を痛烈に暴き、民族的決意を促し、文学史にその名を刻んだ代表作。ほかに、デビュー作の「狂人日記」、日本留学の思い出を描いた「藤野先生」、「孔乙己」「小さな事件」「故郷」「家鴨の喜劇」「孤独者」「眉間尺」を収録。解説/佐高信

感想・レビュー・書評

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  • 世界史の授業で魯迅が紹介され、興味を持った。

    留学先の日本で彼は、祖国中国人が、同じ中国人が処刑されているのに笑って見ている映像を見て違和感を感じ、作家として国民意識の変革に挑むことを決意する。

    難解な表現も多く、読み進めるのが大変だったが、革命時の中国を知るきっかけになる1冊。

  • 最初は立派な人物の伝記と思いきや、いい加減で無知でどうしようもない男の話が始まる。皆に馬鹿にされてもある意味強メンタルの持ち主。
    最後の方になんかよくわからないうちに終わりを迎えるのだが、背景を知らないと呆気ない印象。
    もう少し、ストーリーだけで面白いと良いのだが

  • 久しぶりに読んだら、色々と学びがありました。

  • 子供の時、いつもかよっていた本屋の棚にあって気になっていたけど、なかなか読む気になれず今日初めて読んだ。やっぱりあの時読んでおいたらよかったなあと思う。子供の時に読んでいたら、もっと違う大人になっていたかもしれない。
    ということは自分も阿Qと同じということか。。。

  • 図書館で借りた。
    言わずもがなだが、中国の革命期における伝説の小説家。仙台で医学を志したが、志半ばで去り、国民党政府からは反体制のレッテルを貼られ、かたや共産党からは異様に祭り上げられた人物。
    その代表作である阿Q正伝に、狂人日記も収録された文庫。

    人肉を食べるという恐怖感から、儒教の虚偽暴露を意図している…ってのは有名な話なので分かったつもりでいるが、私は小説からはそこまで読み取れない。やはりどうも文学的センスは不足しているようだ。
    あくまで歴史的史料を読むことができたとして、自分の中で納得したい…。

  • 定職も学もなく、日雇いで暮らす「阿Q」。
    阿Qの、革命の噂に憧れを抱いた顛末を描きます。
    中国社会の病根である儒教を媒介とする封建社会を批判し、当時の中国社会と辛亥革命の失敗を痛烈に描き、民族的決意を促した作品。
    デビュー作の「狂人日記」、日本留学の思い出を描いた「藤野先生」なども収録。

  • 呉下の阿蒙の故事も絡めてあったんだなと、思いながらも「男子3日あわざれば刮目して見るべし」が、阿Qが成長するのではなく、阿Qの立場や財産で世間の阿Qを見る目がどんどん変わっていく所に人間の恐ろしさと、自分への戒めも感じた。自分も阿Qになるかもしれないし、阿Qを見る周りの人になるかもしれない。昔はワイドショーや写真週刊誌。今はSNSなどで、面白半分に人をつるし上げる。自分だって金持ちや偉い人を見れば、それだけでその人を判断してしまうし、阿Qのように、自分の才能に似つかわしくない金や名誉を求めてしまう。今風に言うと承認欲求だが、しかし結局誰も他人には興味はなく、他人の動向は単なる暇つぶしでしかない。刑場にひかれていく阿Qを見る群衆の目。同じように恐ろしい目で、宮迫やベッキーらを見ている自分たち。身近でも知り合いで出世した人がいたら、何か自分にも利益を得ようとしてしまう自分たち。人間の本能と言ってしまえばそれまでだが、多分知的障害である阿Qから見た私達は、狼よりも、もっと恐ろしい目をしている。充分戒めねば。と思った作品だった。

  • こうした生活や考え方が当然、という時代があったのだなと思うとなんとも言えないような気持ちになる短編が多かった。そこに風刺が反映されていると言われると、当時の歴史や民族性といったところの理解が不足しているのか、難しく感じたのが正直な感想だった。

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著者プロフィール

本名、周樹人。1881年、浙江省紹興生まれ。官僚の家柄であったが、21歳のとき日本へ留学したのち、革新思想に目覚め、清朝による異民族支配を一貫して批判。27歳で帰国し、教職の傍ら、鋭い現実認識と強い民衆愛に基づいた文筆活動を展開。1936年、上海で病死。被圧迫民族の生んだ思想・文学の最高峰としてあまねく評価を得ている。著書に、『狂人日記』『阿Q正伝』『故郷』など多数。

「2018年 『阿Q正伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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