- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041069165
作品紹介・あらすじ
幻の同居人、地下の秘密倶楽部、眼前で起きる殺人、夢遊病の青年、鏡の中の魔──
刺激的かつ挑戦的! 禁断の犯罪が幕をあける。
“退屈病”に冒された青年が、引っ越し先の部屋で感じた異変の数々。 ──「屋根裏の同居者」
ある日突然届いたのは、猟奇を楽しむ、特別な倶楽部の招待状だった。 ──「赤過ぎる部屋」
G坂に住むミステリ作家志望の“私”は、ある殺人現場に遭遇し……。 ──「G坂の殺人事件」
精神分析研究所を訪ねた男が語った、夢遊病をめぐる学生時代の体験。 ──「夢遊病者の手」
今は亡き祖父が、倒れる前に覗き込んだ鏡台。その中に見たものとは? ──「魔鏡と旅する男」
一読驚嘆、二度読み必至! 江戸川乱歩の世界が驚きの展開に生まれ変わる。
上記5編に加え「骸骨坊主の話」「影が来る」を収録した、珠玉のミステリ集!
感想・レビュー・書評
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タイトル通り、乱歩先生の作品をモチーフにした短編集。
ただ、最後の二作品は乱歩先生とは関係ない。出来れば全部乱歩先生にして欲しかった。
「屋根裏の散歩者」「赤い部屋」「D坂の殺人事件」「夢遊病者の死」「押し絵と旅する男」を連想させるタイトルが並ぶが、よく読むと他の乱歩作品もミックスされていて、乱歩先生好きには堪らない。
それでありながら、中身はしっかり三津田テイストでありホラーのような妖気と怪奇とタイトルがにある幻想が混ざった感じ。更には三津田さんの作品に出てくるあんな人こんな人、お馴染みの地名なども出て来て三津田さんファンにもサービス満載。
三津田さんテイストなのに乱歩先生らしい雰囲気もあって、三津田さんが上手いのか乱歩作品の懐の奥深さなのか、興味深く読んだあとはまた、乱歩作品が読みたくなった。
最後の二作品はあの有名なホラー作品のモチーフとウルトラシリーズのモチーフ。-
私が初めて接した乱歩作品はもう50年も前、高校生の時に読んだ「屋根裏の散歩者」でした。それで魅了された私は真っ黒なブックケースに入った深紅の...私が初めて接した乱歩作品はもう50年も前、高校生の時に読んだ「屋根裏の散歩者」でした。それで魅了された私は真っ黒なブックケースに入った深紅の表紙で製本され横尾忠則さんの不気味なイラスト付きの乱歩全集が出るたびに小遣いを工面して購入し喜びに浸っていました。
なんとも不思議な乱歩ワールドは私の気持ちを現実から切り離し、怪しげな怪異世界へ誘ってくれました。
「押絵と旅する男」も不可思議な世界で面白かったですねー。2019/06/12 -
コメントありがとうございます。
乱歩先生の作品は、時代が変わっても楽しめますね。
横尾忠則さんが挿画を担当されていたとは初めて知りました...コメントありがとうございます。
乱歩先生の作品は、時代が変わっても楽しめますね。
横尾忠則さんが挿画を担当されていたとは初めて知りました。
私の場合は子供の頃に少年探偵団シリーズから入って大人物へというありがちなルートですが、何かいけない世界を覗いているような、でもやめられない病み付き感が良いです。2019/06/12
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江戸川乱歩。読書家なら当たり前、本を読まない人でも名前だけは知っていると言う、なんとも偉大な作家の1人。「ビブリア古書堂の事件手帖」でも扱われ、豪華作家陣で「みんなの少年探偵団」オマージュアンソロジーが出版されている程現代でも愛されている作家。惜しむらくは乱歩作品を読まずに読書にハマっている自分がいること。だがそんな自分でもこの本は十分に味わい堪能出来た。ホラーミステリーが好みだからってのもあるが。この本の装丁から既に怪しさたっぷりで読欲をそそる。読書家が評する本家乱歩作品の深淵を見てみたい。
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江戸川乱歩へのオマージュ作品が5編、『リング』と『ウルトラQ』のトリビュート作品が1編ずつの計7編が収録されてます。ミステリだけでなく、しっかりとホラー色もあるのが三津田節。個人的には『赤過ぎる部屋』が好きかな。そして『G坂の殺人事件』にはおなじみのアノ人も登場してお得な気持ちに。
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江戸川乱歩の有名な短編をモチーフにした作品5作と、オマージュではあるが乱歩とは関係無い2作を収録した短編集。
幻想とミステリとホラーが融合されている点では、乱歩と三津田さんは相通じる所がある様で、文体や字体も含め5作は良く出来ていた。ただ、どうして現代の設定にしたのだろうか? スマホとか出てくると、やはり違和感を感じてしまうよ。
収録作の中ではミステリ色の強い『G坂の殺人事件』が傑作。ページ数が足りなくて乱歩と関係の無い2作を入れたのかも知れないが、書き下ろしを加えて全部乱歩にして欲しかった。 -
江戸川乱歩のさまざまな作品、特に「偶然性による殺人」をテーマにした短編集。
短編でありながら1話ごとの読了感の重さはさすが三津田信三。
「赤すぎる部屋」のワインのくだりとか、「骸骨坊主」のこちら側にストーリーが染み出してくるような怖さが大好き。 -
幻の同居人、地下の秘密倶楽部、眼前で起きる殺人、夢遊病の青年、鏡の中の魔──
刺激的かつ挑戦的! 禁断の犯罪が幕をあける。
“退屈病”に冒された青年が、引っ越し先の部屋で感じた異変の数々。 ──「屋根裏の同居者」
ある日突然届いたのは、猟奇を楽しむ、特別な倶楽部の招待状だった。 ──「赤過ぎる部屋」
G坂に住むミステリ作家志望の“私”は、ある殺人現場に遭遇し……。 ──「G坂の殺人事件」
精神分析研究所を訪ねた男が語った、夢遊病をめぐる学生時代の体験。 ──「夢遊病者の手」
今は亡き祖父が、倒れる前に覗き込んだ鏡台。その中に見たものとは? ──「魔鏡と旅する男」
一読驚嘆、二度読み必至! 江戸川乱歩の世界が驚きの展開に生まれ変わる。
上記5編に加え「骸骨坊主の話」「影が来る」を収録した、珠玉のミステリ集!(アマゾン紹介文)
当たり前っちゃ当たり前だけど、前五編は先に乱歩読んどかないと面白さが十全に味わえない。
「骸骨坊主~」のいやらしさは良し。
「影が来る」は…なんぞこれ。と思ったら、こっちはこっちでパロディなんやね。 -
乱歩トリビュートな短編5作品に加え、「リング」トリビュートと円谷プロ作品トリビュートの短編が収録。
ホラーミステリな著者×乱歩という組み合わせはなかなか雰囲気があって面白かった。
ベストは「赤過ぎる部屋」で、読了後に乱歩の「赤い部屋」を再読した。
でもやはり一番著者らしい怖さがにじみ出ていたのは「骸骨坊主の話」。 -
江戸川乱歩の作品を基礎にした短編が7編.乱歩は読んだことがないが、それぞれが非常に計算された構成であることに感心した.残暑厳しい部屋で読んだが、ゾッとする場面が頻出で汗が引く感覚を楽しめた.特に「骸骨坊主の話」では、痩せた老人の描写が素晴らしかった.「夢遊病者の手」も汗が引く話だった.
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乱歩作品読んでるつもりだったけど全然読んでない己に気づいた。
乱歩読んでなくても三津田作品として楽しめる。そして、乱歩読まなきゃ〜と思う。
「骸骨坊主の話」この読者巻き込む系が、嫌ぁ〜と思いながら好きでたまらない。
今回は三津田作品目線で読んだので乱歩作品読んでからもう一回読んでみたいかな。