鹿の王 水底の橋

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  • 本 ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041071182

作品紹介・あらすじ

なによりも大切にせねばならぬ人の命。
その命を守る治療ができぬよう、
政治という手が私を縛るのであれば、
私は政治と戦わねばなりません。

黒狼熱大流行の危機が去り、
東乎瑠帝国では、次期皇帝争いが勃発。

様々な思惑が密かに蠢きはじめているとは知らず
オタワルの天才医術師ホッサルは、祭司医・真那の招きに応じて、
恋人ミラルとともに清心教医術の発祥の地・安房那領へと向かう。

ホッサルはそこで、清心教医術に秘められた驚くべき歴史を知るが、
思いがけぬ成り行きで、次期皇帝争いに巻き込まれていき!?

異なる医術の対立を軸に
人の命と医療の在り方を問う意欲作!

***********************************************
医療に関わる深い考察が、
帝位をめぐるドラマに染みこんでいる。
物語をつむぐ技の見事さを堪能した。
―― 荻原規子さん(作家)

薬をいかに扱うか。
医師達の誇りと尊厳の戦いが、
情緒豊かな上橋ワールドで
繰り広げられる。
極上のサスペンスドラマ!
―― 佐藤多佳子さん(作家)

いつかホッサルや津雅那師と、
命について心ゆくまで語り合いたい。
―― 夏川草介さん(作家)

明日への言葉が道しるべ
川を渡り谷を過ぎ
上橋菜穂子の世界に旅をする
はるかな時間さえ超えて
―― 萩尾望都さん(漫画家)

人はなぜ病むのか。そして、いのちとは何か。
人類史最大の問いの答えが明かされる。
―― 福岡伸一さん(生物学者)

異なる道は辿っても、
「人を救いたい」という出発点は皆同じ。
本物の医療がここにあります。
―― 水上 颯さん(東大生クイズプレイヤー)

良質のファンタジーは本当の癒しになります。
―― 養老孟司さん(解剖学者)

感想・レビュー・書評

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  • 『鹿の王』続編
    川の中に吸い込まれそうなこの綺麗なカバー絵がちょっとお気に入り(◍˃̵͈̑ᴗ˂̵͈̑)ァ,、'
    いつもは読み終わったと同時に本棚に登録するけれど、今回は読む前から登録したりして、テンション上がりました(ૢ˃ꌂ˂⁎)Շ^✩
    好みのカバー絵だと嬉しくなりますよね〜

    『鹿の王』の続編ということでサクッと読めるかと思いきや、今作もどっぷりしっかりした内容
    オタワルの天才医師ホッサルが主人公
    恋人で助手のミラルと従者マコウカンも登場
    しかしヴァンやユナ、サエは出てこなかった
    (꒪̥̥﹏꒪̥̥ )

    『鹿の王』の問題点にスポットライトがあたる
    医療に対する捉え方、考え方の違い
    何よりも大切なのは人の命なのに、政治という手がホッサルを縛る…
    そしてホッサルとミラルの恋の行方も気になる所

    私は、香酢魚が出て来る所からが面白かったなあ
    そしてミラル、ユナ、サエ、梨穂宇、兎季
    このシリーズに出てくる女性達が、何故かみ〜んなキラキラ輝いていてとても魅力的で甲乙つけ難い

    色々あったけれどエンディングは明るい未来を感じさせる仕上がりで、想像を掻き立てられる

    良かった〜シリーズ読み終える事が出来て
    只今、自己満足の世界にいます.‎˖٭*.‎˖٭*

    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      hibuさん、こんばんは

      ですよね〜、ヴァン達の続編読む気満々でした
      ゚( •᷄ʚ •᷅ )゚:。
      オヤツをお預けされたワンコの気分です笑...
      hibuさん、こんばんは

      ですよね〜、ヴァン達の続編読む気満々でした
      ゚( •᷄ʚ •᷅ )゚:。
      オヤツをお預けされたワンコの気分です笑ᐞ•༝•ᐞ₎◞ ̑̑

      コピーしたレビューが、「…サエは出てこなかった」までしか入らなくて焦りましたよ
      半分あとがない〜(((;꒪ꈊ꒪;)))
      何度か編集したら入りました
      2024/06/08
    • 1Q84O1さん
      K村さん

      読まれましたか〜^_^
      私もヴァンが出てこないことにちょっと残念な気持で読んでいましたが、読み進めていくうちにこれはこれで良いな...
      K村さん

      読まれましたか〜^_^
      私もヴァンが出てこないことにちょっと残念な気持で読んでいましたが、読み進めていくうちにこれはこれで良いな!と満足したのを覚えています(≧∇≦)
      2024/06/09
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      そうですね〜、どっちも有りかなあと今は思っています
      あのまま終わって余韻に浸るのも良し、新たな展開を楽しむのも良し(((^-^)))
      そうですね〜、どっちも有りかなあと今は思っています
      あのまま終わって余韻に浸るのも良し、新たな展開を楽しむのも良し(((^-^)))
      2024/06/09
  • いゃ〜、面白かった!
    「鹿の王」のスピンオフ作品です。あとがきにもあるように多くの読者がヴァンとユナのその後を読みたい(私もその一人)という意見があるようですが、今回の主役はオタワル人医師のホッサルとミラルの物語。

    ホッサルとミラルがオタワル医術と清心教医術の政争に巻き込まれながらもそれぞれの医術の良さや命のあり方を学び、成長する姿が熱い!
    ミラルがなんかとても良いのです♪

    上橋さんの物語はところどころに刺さる言い回しがあり、大好きです♪オススメ!

  • 『鹿の王』でまんまと上橋菜穂子さんにはまったわたくし、次は何にしようかと揺れ動く乙女心の最中でありんす
    『守り人シリーズ』にしようかな〜、『獣の奏者シリーズ』にしようかな〜、それとも『十二国記』いっちゃおうかな〜てな感じです

    ま、いずれにしろまずはちゃちゃっと『鹿の王』の外伝を片付けちゃいましょうかね
    と読み始めた『水底の橋』
    そんなちゃちゃっと気分で読めるような物語ではありませんでした!ほんとすいません

    ファンタジー小説というのはもちろん架空世界の物語ではありますが、やはり現実世界を映す鏡でなくてはいけないとも思うんですよね
    そう思った時に「ヴァンとユナのそれからが読みたかったよう」というただのミーハー心を恥じました
    そっちやないねん!と
    ホッサルとミラルのそれからを描くほうが現実世界の医療や様々な問題への気付きがあるのだと
    そしてその気付きとはやっぱり女は強いな〜って違うわ!敵対し受け入れがたいと思っていたものの中にも、真摯に向きうことで得られる逆転の発想や知見もあるということ
    ただ闇雲に否定し拒絶するのを止めて、時には協力し、時には切磋琢磨することが光差す未来に繋がるんじゃないのってことなんかな〜

    あと『十二国記』は上橋菜穂子さん違うわバカタレ!

    • ひまわりめろんさん
      1Q84O1さん
      こんにちは!

      おかげさまで決まりました!
      『獣の奏者シリーズ』にします
      闘蛇と王獣にやられました!
      なんのこ...
      1Q84O1さん
      こんにちは!

      おかげさまで決まりました!
      『獣の奏者シリーズ』にします
      闘蛇と王獣にやられました!
      なんのことか一切わかりませんが乙女心は画数の多い漢字に弱いのですw
      2022/11/13
    • 1Q84O1さん
      そりゃそうですよねw
      まだ読まれてないので闘蛇も王獣も・・・?何って?おもいますよね
      とにかく凄いっす!
      きっと乙女心を満たしてくれると思い...
      そりゃそうですよねw
      まだ読まれてないので闘蛇も王獣も・・・?何って?おもいますよね
      とにかく凄いっす!
      きっと乙女心を満たしてくれると思います♪
      2022/11/13
    • ひまわりめろんさん
      了解です(`・ω・´)ゞ
      『図書館の魔女』の外伝読んだら行きます
      了解です(`・ω・´)ゞ
      『図書館の魔女』の外伝読んだら行きます
      2022/11/13
  • 続編という趣きではなく、医術の未来への分岐点を切り取った物語でした。

    現代医学に日々助けられながら生きていけることに感謝ですね。まだまだ解明できていない病は沢山あるのでしょうが、医療が身近にあることが、どれだけ不安を遠ざけているか。もちろん絶対ではないのですけど。

    派手な事件で大騒ぎというのはありませんが、ほう、こうなりましたか、と最後に分岐点を確認できました。

  • 鹿の王の続編。なのですが、前作のヴァンはでて来ず、もう一人の主人公だったホッサルの医術をテーマにしたストーリーでした。

    世界観が素晴らしいです。理想郷とは程遠い荒々しい世界ですが、みな一生懸命に生きる姿が描かれています。医療を通して生と向き合う姿に胸が熱くなりました。「医術師が、その最も大切な道を踏み外したら、その先には荒廃しかない」ホッサルの言葉には重みがありました。
    是非ともまた、この世界の住人達のストーリーを読んでみたいものです。

  • ファンタジーの世界観であるが、医療に関する要素が強め。
    登場人物それぞれの医療に関する信念がぶつかり合う。政治的な思惑も複雑に絡んで物語が進行していくところが面白い。
    何が正解かは人それぞれで価値観によるところが大きいが、相反する考え方がぶつかり合いより良い方向へ進化していき技術が発展していくのだな、と思うと感慨深い。
    ラストの落としどころも絶妙だった。

  • 『鹿の王』の主人公の一人、医術師ホッサルの物語。

    「目の前に苦しんでいる患者がいて、自分が、治せる薬を持っているのに、使わないでいられるか?」
    患者の命を守るためあらゆる治療を施し最善を尽くすのか、それとも、患者の身を穢さぬよう心身を清め穏やかに逝かせてあげるのか。
    現代でも「安楽死」という言葉があるけれど、その答えは簡単に導き出せるものではない。
    病に苦しむ患者を前に、医術師として人として、どう接するのか。
    ホッサルとその恋人ミラルが悩んだ挙げ句に出した答えに、一筋の明るい光が見えるようだった。
    オタワル医術と清心教医術、歩んできた道は違えど、患者を救うという目的は同じ。
    表には見えてこないけれど、両者を繋ぐ一本の橋が水面下に確実に在り、橋渡しをしてくれるはず。

    今回のミラルはとても魅力的で今後も応援していきたくなった。
    そして次回はもう一人の主役・ヴァンの物語に期待したい。
    上橋さんの描く料理は相変わらず美味しそう。食べたい!

  • 文句なしに五つ星を。

    今回最終話となる「鹿の王」第4巻、『水底の橋』
    医療に関わる、真理の追求がテーマかと思う。

    現代でもそうだが、先進と言われる西洋医療と
    総合から体を判断し治療する漢方。
    そして、体の骨や筋肉関節などの動きを見て、治療する和の医療。

    いくつもの医療があるのだが、この本もまさに医療を考え哲学する本であった。

    人を救う、全ての人を救えるのか?

    私のように60歳もすぎると夫婦で死に向かう人としての生き方、死に方を考える。
    医療も考えるテーマの一つ。

    年々解明されることも多いが、まだまだ人の体は全ての秘密から明らかにされていない。
    そんな医療と死を考え、何を選び何を諦めるのかは
    人の生き方の哲学から決定するものだと、信じている。

  • この作家の作品を読むと、いつも温かい気持ちが湧いてくる。
    「鹿の王」を読み終えてからもうずいぶん経つので、
    正直、今回の主人公ホッサルがどんな性格の人物だったか
    忘れてしまっていて、最初少し戸惑ったけれど、
    お話の世界に引き込まれるのにそれほど時間はかからなかった。
    描かれていないこの先の物語が気になる終わり方だった。

    作者はあとがきで、一作を書き終えると
    空白になると書いておられたけれど、
    ぜひともこの続きの世界を知りたいと思った。

  • やっと読めた・・・満足です。
    今回も医療、命、いろいろ考えさせられた。
    自分の中で常識だと思っていたことが揺らいだ時、
    どう対応するのか。
    皆、それぞれの正義のために戦っている。
    何が誤っているのかは、どの立場で裁くかだ。

    その中でそうしたしがらみをすっと乗り越える人がいる。
    やっぱり女性は強いなぁ。

    • megmilk999さん
      しがらみをすっと乗り越える、という表現がとても的確で、自分の感想を府に落とすことができました。参考になりました。
      しがらみをすっと乗り越える、という表現がとても的確で、自分の感想を府に落とすことができました。参考になりました。
      2021/07/18
    • 葉明さん
      コメント、ありがとうございます。
      共感してもらえて嬉しいです。
      コメント、ありがとうございます。
      共感してもらえて嬉しいです。
      2021/07/18
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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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