真実の檻 (1) (角川文庫)

  • KADOKAWA (2018年5月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784041069059

作品紹介・あらすじ

亡き母は、他の人を愛していた。その相手こそが僕の本当の父、そして、殺人犯。しかし逮捕時の状況には謎が残っていた--『闇に香る嘘』の著者が放つ渾身のミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 凄い。約30ページの短い序章に詰められた怒涛の物語にビックリするほど囚われていた。読み終わるまで煙草を咥えたまま火をつけるのを忘れていたほどだ。一瞬で自分の心臓が著者の捕虜と化してしまった。
    ...........のだが、結構すぐに釈放された。

    ーーーーーーーーーーーーーーー
    母の遺品整理時に見付けた小さな箱。
    その中身が示すのは、自分の育ての父が実の父では無かったという真実。更に実の父親は、母親の両親を惨殺した殺人犯であり死刑宣告を受けていた。石黒洋平は冤罪の可能性に一縷の望みを賭け、雑誌記者 夏木涼子と共に過去の事件を調べていく。
    ーーーーーーーーーーーーーーー

    洋平が「殺人犯の息子」のレッテルに怯え、実の父親の冤罪を望む。このどことなく不純な動機がやけに人間臭く好感が持てた。そんな青年が立ち向かう司法の闇、そこにスポットを当て「公正とは」を問う切り口は、ベタながらもやはり唆る物がある。

    だがしかしなのだ。。。

    この作品のホームズである雑誌記者 夏木涼子の存在がどうしても不可解である。無償の精神でアレコレ洋平の手助けをしてくれる彼女の存在は後の「大きな爆弾」として私の中で勝手に育成していたのだが、不発弾だった。
    この、「ただのすごく好い人、そして賢い夏木涼子」という万能キャラが物語の手綱を握っている。彼女がどうとでも操れる状態、つまり著者の右腕だ。最高の相棒だろう。

    畳み掛けるなら、関係者の繋がりで弁護士や検事やらが仲間となる下りは完全に桃太郎だ。当たり前のように仲間になる。きびだんご一つで命を懸けた鬼退治だ。割に合わんだろう。

    そしてメインとなる「冤罪」に関してはあまりに説明が雑すぎるのでは無いだろうか。もはや法の公正うんぬんではなくただの「あくのそしき」ではないか。ダメだ。過程に限らず 動機 真相 着地点 どれも全て静かに暴走していてどうもしっくり来なかった。......無念。
    ーーーーーーーーーー

    コロナワクチン2回目摂取に、私の律儀な身体は素直に反応し、発熱真っ最中でのド根性読書にしては、脳内ツッコミが忙しくミスマッチな作品となってしまった。
    しかしいつもの二倍の睡眠時間を取った私は無双状態だ!!!リベンジに燃えている!!!

    • 土瓶さん
      楽しいレビューに笑ってしまいました。
      お体に気をつけて、リベンジの成功を祈ってます^^
      楽しいレビューに笑ってしまいました。
      お体に気をつけて、リベンジの成功を祈ってます^^
      2021/10/31
    • NORAxxさん
      土瓶さん、こんばんは。
      クスッとしていただけたならこれ幸い、大変嬉しく思います。
      うふふ、リベンジマッチ 是非見届けて下さい。そしてもし連敗...
      土瓶さん、こんばんは。
      クスッとしていただけたならこれ幸い、大変嬉しく思います。
      うふふ、リベンジマッチ 是非見届けて下さい。そしてもし連敗だった時はソっとタオルを投げ入れてあげてください。。
      土瓶さんもお身体に気を付けて、これからも素敵なレビューを楽しみにしてます^ ^
      コメント ありがとうございました。
      2021/10/31
  • 冤罪か…
    しかも、育ての父と血の繋がった父とどっちかが犯人って…
    母が亡くなってはじめて知る真実。
    死刑確定して捕まってる実の父。今まで、お父ちゃんと思ってた人とは、血が繋がってない。
    でも、血より絆やろ!って私なら思う!

    思うけど、そら捕まってるお父ちゃんが、無実で、育ててくれたお父ちゃんが真犯人かもしれんってなったら話は別やわな。

    確かに時効になってるんで、真犯人は罪には問われんかもしれんし、自白したって自分は何もないし、無実の人だけ助かるって言ってもな。
    刑務所入らんでも、社会的制裁ってヤツがね。マスコミに追われ、後ろ指さされ…

    何か解決しても、素直には喜べん気持ちやな。

    殺された親には、悪いけど、結婚なんか子供の自由にさしたり〜!とは思うな…

  • 2015年 大学生の石黒洋平が 母の残した写真から【実の父親が1994年、 現職の検察官がおこした殺人事件の犯人】
    であると知ってしまう
    しかし調べるうちに冤罪の可能性も?…

    雑誌記者や 当時敵対していた弁護士達と一緒に
    過去の冤罪事件などの関係者達との出会い

    何が正義か
    正義とは【病】なのか?
    人はどのように墜ちて行くのか?

    事件の真相は!?

    この作品は なかなか面白かったです(゜ロ゜;ノ)ノ
    最後の結末に かなり驚かされましたΣ(゜Д゜)

  • こちらも年末年始用にブックオフで仕入れてきた中の一冊。
    下村敦史先生の作品は、遠くない過去に読んでいて、確か面白かった筈だ!とブクログをおさらいし、過去の作品と被らないよあに購入。

    ブクログさんには本当にお世話になりっぱなし。頃同じ本を買ってきてしまうという失敗が減った(笑)

    前回読んだ作品が医療ミステリだった為、この作家さんは医療に造詣が深いのだと思い込んでいたが、今度は全く別の話。
    とちらかというと法曹界(笑)全然違うやん!

    1994夫婦が刺殺されているのが見つかる。現職の検察官が犯人として死刑判決を言い渡される。
    2015年、大学生の石黒は病気で亡くなった母の遺品を整理している時、偶然にも自分の本当の父親が、その死刑囚であることを知る。

    しかし少し調べると冤罪の可能性が否定できない状況にあった。
    雑誌記者の夏木涼子と共に真実を求めて動き出す。

    今度の作品もめっちゃ面白かった!!
    息つく暇もなく、関連する事件の調査をする2人。話の展開が早い為、目が離せなくなり、気がつくと昨日一日で読み終わってしまった(笑)

    夕方から一気読み。
    いやー、お正月って素晴らしい!!
    ビール片手にこんなにゆっくり読書が出来るなんて幸せだ!!

  • 『冤罪』をテーマにした作品でいろいろ法律用語(?)も出てきて難しい感じもしましたが、続きが気になり1週間もかけずに読みきってしまいました!  
    お互いの父の自白には驚かされました。

  • もしもあなたの父親が死刑囚だったらあなたはどう思いますか?
    この作品のテーマは「冤罪」です。とても重いテーマです。現実でも社会問題になっています。主人公の父親がまさかの死刑囚?もしも自分がその境遇にいたら、ゾッとしますね。この作品には、様々な法律の裏の部分が描かれています。怒涛のクライマックス是非ご覧ください。

    • NORAxxさん
      こんばんは。
      絶賛通読中な作品のタイムリーなレビューに引き寄せられちゃいました。怒涛のクライマックス...楽しみです。ワクワクの提供、ありが...
      こんばんは。
      絶賛通読中な作品のタイムリーなレビューに引き寄せられちゃいました。怒涛のクライマックス...楽しみです。ワクワクの提供、ありがとうございます^ ^
      2021/10/28
  • 初めての下村敦史さん。
    私には読みやすい文章でさくさく読めた。
    一記者が一学生と一緒に仕事とは言えない状況でこんなに動ける?仕事抜きでそんなに付き合ってくれる弁護士さんとかいる?みたいな少々引っかかる所はあったけど…。
    ラストの衝撃で細かい事はどうでも良くなった。
    いくつかの事件を調べ直す、遠回りのストーリーのようだったけど、後半であぁそういうことなのね〜繋がったスッキリ感の方が優った。

    また下村敦史さん。読んでみたい。

  • 法曹界の在り方について問題提起をしつつ、逮捕→起訴→判決に至る過程で冤罪が生み出される構造を詳細に描いている。

    警察、弁護士、検察官、裁判官、それぞれの立場でそれぞれの「正義」がある。
    しかし、「真実」はひとつしかない。
    それは権力の渦に飲み込まれ、埋もれてしまってはならないもの。
    権力を持つ強者が勝つのではなく、たったひとつの真実が勝つ、そんな世の中であってほしいと願う。

    冤罪によって苦しむ人が一人でも少なくなってほしい。

  • 「男」とは、誰のことだろうと、プロローグからたちまち興味を掻き立てられた。
    読者の元へ、作品ごとに異なるテーマを投げかける著者が選んだ今回のテーマは、冤罪。
    母の遺品から、実の父は死刑囚で、しかも冤罪なのではないかとの疑問を持った主人公が、雑誌記者とともに、真実を求めて調査を開始する。
    実の親と育ての親との問題。代用監獄に代表される警察の過酷な取り調べ、有罪至上主義の検察、常時何百件もの処理件数を抱える裁判所、さらに無罪判決を出す裁判官(無罪病判事!)への検察からの圧力、等々。
    現代司法が抱える様々な問題が、主人公の行動と共に、明らかにされる。
    やがて真相を前にした主人公は・・・
    「残酷な真実も現実なら逃げることはできない。受け入れ、前に進むしかない」

    巻末の参考文献の件数に、この作品に対する著者の意気込みの程が窺える。レビューで厳しい批評もあるが、それも作家に対する期待感の表れか。

    今回も、著者は小説を読むことの愉悦を味あわせてくれた。

  • 最近軽めの作品ばかり読んでいて久しぶりに重厚な社会派ミステリーを読みました!冤罪がテーマで法律の専門的な言葉も多くちょっと難しかったけどしっかり読み応えはありました。ラストのどんでん返しはまさに衝撃の一言!

  • ページを捲る手が止まらない。何度も一旦ここで区切ろうと思っても、次が気になり本に手が…洋平くん(涙)
    久しぶりに社会派ミステリーを読んだ。最近軽めの本ばかり読んでたから、難しい部分もあったけど読み応えはしっかりたっぷり。
    現実の世界の検察官や裁判官はどうなのだろうとちょっと不安になる。

  • 下村敦史『真実の檻』角川文庫。

    冤罪をテーマにした社会派ミステリー。『痴漢冤罪疑惑事件』『覚せい剤使用疑惑事件』『ヒ素混入無差別殺人事件』、本書の中核を成す『赤嶺事件』の4つの事件を描きながらなかなか先の読めない中、進行する緊迫のストーリーは読み応えが充分なのだが、結末だけは非常に不満だった。

    大学生の石黒洋平は実の父親が元検察官で『赤嶺事件』と呼ばれる殺人事件を犯した死刑囚であることを知る。洋平は偶然知り合った雑誌記者の夏木涼子と『赤嶺事件』の真実に迫る……

    『闇に香る嘘』『生還者』『叛徒』となかなか素晴らしい作品を書いてきた下村敦史だが、ここに来て……

  • ランキングサイトで紹介されていて買った小説。

    冤罪解決のために追究していく話だった。

    ストーリーは面白いと思うが、登場人物は協力的な人が多く、物事を進めていくのもすんなり行き過ぎていてなんか物足りないような感じだった。

    主人公は犯罪者の子とかが嫌で冤罪事件を解決にいったが、結局は犯罪者に育てられた息子だったんじゃないかな?とふと思ったが違うのかな?

    自ら冤罪になり死刑判決 改めて考えるとちょっと
    すごい話だなと思った小説でした。

  • 死刑囚が実の父親だったら。育ての親が真犯人だったら。冤罪がテーマになっていて2人の父親の間で葛藤する主人公の洋平。その心の揺れがいい。絶望、悲しみ、苦しみ。本当のことを知りたい。でも知りたくない。真実を知りそれを果たそうとする先にあるもの。冤罪の苦しみと自分の本心。これまでの生活。そういった全てを覚悟して選んだ答え。読み応えがあって面白かった。

  • 作中で登場人物が『既存メディアとネットが同じ方向を向いたとき世論は一方的に誘導される』と言っていました。
    最近そういう傾向にあるよなぁと思います。
    メディアはネットを気にし過ぎるし、ネットは既存メディアの報道に過剰に反応するし、権力者達はそれらにとても敏感で・・・
    世の中が良いバランスとは言えない気がします。


    本書は冤罪がテーマです。
    主人公の洋平は実母の死から実父が死刑囚である事を知ってしまう。実父の罪が冤罪である事を願い東西奔走する!

    痴漢の冤罪や警察の汚職、司法の脆弱性などがストーリーに盛り込まれていて、読んでいて多少疲れるものの勉強になります!

    因みに本書を読むきっかけは著者のデビュー作の『闇に香る嘘』が面白かったから!
    興味のある方は其方もどうぞ!

  •  亡くなった母親の遺品を整理する最中、大学生の石黒洋平は「赤嶺信勝」という差出人からの手紙を複数見つける。他にもその男と思われる人物が母親の腹部をなでるようなポーズを撮った写真もあった。もしかしてこれは、自分の本当の父親ではないのか。気になって調べ始めた洋平はやがて、赤嶺信勝が母親の両親を殺した連続殺人犯として逮捕され、死刑判決を受けた人物であると知る。

     冤罪を扱った作品ではあるが、単純に悪意によって作られたものではなく、大切な人を思って自ら望んだ冤罪というものも存在するのだというのを知らされる。真実を追求したことで、次々と自分の首を絞めていくような展開に陥っていく主人公だったが、最後には光が見える結末で救われる。

  • 正義とは、幸せとは、そして、真実とは?
    『闇に香る嘘』の作者・下村氏の放つ慟哭の社会派ミステリー。
    一気読み必須の冤罪事件を描いた作品です。

    大学生の石黒 洋平は、4ヶ月前乳がんで亡くなった母の遺品整理をしていたところ、押入れの奥から奇妙な箱を見つける。

    中から出てきたのは、父とは異なる男性と仲睦まじい若い母の写真と手紙であった。
    自分は、母の両親を殺害した凶悪な殺人犯・赤嶺 信勝の息子なのか?

    次々に生まれる疑惑の数々。そして、実の父の冤罪の可能性が生まれる。自分は、何を信じれば良いのか?

    冤罪事件を取材対象とする雑誌記者の夏木 涼子。
    彼女とともに、様々な他の事件を調べながら、『赤嶺事件』の核心に迫っていく。

    正義とは何か、正義とは誰のための正義なのか?
    真実を追求することが幸せに繋がるとは限らない。
    それでも、一歩一歩、真実の道を追求していかねばならない。たとえ、それがどんなに苦しく、辛くても...

    最後、司法の道に歩み出す決心をした主人公の姿が、読者に希望を与えます。必読の書。

  • 冤罪がテーマの社会派。
    ちょっとバタバタしてるときに読んでしまった。それほど厚さもないし、時間をかけて読む本でもないけれど。

    個人的にいちばん印象に残ったのは検察側のこと。
    日本の裁判での有罪率99.9%のなかで、無罪判決を出してしまった検察官ってそんなに無能扱いされるんだ、そりゃ大変だと思った。


    ====データベース======
    生き別れの父は、殺人犯?--家族の絆と法廷の闇に迫るミステリ!

    亡き母は、他の人を愛していた。その相手こそが僕の本当の父、そして、殺人犯。しかし逮捕時の状況には謎が残っていた--『闇に香る嘘』の著者が放つ渾身のミステリ

    ========

  • 21年前の殺人事件の冤罪疑惑を調べながら、その途中で別の冤罪疑惑も調べたりするのだから、事件盛り沢山でさくさく進む。とんとん拍子といった印象。
    だからなのか、重いテーマなのに心にずしっと来る感じでもなくて、主人公の心情や葛藤もそんなに迫ってこなくて、意外とあっけなかった。
    それより警察や検察、裁判官の抱える問題を知って衝撃を受けた。これでは冤罪を作り出してくれと言っているようなものだと危機感を感じる。
    とにかく犯罪とは無縁でいたい。

  • 普通の大学生だった洋平が、母の死後に実の父親の存在を知るところから始まるこの物語。
    しかもその父は殺人犯で死刑囚。調べていくうちに冤罪の可能性を見つけて、真実を知る道へと踏み出す。

    現代の社会において、実際にも容易く起こりうるであろう冤罪についても細かに描かれていて、多少難解ながらも面白く読み進めた。

    が、最後の清々しい様子には違和感があり、とても嫌な気持ちにさせられる。
    まるで、自分たちの正義を振りかざして正当化している多数が、他人を吊るし上げて攻撃し、平然としているのを見ている時と同じような。
    なんとも言えず、嫌な気持ちの残る終わり方だった。

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著者プロフィール

1981年、京都府生まれ。2014年に『闇に香る噓』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」国内部門2位、「このミステリーがすごい! 2015年版」国内編3位と高い評価を受ける。著書に『生還者』『難民調査官』『真実の檻』『失踪者』『告白の余白』『緑の窓口 樹木トラブル解決します』『サハラの薔薇』『法の雨』『黙過』『同姓同名』『ヴィクトリアン・ホテル』『悲願花』『白医』『刑事の慟哭』『アルテミスの涙』『絶声』『情熱の砂を踏む女』『コープス・ハント』『ロスト・スピーシーズ』などがある。

「2023年 『ガウディの遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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