咳をしても一人と一匹

著者 :
  • KADOKAWA
3.13
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本棚登録 : 218
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041070109

作品紹介・あらすじ

出かけようと思えば唸り、帰ってくると騒ぐ。しおらしさの一つも見せず、女王様気取り。しいはご近所最強のメスネコとして、オスネコと渡り合っていた。老猫との生活を、時に辛辣に、時にユーモラスに描くエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 群ようこさんと、愛猫「しい」ちゃんの日常エッセイ。
    「本の旅人」という雑誌での、20回ほどの連載をまとめた本。
    タイトルがしゃれているよね。

    表紙に描かれているしいちゃんは、おもちゃにじゃれついていて、とても活発そう。だから、しいちゃんってまだ幼い猫なのかな~と思いながら読みはじめてびっくり。まさかのほぼ20歳の猫だった。
    群さんは、しいちゃんと暮らし始めてから一泊旅行すら行ってないらしい。動物と暮らすということは、自分の生活に一定の制限がかかるもの。しかし、約20年間一回も泊りがけで出かけないというのはすごいことだ。しいちゃんは束縛が激しい?ようで、夜の会食や日中のお出かけも極力控えているらしい。
    群さんは、毎日しいちゃんをブラッシング、マッサージして語りかけてあげる。これもすごい。私なんて、自分自身へのマッサージすら三日坊主なのに・・・。

    群さんのしいちゃんへの愛情と仕えっぷりには感嘆!ばかりでしたが、正直、内容としては「よくこの内容で約20回も連載したな~」と思ってしまった。
    というのも、群さんとしいちゃんの日常は家の中でほぼ完結している(外界との接触は、巻爪治療に動物病院に行った話くらいか・・・)。家の中で、直接的に会話のできない相手(猫)相手の話だから、どうしたってネタは早々に尽きる。
    しいちゃんが毎夜2時間ごとに「わあああ。わあああ。」と群さんを起こすから眠れなくて・・・という話、この本の中に何回も出てきたよ笑。
    群ようこさんクラスの作家さんなら、こういうのもご愛嬌で、それでも私を含む読者はついていくから、これはこれでアリなのだろうか??

    私の周りでは、母が過去に猫を2匹飼っていて、どちらも結構年寄りになるまで生きていた。それでも20歳は遠かったなぁ。
    しいちゃん、本当に長生きだ。群さん乳母のお世話のたまものなのかな。
    「しいちゃんは、いてくれるだけで良い」。
    この言葉が、群さんの本当の心だと分かるから、後半で群さんがしいちゃんに結構怒っていても、それものろけ?とすら思えてしまうのよね。
    こんなに大事に愛されて、しいちゃんは幸せものだな!と思いました。

    ちなみに、うちの母が飼っていた猫の一匹も、奇しくも「しいちゃん」という名前でした。白くて、黄色と青のオッドアイの雌猫だった。人にやさしく、ごろごろと喉をならす愛嬌のある猫だった。
    母のしいちゃんも、幸福だったかな。
    身近に猫がいる人、いたことがある人は、この本を読みながら、自分と猫との幸せな日常を、ふと思い出すことができるだろう。

  • 群さんと、猫のしいちゃんの二人暮らしを綴ったエッセイ。
    早朝に起こされたり、旅行に行けなかったりと不自由はあるが、それを補って余りある猫との暮らし。猫と暮らす者にとってはあるあるがいっぱい。
    しかし、私は反省した。群さんはしいちゃんの意志を最大限に尊重し、こんこんと語って聞かせ、ちゃんと出来れば手放しで褒め、できなくても毎日甘い言葉(猫が聞いて心地よい言葉。可愛いね、賢いね、綺麗だね、世界一だねなど。)をかけながらブラッシングとマッサージをする。
    そりゃ群さん以外人間はいないのだし、猫は一匹だし、経済的にも余裕があるし(爪を切らせない猫のために動物病院にタクシーで行くほど)といった違いはあるものの、私なんか多頭飼いをいいことに、甘い言葉もブラッシングも気が向いた時だけ。一匹当たりの量なんてほんのわずか。イヤがる猫の爪を切り、粗相をすれば怒る。本当に反省した。
    これが、人間の子どもに対してもこうなんだから、子どもたちにも謝りたい。
    それから、猫って生き物の不思議さ。猫は人間ほどの言葉は持たないのに、飼い主と会話をし(多くの猫本と同じく、群さんがしいちゃんの声と態度で言ってることを翻訳して書いてあるが、ほぼ間違いなくそう言ってるだろうと思う。)、自分の意志を通し、やって欲しいことをやらせる。こういうことをできる動物は猫だけじゃないか。さんざん迷惑をかけ、不自由させ、散財させ、それでも猫にしかできないやり方で、人間に無償の愛を与えてくれる。
    私も群さんのように、は無理でも、もう少し丁寧に猫たちと関わろう。人間の子どもともね。
    でも、人間が複数いると、猫って、担当を振り分けて(家では朝ごはん担当、おやつ担当、遊び担当などが割り振られている)しまうので、私なんぞはトイレ掃除その他雑用係だからなあ。そもそも猫にとって私の地位が低すぎという問題はあるかも。
    しいちゃんもこの本の終わりには19歳とあり、お別れもそろそろ近いのではと思うけど、群さんならきっとしいちゃんが幸せな状態で看取ってくれると思う。
    本当は永遠にこの本のような毎日が続いてほしいけど。

  • 猫は老齢になって
    多分 ちょっとぼけちゃってるんだろうな
    という状態になっても
    本当に可愛い
    群先生の 猫に拘束される生活は
    大変だなぁと思いつつも
    本当にうらやましかったです

  • 飼い猫しいちゃんとの出逢いから始まるエッセイの感想を書いたのが
    確かこのブクログ始めてすぐだった気がする。
    そのしいちゃんももう19歳だそう。
    女王様のようなしいちゃんと
    それにかしずく著者との日々。
    【図書館・初読・8月24日読了】

  • 老猫との暮らしを面白おかしく描いたエッセイ。
    飼い主=著者は、猫の乳母あるいは下僕として描かれている。

    猫飼いにしてはあるあるが多く、かなり気難しい部類であろう猫(しいちゃん)ではあるが、我が家の猫にも通ずるところが多く、非常に共感して読むことができた。

    単にかわいいだけでなく、大変だったり、怒りを抱いたりをするところがリアルで、それでいてほっこりしてしまう、まさに猫の魅力が詰まった一冊。
    猫好きにはおすすめ。

  • この作者の他の作品を読んだことがあり、ネコちゃん好きなんだろうなぁと改めて思う。ネコの様子がうちのこどもたちの様子とリンクする部分があり、共感する部分も。

    楽しく読める一冊。

  • 最後まで読めなかった

  • 群さんが20年前、マンションの片隅で保護した子ネコ、しいちゃんとの日常を描いたエッセイです。

    子供の頃から犬飼いの私にとって猫との生活は新鮮に感じました。

    キャットフードの懐石食い、爪切り問題、湿度問題etc
    群さんとしいちゃんとの関係性も面白く、その姿が目に浮かび微笑ましかったです。

    ただ同じエピソードの繰り返しが多く、最初から最後まで同じテンポで語られていて全く起伏がないので、エッセイと言えども盛り上がりに欠けて中盤以降は退屈な感じになってしまいました。

    御年19歳と言う事で、元気で長生きして欲しいなと思います。

  • すらすらと読める文章
    著者の愛情と苦労が伝わってくる
    人間の言葉に猫の声がなっているが、
    実際はどんな感じでないているのだろう?

  • この本を初めて読んで、群よう子さんの存在を知り、群よう子さんワールドにはまってしまった。
    幸か不幸かなかなかこの独特な世界から抜け出せそうにない。

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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