- Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041071106
作品紹介・あらすじ
大ヒットシリーズ『中国嫁日記』の著者・井上純一は、実は経済オタクでもあった!? ある日、円安で中国工場への送金が高くついた、とボヤく井上さんに、愛妻の月さんが「減った分のワタシたちお金、誰が取りマシタカ?」と返します。「こ、答えられない…というか、その発想はなかった!?」と衝撃を受けた井上さん、月さんの「お金に関する素朴な疑問」を題材に連載を始めることになりました。知らなくても生きてはいけるが、知るともっと世の中が面白くなる「お金」の話が弱者切り捨て、高齢化社会、増税、選挙、雇用問題など、誰もが知っている(しかし答えをもっていない)社会問題に絡めて語られます。監修 飯田泰之(明治大学経済学部准教授)
感想・レビュー・書評
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経済苦手
新聞も経済面はスルー
お金が大事だけど、何故?という疑問を抱かなかった私
これは切り口が面白い
ふんふんなーるほど
これですべて分かったなんてとても思えないけれど
≪ どこへ行く? 私のお金 大丈夫? ≫詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『中国嫁日記』の作者による、お金と経済の話。
作者がアル・シャードという経済に詳しい人(専門家というわけではないらしい)から講義を受け、それを読めの月(ゆえ)さんに話したやりとりを漫画にしたという内容。(漫画の内容は明治大学在籍の経済学者の飯田先生に監修してもらっているので、大きな間違いはないと思われる)。月さんが予想外の質問をしてくることもあるので、作者も勉強したらしい。こういうのもアウトプットなんだろうなと思った
それなりに経済の本はちょこちょこ読んでちょっとは分かっているつもりだったけど、この本は結構、初めて聞くような話が多く、とてもためになったし面白かった。
それにしても、この本を読んでいるとマルクスって実は別に大したこと言ってないんじゃないのかと思った。予想でいろいろ書きすぎだろと。そういう意味では、データを分析して発表したピケティはやっぱりすごいんだろうなと思う。
後、消費税増税について。自分はなんとなく、10%への増税はしかたないのかなと思っていたけど、この本を読むと日本経済のことを考えてもやめたほうがいいんじゃないかと思った。消費税には消費を抑える役割もあるから、消費税増税はデフレの懸念があるらしい。少なくとも、デフレで問題になっているときにはやっちゃいけないそう。そういや、日本に消費税が導入されてからが失われた〇〇年っていわれてるしね。もう、いっそのこと下げた方がいいんじゃないのかとこの本を読んで思った。
選挙についても書かれており、短期的にはいかないほうが得かもしれないけど、あまり長期的に同じ政権が権力を持ち続けているのは問題なので、選挙にはいったほうがいいとのこと。そもそも、選挙権があるってだけでものすごい得なんだとか。自分の1票なんかで世界は変わらないと思うかもしれないけど、やっぱり大事なんだろうなと思った。 -
漫画「中国嫁日記」の作者さんが描いた、経済を学べる漫画。
このマンガ、経済を知らない方々には、すごく珍しいことが描いてあるように思えるだろうけど、
基本の基本 常識しか描いてない
とのことでしたが、私は知らないことばっかりでした!
例えば、
日本の医療費が上がっても日本は潰れない。むしろ景気を良くするには医療費を増やした方がいい。医療費だけでなく、公共事業や社会福祉(生活保護も、子育て支援も、障がい者福祉も)が景気を支える。
経済成長よりも格差の開く度合いの方が大きい(トマ・ピケティ)
誰かがお金を借りることでお金が生まれる=信用創造
借金は悪どころか返す意思のある借金は世界に必要
日本円をたくさん刷ってもハイパーインフレにはならない(その前に好景気になる)
政府が節約して公共事業や福祉を減らすと、民間にお金が回らなくなって不景気になる。
経済成長により公害や過労死が増えるイメージがあるが、その問題を解決するためにも経済成長が必要。
公共事業は無駄な方が良い。掘って埋めるとか(ケインズ)
貧困は自己責任では無いことの経済学から見た理由とかも、興味深かった…(全部理解できたとは言い難いけど)
病気の人や障がい者や高齢者や困ってる人たちのために国がお金を使うことって、周りまわって社会全体の景気を良くするって、知らなかった。「我々の血税をそんなことに使うな!」っていう主張は、経済学的に間違ってるとのこと。いい話。利己的にならなくてもよくて、弱者を切り捨てないで守っていくことで全体が豊かになれるなんて、希望だ。
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日本の経済や金融のしくみ、我々の生活に関わるお金の素朴な疑問にマンガで分かりやすく説明してくれる。とても重要な事項。なるほどと勉強になった。
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セリフがゴシック体→多い漢字☓潰れる書体で読みづらいのと、某有名マンガ並みに「!!!」の多用→どこもかしこも重要!とされると逆に何も入ってこないので勿体ない。
キャラの表情や構図がワンパターンで漫画として微妙な出来に思った。
内容は、経済とはなんぞや?レベルの超初心者にはハードルが高く、元々の理解が深い人には物足りない、どっちつかずな感じ。 -
昨年から読み始めてよくわからなくて、何度か読み返してますが、なかなか頭が追いつかない。難しいです。
消費税せめて下がると良いなぁ。 -
分かりやすく経済を説明しようと漫画にしているのだけれど、経済自体の内容より、いかんせん悲しいかな、この漫画の絵が「読みにくさ」を助長していると感じたのは私だけではないはず。
内容はともかく、漫画としての評価は、著者のワザとキャラ化した画に抵抗感があるため低め設定。 -
先日、続編『キミのお金はどこに消えるのか 令和サバイバル編』が発売されたが、まずは昨年出た正編を読んでみた。
コミックエッセイの大ヒット・シリーズ『中国嫁日記』の著者が、その「中国嫁」――愛妻・月(ゆえ)さんを対話相手として進行していく経済解説マンガだ。
日常会話の中で月さんが放つ、〝経済に関する素朴で鋭い疑問〟に、夫である著者がわかりやすく答えようと努力する……というのが、毎回の基本スタイル。
ただ、著者は経済の専門家ではないから、専門家のレクチャーをふまえて内容を決めている。
まず、経済にくわしいアル・シャード(どういう人なのかよくわからない)に、その回のテーマに沿ったレクチャーを受ける。
そのうえで、月さんとの会話から練り上げた内容を、エコノミストの飯田泰之(明治大学経済学部准教授)にチェックしてもらうのだという。
アル・シャードは「企画協力」、飯田泰之は「監修」としてクレジットされている。
経済についてわかりやすく解説するマンガはこれまでにもたくさんあるが、本作ほどわかりやすいものはほとんどなかった。
管見の範囲では、本作と『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』(原作・佐藤雅彦&菅俊一、画・高橋秀明)が、「わかりやすい経済マンガ」の双璧だ。
本書の刊行記念対談(『本の旅人』2018年8月号)で、著者は次のように述べている。
《井上: 知識ゼロの月でも分かるように描くというのが大前提。詳しい人が読んだら、突っ込みどころはあると思うんです。どんな分野でも本気で議論しようとすると、前提条件を山ほど並べないといけない。限られたページ数では不可能なので、本筋と関係ない部分はカットしています。》
まさにそのように、枝葉部分はバッサバッサ切り落し、問題の本質だけをグイッと抽出する力技こそが、本作を面白くわかりやすいものにしているのだ。
経済成長はなぜ必要なのか? 公共事業はなぜ必要なのか? ……などという、経済に関する「基本のき」ともいうべき素朴な疑問に、著者はズバリと答えを出してみせる。
くわしい人から見て「突っ込みどころ満載」であっても、それはそれでいいのだと思う。もっと細かい議論がしたければ専門書を読めばよいのだ。
本作はあくまで、経済の勘所のみを抽出したマンガであり、経済理解の糸口、議論の入り口を提供できればそれでOKなのだ。
本書を読んで目からウロコだった主張をピックアップ。
・「毎年2~4%のインフレ」になってこそ、物価は安定する。
物価上昇がゼロになると消費者が「いつでも同じ値段で買えるから」と安心してしまい、むしろ消費が冷え込む。また、物価上昇がゼロに近い社会では、企業のリストラや倒産も増えてしまう。
・経済成長は「する方が自然」。
「人間というものは同じことをしていても『もっといいやり方』を発見してしまうもの」なので、効率化や新発見で年1.8%程度は成長「してしまう」から。
ただ、本書は〝中立公平な入門書〟というより、かなり角度がついたものになっている。
消費税増税については明確に反対の立場を取るなど、いわゆる「リフレ派」の主張に沿った内容なのである。したがって、反リフレ派の主張に与する人にとっては、本書の内容には受け入れがたい面もあるだろう。
そうした偏りを承知のうえで読むなら、よくできた経済入門マンガとして楽しめる。