ニッポン泥棒(下) (2) (角川文庫)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041071120

作品紹介・あらすじ

未来予測ソフトウェア「ヒミコ」の解錠鍵に選ばれたことで、陰謀に巻き込まれた元商社マンの尾津。もう一人の解錠鍵・かおるを見つけ出すが、「ヒミコ」を巡る争奪戦はさらに加速していき――。

感想・レビュー・書評

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  • 最大の謎だったヒミコのパスワードの正体は成程と唸るものでした。
    驚異的なスピードで進化するITの領域を15年前にこのレベルで構想して作品の骨格として使用するなんて、大沢氏の年齢を考えるとスゴイことだと思います。むしろ発売当時に読んでいたら荒唐無稽に感じたかも知れない。
    上下2巻の長編にして中弛みを感じさせないし、悦子と愛美については中途半端な感じで終わっているところを除けば素晴らしい作品でした。

  • コブラが以外にいい奴なのには驚いた。

    「ヒミコ」を狙う組織の規模が大きすぎてやや現実味に欠けているのが残念に感じた。

    近い将来、「ヒミコ」のようなシミュレーションソフトが本当に開発されるかもしれない。
    シミュレーションされた自分と会話をしてみるのも結構楽しいかも。

    大沢在昌、京極夏彦、宮部みゆきは日本のミステリ界の三巨頭だと思うが、大沢さんには他の2人とはまた違った知性を感じる。
    ハイテクに関する造詣がとても深いと思った。
    『新宿鮫』も読んでみたい!

  • 携帯スイッチを入れたことでCIA側にばれたと冬木から連絡。料亭をでる。偽刑事が運転するバンとすれ違う
    尾津は自分を囮に。もう一人の開発者の実家を訪問。
    誰も現れない。自宅マンションに向かう。入口で拉致
    拘束され、コブラが登場。コブラに協力することで解放された。

    開発者を殺した組織は?CIA?JM研? JM研に保護を求めたが、CIAと裏でつながっていた。ヒミコパスワードはソフト内の自分のアバターと自分自身の会話が一致することだった。鍵にされた女性の元彼氏は公安。開発者の一人の親はJM研のヒミコ捜査担当。CIAがJM研のボディガードを射殺。CIAはJM研のヒミコをDownload後、奪う予定だった。JM研が新しパスワードでコピー、ソースは削除した。それを知ると現場判断でヒミコ削除の決定権があった。全員射殺になる直前、公安が登場し、CIAを撃った。ヒミコは削除。売れば10億ドルの利益がでるはずだった。

  • 最後まで頭脳戦を楽しませてくれると思ったが結局力技で終わってしまい残念。ただこういう最後にならざるを得ないかなとも思うので理解はできる。価値観を180度変えざるを得ない出来事や今に続く世相に対して読者に問い掛けているのかなと感じる点もあり興味深く読み進められた。エピローグがあっても良かったかな。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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