- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041069950
作品紹介・あらすじ
この世とあの世の狭間にある、亡くなった人の魂がのぼる「黄泉坂」。
でも未練を残して死んでしまうと、人はその執着が重くて坂をのぼれない。
現世で死亡し、ある事件を経て魂がクラシックカー「デューセンバーグ」と一体化、黄泉坂を行き来するタクシーとなった速人(はやと)の仕事は、迷える魂たちの未練を解消して坂の上へと導いてやること。
相棒である少女・彩葉(いろは)とともに、様々な背景をもつ魂と日々接していく。
親の認知症に悩むサラリーマンの決意、オンラインゲームのメンバーに隠された友情、「交通安全おじさん」だった老人が身を挺して救おうとした少女、子を亡くした親と死者を「忘れる」ということ……。
いつだって、人は誰かを思いながら、この世からあの世に渡っていく。
そして、車の姿になって久しい速人も、現世に妻と娘を残してきている。
しかし、自分が何者だったのか、また、妻や娘の存在を咄嗟に思い出せないことが増えてきていて……。
感想・レビュー・書評
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ハヤくんのあの結末は絶対に納得がいかない。
記憶をどんどん失うってひどいじゃない。
妻子の元に戻ってほしいと思っていた。
戻れないとしても、あれはあんまりだ。
彩葉も、他のみんなもきらいだ。
語られる、命を失った人たちのエピソードは
どれも好きなんだけどね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エピソードの一つ一つの雰囲気は穏やかで好きだけど、全体的な設定と展開は少し無理があるのでは?
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おわり・・かな?~引き籠もりで7年前から対戦型のオンラインRPGに嵌まっているマサキは、24時間でゲームが使えなくなると聞いて首吊り自殺も謀るが、最後までゲームに付き合ってくれていた連れは、間もなく病であの世に旅立つという。秩父の山と平野の境、大きくなった腹を抱えて出戻ってきた娘は車に撥ねられそうな小学生を救おうと飛び出して子ども共々死んでしまった。元警察官の父の柔道の得意技は捨て巴だが、捨て身技は已めた方が良いのだと後輩に指導していた。呆けた父は滋賀の山奥の実家近くに行きたいと願い、付き合った息子は子ども時分の遊びが原因で失踪した女児を見つけ出そうとしていたのだ。その遊びは「かしこめ」。浦安の中学2年生の男子が通り魔に襲われて死んだが、よく理解できないのか、毎日家に帰って母にチーズ入りハンバーグを作って貰っている。元は奈良にあって雨で流されてしまった入日村は此岸と彼岸の境にある。峠にある旅館・武蔵から玉置の社までまっすぐな道を怪達が造っているのは、玉置さんとハヤ君を結婚させようという目論見だった。彩葉は磐田速人の妻と娘に招待状を出してきた~もう良い塩梅だと思うな
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シリーズ5作目
2017年「小説屋sari-sari」初出の5話と、書き下ろしの最終話で、これで完結かな?
初めて読んだ人は、はじめのうち、強い未練を残して死んで三途の川を渡れずにとどまっている人を車の姿になった速人が運ぶという状況設定が理解できないと思う。
身重の娘が小学生の身代わりに事故死したことを悔やんでいた柔道の捨て身技が得意な元警察官。
7年間引きこもりのネットゲーマー。(死んでない?)
子供の頃自分のせいで行方不明になった女の子を探し続ける認知症の男性。
通り魔に殺された状況を知らず、毎日自宅に帰って家族と食事する男子中学生と、その子を好きなまま病死した女の子の話がとっても切ない。
速人の生前の記憶が消えていく前に、玉置の女神と結婚させて、小学生の娘と妻を招待するという、村人たちの企てはよく理解できないなあ。 -
悔いを残して死んだために黄泉坂を上ってくることができない魂(マヨイダマ)を運ぶのが仕事の速人と彩葉。
さまざまな後悔や心残りを遺したひとたちの姿が描かれる短編が4編ほど続き、このシリーズも同じような話が続き始めたな、と思っていたら、急転直下、話が転がり始める。
速人が「この世」に遺してきた妻と娘にフォーカスがあたり、うーん、これはこの物語は終わり、ということか、という決着を迎える。
なんだかあまりにも唐突に話が畳まれてしまってびっくりする。 -
身を挺して少女を救おうとした元警察官の過去、親の認知症に悩むサラリーマンの決意、子を亡くした親と死者を「忘れる」ということ…。いつだって、人は誰かを思いながら、この世からあの世に渡っていく。車の姿になって久しい速人も、現世に妻と娘を残してきている。しかし、その存在を咄嗟に思い出せないことが増えてきていた。そんな自分にとまどいを隠せない速人。一方、「この世」に残された妻・美里のもとへは、なぜか夫の名が「新郎」欄に書かれた結婚式の招待状が届いていた―。面白うてやがて涙ホロリの魂救済ストーリー。
著者プロフィール
仁木英之の作品





