さよなら、ビー玉父さん (角川文庫)

  • KADOKAWA (2018年8月24日発売)
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感想 : 42
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  • 本 ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041068823

作品紹介・あらすじ

第1回角川文庫キャラクター小説大賞隠し玉が、満を持してデビュー。涙なしでは読めない、ダメな父と健気な息子の不器用な物語。

【ストーリー】
夏のある日、しがない30代男・奥田狐のアパートを訪ねてきた天使。その小さな天使は汗をかきかき顔を上気させ、曇りのない目で狐を見つめる――天使の名前は遊。離婚により離れ離れになった息子だ。突然現れた息子の登場に、狐に訪れたのは嬉しさより、むしろ得体のしれない者に対峙したときの「恐怖」だった。こうして「ダメ親父」と「天使すぎる息子」のひと夏の生活がはじまった――自分のことしか愛せないダメ男に、必要以上に気を遣う健気な息子、そんなダメ男をなぜか慕うヤンキー娘、そして、狐のすべてを知る元嫁。親子であって親子でない父と息子は、親子以上に親子な関係を模索するが……? 
「アバウト・ア・ボーイ」「とんび」に続く、切ない親子の物語。

装画/柳沼行(「ふたつのスピカ」など)



クズ男のA玉/少女とサボテン/幸せのバームクーヘン

感想・レビュー・書評

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  • テーマは家族。
    舞台は大阪、奈良。
    A玉ではなくB玉。
    かなりダメなお父さんが主役。
    それでも子供にとってはかけがえのないもの。
    成長にともなう3編の中編集でした。
    おもしろい本でしたが、完全には感情移入はできませんでした。

  • 遊が本当に良い子。最後コンは遊のところに行って欲しかったなと思っちゃったけど。素敵なお話だった。

  • この本はわたしには合わなかったようです。
    涙が止まらない感動作とありますが、一度も泣けず。

    主人公のコンは、クズというより子供なんですね。思考が!!

    茜音さんの言葉にはちょっと癒やされました。
    なかなか自分で自分のことはわからないものなのでしょうね。
    わたしも自分がどんな人間なのか言葉ではいい表せないし。
    わたしも大人にならないと!!

  • 同じ主要人物で時を経ていく3部構成の話。
    主人公はクズ父、反してよく出来た息子がいる。
    クズ…と言うのは作中の表現だけども、そこまで言わなくとも、と思う。私の中で、クズっていう表現の評価は、もっと低い。

    つまりは大人として父として良いとは言えず、きっかけがあっても変われないほどの自己愛の塊、父性に目覚めたところでそれを1番に出来ないほどに臆病者で面倒くさがり。
    第一部に当たる物語は、始めの物語なのでまぁ良かったけれど、時が経って第二部、第三部、読み進めて行けども行けどもダメな男はダメなままで…もやもやもやもや、もやもや…そういうお話しなのだろうけれども、いい加減にしなさいなと叱咤したくなってしまった。

    受身シンデレラ中年、とはよく言ったものだが、シンデレラに失礼な気もする。

  • しがないクズ父のところに、離婚して離れて暮らしている息子が訪ねてくるお話
    息子の年齢で8歳、12歳、26歳のときの3編

    自分が去年離婚し、1年以上娘と会っていないという状況であるが故にかなりザクザクと刺される
    あとがきで、自分がモデルかも知れないという人が多数いたがモデルはいないとのこと
    でもまぁ、似たような境遇の人はそう感じても仕方がないと思うよ

    下記、公式のあらすじ
    ----------------------
    夏の炎天下、しがない30代男・奥田狐(通称:コン)のアパートを、小さな天使が訪ねてきた。天使の名は遊。離婚で別れた8歳の息子だった。久々の再会に、嬉しさより得体のしれない物に対峙したときの恐怖を感じてしまう狐。しかし息子は、上気した顔で、そんな父を見上げ微笑む…自分しか愛せない、とことんダメな父と、子どもでいることを必死に我慢する健気な息子が、親子をやり直すために奔走する姿を追う、涙が止まらない感動作。
    ----------------------

    主要な登場人物は4人
    クズ父の通称コン
    息子の遊
    コンを好きな若い女の子のキャロン
    元妻の椿姫


    コンの自己愛っぷりが自分にも思い当たるところがあって、読んでいて四方から滅多打ちにされてるような気になる
    でも、まず自分を愛せない輩が他人を愛せないのではないかと思うんだけど、どうだろうか?
    なので、コンの気持ちがわからないでもない
    僕も娘の好き嫌いとか、今会っても詳しくはわからないんじゃないだろうかと思う
    ちなみに、ラムネのビー玉がA玉だのB玉だのというのはガセ
    ビー玉の由来はビードロ玉なので

  • うーん…
    私の感想としては、こんな8歳児いるの?と思いました。内容や登場人物たちの会話も読んでいてあまりおもしろくなかった

  • 読んでて悲しくなるようなクズ人間のコン。
    職もなく、そこに焦りもなく、フラフラとクラゲのような人生を歩んでいる。
    離婚をして、遊という息子もいた。

    ある日、コンの元に8歳の息子、遊が現れた。
    どうして遊はやってきたのか。。。

    クズ人間だし、目標も焦りもないコンに読み始めた時はイライラした。
    全体的にみんな、関西弁で口調もなかなか穏やかじゃない。
    素直に正直にぐさっと突き刺さることも平気で言う。
    帯では泣けるって書いてたけど、自分には合わない作品なのかなと思ってました。

    でも、ある瞬間から、グッと感動モードに入る。
    それは、言葉にするには恥ずかしいことの一種で、それを伝えられた時。
    この瞬間から入り込んで、一気読みです。

    幸せになる勇気とか、自分で決断する責任とか。
    ここから逃げてフラフラすることもあるだろなと思って読んでました。
    相手の気持ちを理解してない訳じゃないけど、それを無下にしてしまうこともあるし。
    そんなこと気にしすぎてたら生きられないよとも思うし。
    だから、ぶつかる時にはぶつかって交わればいいのかな。
    いつもいい格好をするのではなく、さらけ出すことも大事だなーって思わされた作品です!

    コンはおじさんになってやっと心の成長がありました。
    こんな大人でも別にいいと思う。

  • やわらかーい余韻の残る素敵な作品。掴み所のない男は、放棄したのか欠如しているのか。前後半に分かれているけど、前半の儚い光が差し込むような印象がとても良かった。
    誰にも分からない関係がきっと沢山ある。大人でも成長するのだ、変化するのだ、勿論。

  • 健気で可愛らしい息子ではなく、ダメダメな父親の方を主人公にしたところが、この小説の面白さなのかもしれない。ただ、私は共感できなくて泣けなかった。読みながら、心のどこかで主人公の成長を期待していたのかもしれない。

  • 父親のコンがとにかくクソで読むのが苦痛だった。一応自分が整理してるカテゴリは【感動】にしたけど、全然感動出来なかった、

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著者プロフィール

大阪出身。第1回角川文庫キャラクター小説大賞で「仙人系クズ男のA玉」が評価される。

「2020年 『たとえ好きなものが見つからなくても』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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