東京結合人間 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2018年7月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784041070116

作品紹介・あらすじ

一切嘘がつけない結合人間=”オネストマン”だけが集う孤島で、殺人事件が起きた。容疑者たちは“嘘がつけない”はずだが、なぜか全員が犯行を否定。紛れ込んだ”嘘つき”はだれなのか――。

みんなの感想まとめ

独特な設定と衝撃的な描写が特徴の作品で、前作に比べて暴力性が増した点が一部の読者には合わないものの、その奇抜さは唯一無二の魅力を放っています。物語は二部構成で、第一部では少女買春組織を描いた「少女を売...

感想・レビュー・書評

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  • 前作より暴力性が増しており、そこが自分にとってはあまり合いませんでした。
    ただ、設定の奇怪さは唯一無二だと思います。

  • 相変わらずぶっ飛んだ設定の著者2作目。

    本作は少女買春組織を描いた「少女を売る」。嘘をつけない正直者(オネストマン)達が漂着した孤島で殺人事件が起こる「正直者の島」の2部構成になっています。
    「少女を売る」は白井作品恒例のエログロ変態描写のオンパレードでかなり胸糞な内容ですが、そこにもしっかり伏線が張られているので侮れない...そして最後にミステリに豹変するのが印象的でした。

    2部の「正直者の島」は一転して孤島での連続殺人事件と結合人間という特殊設定を除けば、しっかりとしたクローズド・サークルになっています。
    "嘘つけない正直者"という設定が、普通のミステリのフーダニットとは違う、一種の論理パズルみたいになっていて面白かった。
    そして登場人物達の推理合戦及び多重解決が約100ページに渡って展開されており圧巻の一言。

    そしてさらに事件解決後に、この特殊設定にも引けを取らないぐらいのカタストロフが待ち受けており、一筋縄ではいかない作品と思わせられました!

  • 人間から生殖器がなくなった。
    子供を作る為にはパートナーの肉体に身体ごと入って結合者になること。
    序盤はとんでもないエログロ。
    後半はしっかりミステリー。
    どうしたらこんな設定思いつくの…。
    白井さんの少女に容赦ない描写が堪らなく好き。

  • 設定がぶっ飛んでました。
    結合後の障害により嘘がつけない「オネストマン」となってしまった人達が小さな島で連続殺人事件に巻き込まれていく。
    最初は設定に置いていかれないように読み進めるのが大変でした。
    特異な設定のルールのようなものを巧みに利用し、推理が二転三転していくのも「いったいどこにたどり着くだろう」と楽しくなっていました。
    白井智之の小説を初めて読みましたが、精神的にエログロく、どこまで「アリ」かワクワクで、私はこの世界観が好きです。
    クローズドサークルも、伏線回収も、浮世離れした設定以外は本格ミステリーでとても楽しめました。

  • デビュー作にしてその世界観を確立させていた作者の2作目。
    冒頭100ページはひたすらエログロ暴力。脱落する読者も多くなるようなシーンを、そこに悪意を感じさせることなく飄々と進められるのが白井ワールド。
    そして唐突の孤島のクローズドミステリー。結合人間、羊歯病、オネストマン。世界観こそ異常だが、孤島で繰り広げられる推理合戦には、結合している意味はあるのかと首をかしげたまま、多重推理を繰り広げて、本編終了。
    あれ、ここ、ごまかし入れた、この人はオネストマンではないのでは、
    結合人間マスク?!ってことはこの人はあの人だよね、
    とかなり近づいた気がしながら、もちろん真相でやられたとなり、
    ようやくエピローグにして気づく。
    本当に危ないものからは、逃げるしかない。イジメ、犯罪、借金、火事、津波、雪崩、それに「探偵」も。
    本作のいちばんのすごさは、犯人当ての体をなした、探偵当てで、最後のピースを埋めること。

    やはり白井智之の脳内には敵わない。

  • 第一部の描写は気分が悪くなるような酷いものだけれど、どこにもない世界観を作り上げて、その中で事件が起こりそれが解決されるというお話の作り自体はとても面白い。解決編の運びも、頭を働かせずに読むのにちょうど良い。
    一番最後に新たに出てくる二人の素性がもう少し描写されてても良いんじゃないかと思ったのと、船橋…の解釈が自分にはできなかった。
    200907

  • 前半のエログロがすごすぎて、後半がとても平和に感じた笑
    安定の多重推理で、この世界観ならではのトリックが冴えてました。

    結合人間、表紙のイラストのようなイメージではなく、顔は一個なのかな…???

  • こっちもだんだんと白井智之に慣れてきたので『犯行後に結合した』というところまでは予想がついた。
    今回は「オナコが女性でかつ生きていたら」というファクターから多重解決につながっていくわけだけど、性別の叙述トリックがなくても一応密室殺人とアリバイのトリックについては説明がついてしまう(麻美が避妊(?)の失敗から結合させられてしまった)し、叙述トリック自体も雑で安易なものに感じられたので、ややキレが悪い。
    オネストマン論理パズルは面白かったが、そもそも別の抜け道があったというオチなのもやや物足りない。オネストマンの性質を利用した多重解決を見たかったところだ。

  • 白井智之氏の第二作目。
    絶海の孤島で起こる密室殺人事件。氏の十八番である今回の特殊設定は「結合人間」と「オネストマン」。なのだが、「少女を売る」で登場する三人組の傍若無人な残虐非道さが突出し過ぎており、続く「正直者の島」で起こる凄惨な殺人事件はインパクトが弱すぎて、読んでいて中弛みの感は否めない。
    事件の真相はこれまた氏お得意の2段構えで、エピローグの救いようのない糞さ加減は数周回って喜劇的でなかなか氏らしさが出ていて好み。

  • プロローグからエログロ全快だけど、ある時からミステリーになり面白いけど、エログロが苦手な人はお薦めしません。ただ個人的には短編より長編が好みでした

  • すごいものを読んだ気がする。
    こういうアイデアはどこから来るのだろう。
    常識にはないものを想像させる文章力っていうのは、やっぱりすごいなぁと思う。

  • この著者さんの作品として初めて手に取ったのがこの“東京結合人間”だった。
    「ウソがつけないオネストマンが集まった中で殺人が起きたが、誰も犯人として名乗りあげるものはなく…」というあらすじに惹かれ購入したのだが、まさかこんな異世界設定線での物語で、尚且つ過激なグロ表現があるとは思いもしなかった。

    読み始めは、慣れないグロ表現にとても目を瞑りたくなるような感覚で、著者さんの作品と自分は合わないかと思われたが、読み進めていくとこの現実離れした異世界設定である理由が、ちゃんとした推理に論理的に結びつくものとなっていて、非常に脳をフル回転させて情景を思い浮かべなければいけなかった反面、ミステリーとしてのトリックにとても納得と驚きがあった。
    こんな作品は初めてで、斬新で面白く、この著者さんでしか出せない味。
    自分的「今年発掘した新著者さん星5作品」としてブックリストに追加させて頂きました。

  • 「東京結合人間」面白かった。面白かったけど、かなり人を選ぶ気がする。特殊設定は別に構わない。そういうものだと思うので。でも、正直、途中が(「少女を売る」)グロはともかく余りの胸糞と不快さで、読むのをやめようと思った。思ったのだけど、どうしても気になってしまって読了。

    「正直者の島」を読み終えて、全て必要なパーツ、伏線だったのだと理解も納得もできる。それでも胸糞と不快が解消されるわけでもないので、これは本当に人を選ぶし、読むタイミングも選ぶなと思った。
    面白かったよ!面白かったけどね!!

    解説の方の言葉が本当に的を得ていた。

    “喩えるならば本作は、なぜか奇怪な像が入り口に所狭しと並べられている日本料理店である。~省略~もしかすると出迎えた店長が血まみれの鉈を手に持っていてぎょっとするかもしれない。ただし、それは客を襲うための凶器ではなく、食材解体用の道具である。”
    『でも、食材解体中の血やら肉片やらがお客様の顔に飛び散って貼りついて、こびりつくかもしれませんが、美味しい料理が待っています』
    を付け足したい。

  • 初めてこんなに現実世界とかけ離れてるけどかけ離れてないところで起こる話を読んだ。
    結局、誰が誰で何がどうなったのか、考えれば考えるほどわからんくなる

  • 「名探偵のはらわた」も出たことだし、過去作も読んでみようと購入。
    正直、グロが苦手な身としてはかなり辛い部分があった。「そして誰も死ななかった」はマイルドな方だという感想をちらほらみかけたが、確かにこの作品にくらべれば読みやすかった。
    パズラー要素強めで多重推理も魅力的なのに、その面白さが自分の中ではグロと相殺されてしまった印象だった。にしても、タイトルに東京と入っているのはなぜなのだろう?

  • 【一言感想】
     読んでいて不快かつグロテスク。特殊世界にはつっこみどころ満載。しかし,多重解決や叙述トリックは見事。クセの強い作品だが,白井智之の作風は嫌いではない。
    【感想】
    生殖のために男女が身体を結合させて「結合人間」になるという特殊世界を舞台にしたミステリ。この世界では,結合による突然変異として,時折,うそがつけない「オネストマン」と呼ばれる存在が生まれる。当然,この特殊な設定を活かしたプロットで描かれている。白井智之の作品らしく,グロテスクな描写がある。また,ネズミ,ビデオ,オナコと呼ばれる登場人物は,かなり不快な人物として描かれている。
    人気モデル川崎千果と映像作家ヒロキによる結合とオネストマンが誕生するシーンが描かれたプロローグから始まる。このプロローグもちょっとした伏線になっており,
     この小説は,「少女を売る」と「正直者の島」の2つに分かれた構成になっている。「少女を売る」は,栞という少女が,なぜ,死の直前になって友達をほしがったのかというホワイダニットになっている。栞という少女は,学校では周囲を見下しているようなタイプの少女だった。それが何でも言うことを聞くようなスタンスでネズミ,ビデオ,オナコが運営する寺田ハウスという売春
    をしていたのか。真相は栞の復讐。性被害を受け「羊歯病」という病気になった栞は,殺害された弟の復讐のために寺田ハウスの3人に羊歯病を移そうとしていた。自分だけだと3人と性交渉できないので,別の少女を連れてこさせ,連鎖的に感染させようとしていたというもの
     グロテスクな設定ではあるが,ホワイダニットの謎としては驚かされる。読んでいて不快な点に目をつぶれば,ミステリとしてはそれなりの作品に仕上がっている。
     後半の「正直者の島」は一転してクローズドサークルモノになる。寺田ハウスの3人が映画を撮るために7人のオネストマンを集める。しかし,寺田ハウスの3人は今井イクオクルミという探偵により船から落とされる。オネストマン7人がたどり着いたのは狩々ダイキチモヨコとその子どもが住むというカリガリ島。カリガリ島で,狩々ダイキチモヨコとその子どもの麻美が殺害される。オネストマンの7人はいずれも犯行を否定。ほかの人物がいるのか,誰かがオネストマンではないのか。読者には2人,オネストマンではない人物が含まれていることが示されている(誰がオネストマンでないかは分からない。)。そのうちのどちらかが犯人なのか。
     続いて,神木トモチヨが殺害される。
     この物語でも,多重解決が示される。まずは今井イクオクルミの推理。狩々ダイキチモヨコを殺害したのは神木トモチヨ。決めては,狩々ダイキチモヨコが宿舎に怒鳴り込んできたことを知らなかった(そのとき神木トモチヨはいなかった。)こと。神木トモチヨを殺害したのは丘野ヒロキチカ。神木トモチヨが,狩々ダイキチモヨコを殺害した場面を見ることができ,脅迫できたのは丘野ヒロキチカしかいないという消去法での推理
     続いて犯人と指摘された丘野ヒロキチカの推理。犯人は浅海ミズキハルカ。狩々ダイキチモヨコは二重人格で,自分を殺そうとしていた。医者である浅海ミズキハルカは疑心暗鬼になるように嘘の検視をしたというもの。これは現場の状況に全く合わず破綻
     そこに今井イクオクルミの依頼者である茶織(栞の友達として拉致された少女)の妹と伯父が現れる。茶織の復讐に来ているが二人は死亡。定期船の乗組員は殺害される。今井イクオクルミも死亡。浅海ミズキハルカも死亡
     次に生き残った丘野,小奈川,杯が推理。包丁を利用したアリバイ工作ができたのはノーマルマンの二人組。7人の中からノーマルマンを探し出せば犯人が分かる。杯,丘野,小奈川,双里の4人に一人でもオネストマンがいれば全員オネストマンになる。そうすると犯人足り得るノーマルマンは浅海と今井の二人。犯人はこの二人う推理。丸一日眠らせる睡眠薬を使っていたというトリック
     エピローグで,ヒメコが現れ,オナコと再会。真相が明かされる。丘野ヒロキチカのふりをしていたのは,オナコ。オナコは丘野萌子という名前だった。丘野という表記を利用した叙述トリック。寺田ハウスの3人のうち,オナコは女で,オナコだけが生き残っていた。丘野ヒロキチカとは船で入れ替わった。物語の中で,オネストマンの1人,杯はヒメコの父親だった。最大のポイントはカリガリ島には,もう一人少年がいたこと。オナコであるとばれると今井に殺されると思ったオナコはその少年と結合した。オナコが犯人。神木トモチヨはオナコ丘野ヒロキチカのふりをしていることに気付き,ゆすったので殺害された。
     ボーナストラックの船橋結合人間は結合人間スーツを着ている自分が結合人間だと思った恋人を自殺させた男
    の話。おまけ程度
     なんというか不思議な魅力がある作品。グロテスクだし,不快な描写が多いし,特殊世界のミステリだけど,どういう世界なんだとつっこみたくなるような世界観。しかし,ミステリとしては多重解決となっており,叙述トリック(オナコ→丘野と丘野ヒロキチカを「丘野」と書いて誤信させる叙述トリック,そもそもオナコの性別がはっきりしない叙述トリック)も効果的。オナコが真犯人で,カリガリ島にはもう一人少年がいたという真相にも意外性が十分。寺田ハウスが解体されるきっかけになった中村大史が兄弟を監禁という前半部分のニュースがちょっとした伏線になっているのも見事
     白井智之の描く作品は,確実に読む人を選ぶけど,個人的にはクセの強いこの作風は嫌いではない。とても人には勧められないが。★4を付けたい。

  • 結合するという人間たちの生態が妙にリアルな気がして、詳細を知るにつれ「なるほどな〜」と感心していた。男性側に強い痛みと苦しみがあり、さらに人格をも捨てる覚悟が必要な点が興味深い。そのうちに結合を望まない人が増えて絶滅しそうだ。
    嘘をつけないオネストマンの存在が、かえって全体の疑心暗鬼を生み出していて面白かった。
    白井作品では、序盤の些細な情報も後半で拾われて謎解きに関わってきたりするため、頭に叩き込みながら読んだ。それでもやはり、どんな展開になるのかも、どことどこが繋がっていくのかも予想がつかなかった。何が起こってもおかしくない面白さがある。
    ただ、もう少しスカッとしたかったかな、という感想。

  • 特殊な設定をどれだけ受け入れることが出来るかで評価が変わりそうな気がする。私は受け入れきれなかった側。
    目手足が4つずつで頭身が高い結合人間たちの動くさまを想像しても、なかなか映像が浮かんでこなかった。あと、名前がややこしい。結合する前の男女の名前をシンプルにくっつけてるのだが、これがなかなか慣れなかった。
    著者お得意のグロ表現、多重解決は安定の面白さでした。

  • 最初は無駄にグロい系の話かと思ったけど、グロい設定がちゃんとトリックに繋がってて納得感があった。
    この小説家の作品で読みたいのが何冊かあるので、期待値が高まった

  • どうしてこんなことを思いつくのか?白井智之作品読むたびに毎回頭を抱えてるけどこれもだった。
    まず生殖方法として人間が結合する、この時点でネジ飛んでるのに結合後は4つ目4本腕4本脚平均3mって異形になるの凄まじい、、さすがにNGが出たのか表紙の結合人間はその姿じゃなくて詐欺。
    外で読んだらプロローグからきつくて笑い、少女を売るのえげつなさに慄きながらも後半のミステリを期待して読み進めた。(裏表紙のあらすじがここに触れてなさすぎて面白かった。嘘はついてない)
    相変わらずグロさと異常設定をミステリに落とし込んで多重解決続けて論理を作っていく常人には考えつかない美しさだった。新作と比べると物足りなさとか設定のご都合主義感はあるけど、あの醜悪な場面が伏線になる(から読み込まないといけない)のは悪意が強すぎて脱帽。オネストマンに焦点が当たってた分ジョイントマンが死に設定だったのは残念。個人的には4本腕があるから重いものもしっかり支えられるって描写が好き。たしかに便利だね。
    船橋結合人間も世界観と悪意をぎゅっと濃縮しててよかった。
    この世界だと意識を捨てることになる男性が荒れずに前向きに結合しててすごい。

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著者プロフィール

1990年、千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。『人間の顔は食べづらい』が第34回横溝正史ミステリ大賞の最終候補作となり、同作で2014年にデビュー。『東京結合人間』が第69回日本推理作家協会賞候補、『おやすみ人面瘡』が第17回本格ミステリ大賞候補となる。『名探偵のはらわた』は「2021本格ミステリ・ベスト10」で第3位。他の著作に『少女を殺す100の方法』『お前の彼女は二階で茹で死に』『そして誰も死ななかった』『ミステリー・オーバードーズ』『死体の汁を啜れ』がある。衝撃的な作品で読者の度肝を抜く、気鋭の本格ミステリ作家。

「2022年 『お前の彼女は二階で茹で死に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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