- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041069004
作品紹介・あらすじ
「死んでもこのままでいてくれるなら、殺してからもおまえを愛するだろう」
ヴェニスの黒人将軍オセローは美しい妻デズデモーナと共にキプロス島に赴任。だが昇格を見送った旗手イアーゴーの恨みを買い、彼の策略でハンカチ一枚の証拠から妻の姦通を信じ、殺してしまう。勇猛なオセローがなぜ愚かにも妻の貞淑を疑ったのか。最大の罠はシェイクスピア自身が仕掛けた台詞にあった――。
原文のリズムや韻を生かした名訳で定評のある河合訳。感動を新たにする四大悲劇の傑作!
感想・レビュー・書評
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赤子の手を捻るように、いともた易くイアーゴーに心をコントロールされ誤った道を急ぐオセロ。結婚直後の愛する妻デズデモーナの真実の言葉を疑うオセロは、一枚のハンカチで疑惑を深め、部下キャシオーの死に対する妻の一言で確信を得る。犯行に至る心理的経緯や、黒人に対する偏見や差別の時代的背景については、訳者あとがきに詳細に記されていて、読了後に改めて新たな感慨に浸れました。
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ずっと気になっていたシェイクスピアの四大悲劇の1つ、今更ながら読了。ヒトの・特に男性の嫉妬心を見事に書き表されている。訳者あとがきの「彼が疑い始めたのは、自らの男性性に対する自信が崩れたためだ。」という指摘も、今の時代の男性にぐさっと刺さるのではないか。万の心を操るシェイクスピアの見事な物語。
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2021/2/22
理性と感情(特に情欲)の狭間で葛藤するテーマは劇的。『オセロー』はこれが顕著に現れてるなと。冒頭〜中盤まで理性によって統御されているオセローが丁寧に描かれながらも、後半のごくごく短い間に彼は感情に支配され破滅。
これらの落差が大きいほど、その転換が早いほど、作品は劇的になるんだなという発見。 -
好きな俳優さんが舞台・オセローに出演するので、初めてシェイクスピアに手を出してみた。
演劇の世界が文字になっていて、なるほど、と興味深かった。
脚本を読んでいるようなものなので、心理描写やシーンを把握するのは難しい。
演劇とセットで読むのがいいだろう。