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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784041069226
作品紹介・あらすじ
文久三年。やくざ者の蓮八は、苦界に沈んだ幼馴染み・八穂を救うため、やくざの賭場から大金をせしめた。
報復として蓮八に差し向けられたのは、凄腕の殺し屋・夜汐。
京で新選組の一員となり、身を隠すことにした蓮八だが、ある日八穂からの文を受け取る。
帰ってきてほしい……その想いを読み取った蓮八は、新選組から脱走することを決意。
土方や沖田からも追われながら、八穂の待つ小仏峠に向かうべく、必死で山中を進む。
だが、夢で蓮八に語りかけ、折りに触れ彼を導くのは、命を狙っているはずの夜汐だった――。
逃れられぬ運命の中でもがく人々、もつれ合う“志”。
すべてが胸に突き刺さる、直木賞作家の新境地!
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
運命に翻弄される人々の物語が描かれた作品は、愛と志、そして生と死の狭間に立つ主人公の葛藤を深く掘り下げています。文久三年の江戸時代末期、やくざ者の蓮八は幼馴染の八穂を救うため、賭場荒らしに挑む。しかし...
感想・レビュー・書評
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姿を見たものはいない。
名だけが亡霊みたいに
ひとり歩きしている男。
じっと時期を見据えて、
その名のとおり宵闇に
吹く汐風が如く、
請け合った殺しを静か
にやり遂げる。
死ぬべきやつを連れて
いくだけ。
いちど狙われたが最期、
遠からずその刀の錆と
なる運命─
この作品とても好きで
レビューを書くために
再読しました。
人間なんて犬みたいな
もの、とか、
この世の正しいことは
みんな鬼の償いである、
とか、
因果を含める物言いに
バッサリやられました。
もし私が狙われたなら
刃向かうなどとんでも
ない。
死神相手では三十六計
逃げるに如かずです♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
苦手な時代物だが苦労することなく楽しく読めた。
時は文久3年。江戸時代末期の頃の話。ヤクザ者の蓮八が幼馴染の八穂を吉原から身請けするために八穂の弟の亀吉に知恵を貸し、ヤクザのシマで賭場荒らしをする。身請けした亀吉は、しばらく八穂と料理屋「とっつぁん」を営んでいた。一方、蓮八は八穂を亀吉に託し、自分は京都に行き新選組の一員となった。
シマを荒らされたヤクザは、夜汐という凄腕の殺し屋を雇い、亀吉と蓮八殺しの依頼をする。八穂からの文で亀吉が殺された報せを受けた蓮八は、新選組を抜け出し、新選組と夜汐から狙われながらも八穂の元へと向かう。しかし、蓮八はなぜか夜汐に狙われながらも、守られているようにも感じるのだった。
これは時代小説の名を借りた純愛小説と言っても良さそうだ。蓮八が八穂を想う気持ち。八穂が蓮八を想う気持ちがヒリヒリと伝わってくる。ただ、この時代に生きなくて良かったと心から思う。いくら志を振りかざしても、新しい時代の波に飲み込まれてしまうのは、あまりにも切ない。
そして夜汐。夜汐とはいったいなんだったのだろう。 -
好きな作家さんではあり、内容もちゃんと書けているものの、時代物はあまり向いていないように思う笑
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幕末より始まる時代物、それに愛を加えたものか。やくざの蓮八は、賭場より大金を盗み、幼馴染の八穂を救う。取られた側は、殺し屋・夜汐を送り込む。蓮八は新撰組の入るが、八穂より文が届く。八穂の元に行くために、新撰組を脱退する。そのことで土方、沖田、夜汐に狙われることになるが…。
東山さんが時代ものを書くとはね。それだけでなく正体不明の殺し屋を描いて。蓮八の想いの物語でもあり、八穂の女の強さも出てたし、その人たちの志、仁義、主義、くっきり出してて読み入ったなあ、特に後半は目が離せなかった。夜汐の最初と最後はどんな感じなんだろうなんていうのも気になりますが(夜汐中心の物語を読んでみたい)。
沖田が物語を面白くさせてたね。 -
変わってしまう事、変われないこと。
成し遂げたり、成就したり。
多く語られてきた新選組も、夜汐という存在を感じながら読むとまた時代の刹那が際立つな。 -
舞台は幕末、江戸。タイトルの「夜汐」は殺し屋の名。やくざ者の争いはマフィアの抗争のよう。
新選組は脇役で、沖田総司は友であり敵であり。
攘夷だとか開国だとか言って簡単に人が殺されていく時代に、主人公は生き伸びる道を模索する。
会わぬと決めた好きな女に会いに行くと決めたときに、逃亡劇が始まる。
追っては多数、殺し屋もいる。迫りくる死。
走れ、走れ、逃げろと思いながらページをめくる。
ところどころ、ふっと回想シーンが入る。これが上手い。実にスムーズに過去に何があったのかがわかってくる。
たまに、唐突に回想シーンが入って混乱する小説があるが、この作品はそういったストレスを感じない。
殺し屋の登場も、女の生きざまもクールだ。
エンディングで生と死の「生」を感じさせるも印象的。
素晴らしく良い作品でした。 -
ひたすらに時代や人情や人生を語るきれいな文章が並んでいるが、結局どこにも焦点が合っておらず、結果として何一つ印象に残らない駄作になってしまっている。タイトルの夜汐は主人公ではなく象徴的な狂言回しなのだけれど、神秘性が足りず、さほどの存在感もなく、そもそもこの物語にその存在の必要性があったとは思えなかった。蓮八と八穂のつながりにもそこまで強い思慕の感情が生まれる説得力がなく、繰り出される愛の言葉を冷めた目で見てしまった。そして何より、新撰組のエピソードが無駄に長い。沖田総司との交流がこの物語に何の必要性があったのか?????????
たぶん時代の流れと人の運命みたいな大きなものを描きたかったのだろうと推察するが、浮いた文章だけが噛み合わずに空回りする残念な力作でしかなかった。
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人が運命を乗り越えて生きるためには、強い願望が必要と言うことなのだろうか。仮に願望がなくても、あのとき、死ななくて良かったと、思える日が来ないと誰が断言できるだろうか。まぁ、その逆も、誰も断言できないが。
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これは面白い!!
新撰組と殺し屋と幕末の時代背景。
斬新な設定に読む手が止まらなかった。
新撰組の沖田の飄々とした人物像も面白く
夜汐の得体の知れない幻想的な面も興味深く
変わり行く時代も絡ませて、とても面白かったです。 -
素晴らしい伏線。著者の本を読み漁っているところだが、どれも作風が違っており感心から尊敬に移行中。
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文久3年、1月も終わりかけの夜。品川は曲三親分の賭場を餓鬼どもが襲撃、テラ銭アガリ銭をごっそり奪っていった。彼らを裏で唆したのはウサギの蓮八。苦界に堕ちた幼馴染・八穂を救い出すための銭金を工面する賭場荒らしだった。曲三は報復のために殺し屋・夜汐を雇い放つ。蓮八は幕府が募集していた浪士組にまぎれて京に上り、その一部が新選組となった折に隊士として加わるが、そこに八穂からの文が届く。――帰ってきて、と。
ならず者たちよ、命を賭けろ。容赦ない鉄火場(賭場)の大立ち回りで物語は始まる。幕末は尊王攘夷の機運高まるただ中、ひとりの女のもとへ帰るために京から江戸を目指す男の旅が描かれる。
蓮八の旅はその一歩一歩が八穂へと向かうと同時に、死へと近づくものでもある。脱走を許さない新選組からの追手があり、夜汐もまた蓮八を追う。彼らを撒くために街道を避け山中へ分け入る蓮八の脳裏に去来するのは、不遇の子供時代の記憶、八穂への想い……。
剣の時代が終わり、黒船がやって来ようが桜田門で大老が斬り殺されようが関係なく、みなその先へと突っ走っていく。全篇を覆う圧倒的な生の熱量の中、夜汐の存在だけが異質だ。饒舌で気まぐれ。時に狼、時に黒衣の異国人の姿で現れる悪魔。彼だけが常に凪いでいる。
夜汐という死の宿命が、蓮八をはじめ登場するすべてのキャラクターたちの生を眩しく照らしだす。誰も彼も印象深く忘れ難い生き様と死に様がある。泥臭く格好悪く、最高に格好よくて少し悲しい。物語の疾走感に引き込まれる、その熱気に中てられる、その焦燥に肌がひりつく。新選組もののなかでも、異色のカラーを持つ時代劇。
KADOKAWAさんの文芸情報サイト『カドブン(https://kadobun.jp/)』にて、書評を書かせていただきました。
https://kadobun.jp/reviews/558/e7eae9e9 -
2019.7.10
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時は幕末。幼馴染の為賭場から大金をせしめ、殺し屋夜汐に追われる主人公。沢山の登場人物の丁寧な描写は選ばれた言葉も美しく、読みやすいです。時々現れる夜汐の影も単なる得体のしれない男ではありません。後半は京から江戸へ愛する人の元へ向かうロードノベル。「死が意味を持つのはその生に意味があったときだけ」殺し屋からも新選組からも追われる彼を心が痛くなりながら必死で追いました。文章から紡ぎ出される、夢か現か、泥臭さに加わるむせかえるような血の匂いと、残った無音の世界が印象的です。読後見る表紙絵は本当に美しかったです。
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時は幕末おまけに新撰組まで絡ませておけばまずはハズレなしのゴールデン番組。
なのになぜか東山彰良の手にかかると蓮八がインターセプターを駆って走り出しそうな近未来のバイオレンスアクション劇に見えてしまう不思議な世界観。
更に殺し屋夜汐は刺客剣客と言うよりも悪魔死神の類いがしっくりくるし死生観ひとつとってみてもやはりバタ臭い仕上がりとなっている。
文章の巧さと疾走感で終始読み手を離さないのはいつも通りで面白いのだが実力ならば敢えて新撰組とかのメジャーに頼らなくてもいいんじゃないかなとも思ってみたり -
結構面白かった。
新撰組はでてくるけど、新撰組のお話、ではない。
人並みに幸せになることすら大変だった時代もあったんだなぁ、とおぼろげに思いました。
2019.3.24
49 -
この作家が時代物?!
びっくり
幕末の動乱期、実在と創作の人物をうまく織り交ぜて
話を進めていく
読む勢いは止まらなかった
表紙の狼が不気味
やはり女性は強い
≪ 志? 生きていくため ただ生きる ≫ -
幕末の混乱期.黒狼が死神のような「夜汐」として雇われ殺人を繰り広げる.その彼なりの矜持がこの物語の核となる.苦界に沈んだ幼馴染を不法な遣り方で救った蓮八は.夜汐から逃げるため京都まで行き,新選組に入ったはいいが八穂の手紙で江戸に舞い戻る.その逃避行の中での出来事が生死に関わる禅問答のようでとても興味深かった.そして,最後まで夜汐が何だったのかわからなかった.
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時代物なのか!しかも新選組かー!
ちょっと意外。
幼馴染みの姉弟を助けるために組に逆らったやくざものの蓮八。
夜汐と呼ばれる殺し屋に追われることになり、新選組に潜り込む。
しかし惚れた女を再び救うために隊を抜け出し、ヤクザ・夜汐・新選組の三者に追われる立場になる。
幕末の世、地の底を這いまわり生き延びようとする男と女たちの物語。
著者プロフィール
東山彰良の作品
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