- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041070994
作品紹介・あらすじ
謎の男・クロエに金塊強盗の手伝いをしないかと声をかけられた葉山和之。幼いころに父を亡くし、病気の妹の治療代のため猛然と働く母を見ていた葉山はその話に乗るが、その準備の最中、クロエに「お前の父親は、日本史上最高金額の銀行強盗を成功させた男だ」と告げられる。母にも事実を問いただせないまま、金塊強盗を実行した葉山がクロエとの待ち合わせ場所に赴くと、クロエは殺されており、強奪したキャリーケース4個分の金塊は消えていた。金塊のもとの持ち主であるヤクザの弓庭に一週間で金塊を探し出さなければ命はないと脅され、葉山はクロエの仲間である松野たちと金塊を探し始めるが……。金塊はどこに消えたのか。クロエを殺したのは一体だれか。そして葉山の本当の父親は――。震災から復興した街、神戸を舞台とした金塊をめぐるクライムミステリーノベル!
感想・レビュー・書評
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金塊の強盗をクロエより受け、手助けをする葉山。しかし、その現場でクロエは何者かに殺されていた。金塊の持ち主のヤクザ・弓庭に一週間で返せと脅され、クロエの仲間だという松野と探し始める。金塊は、クロエを殺したのは誰か、そして、自分の父親は…謎に迫る。
リズムよく読み進めたけれど、全体的に衝撃なし、落ち着いた着地でした。個性的な人もいるんだけれど、もう少しひねりが欲しいところ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
金塊強盗をクロエと言う人物に持ち掛けられた葉山。金塊を奪った後に落ち合う約束だった場所に行くと、そこにはクロエの死体があり、肝心の金塊は消えていた…
共犯者として警察に追われる葉山だったが、同時にクロエが金塊を奪った相手にも追いかけられ、金塊の行方を捜して行くうちに、阪神大震災の前年にあった未解決の銀行強盗の真相に近づいていく。
主人公の葉山が凶悪犯でもなく、葉山に協力するクロエの仲間たちもどことなく憎めないし、葉山を追う刑事の六車も何となく優しい。
ハードボイルドには足りなく、ミステリーとしても内容が薄い。
物語の軸もどこにあるのか、非常に掴みにくい。
この作者さんらしくない作風が新境地とも言えるが、展開が中途半端な感じが否めない。 -
17神戸が舞台とあって色々思い浮かべながら読めました。福徳相互って事件あったよね。主人公の加担する動機が薄いのがちょっと残念な気がする。
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訳のわからない手伝いなんてするもんじゃないね。これ、和之がぼんやりしているタイプなら完全に捕まってたよ。
話したくないことでも、真実は話しておくべきなんだろうか? とんでもないことに巻き込まれないようにするためには。いやー、あまりにも勢いがあって一気読み。深夜2時半まで読書するなんて久しぶり。 -
まあまあかな
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2020.8.16-319
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一攫千金を目論んだ葉山和之は、話を持ってきたクロエの死体を発見して途方に暮れる.クロエは警察官の制服を着ていたが、それは精巧なイミテーションだった.六車幸雄、元宗史郎らが捜査を始めるが、難航する.クロエは金塊を転がすことを想定していたが、その金塊が行方不明になる.ヤクザの弓庭に捕まった葉山は、金塊の捜索を強制される.葉山の勤め先に現れた奇怪な女、松野が絡んできて話は発展する.ひこばえ荘というバラックに松野や曽我、及川らが住んでいるが、クロエと松野は繋がりがあったようだ.六車は銀行強盗の容疑者を取り逃がしてしまったことを悔やんでいるが、葉山和之との関連も想定していた.キムという男が現れて、金塊失踪の謎が次第に明らかになるが、最後の場面でクロエ殺害の犯人が判明する.楽しめるストーリーだった.
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松野はマツコを思い浮かべて読んだがあってるのかな。
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<優>
何の違和感/疑問も感じずに楽しみながらどんどん読み進めてゆける作品に仕上がっている。
登場する女がまた素敵なのだ。準主役で登場する女は大概飛び切りの美人と決まっているが、この作品はそうではない。これは現実に限りなく近い小説なのだ。事実は小説より奇なり、などではなく、現実を小説で書くには才能が必要なのだ!福田和代さん、とうとう一流作家の仲間入りです!(デビュー作品から漏らさず全部読んできたので高言にて失礼っ)