ニッポン2021-2050 データから構想を生み出す教養と思考法

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041071861

感想・レビュー・書評

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  • 落合氏のドラスティックな視点はやはり面白い。
    これからの日本に関する大事な論点を提示してくれている良著。
    ドラえもんから日本の文化を分析しているのがおもしろい。今ならなんだろうか、YouTubeネットフリックス かと考えが広がる。

    メモ
    ・手を動かせ、モノを作れ。批評家になるな。ポジションを取った後に批評しろ。
    ・東京と地方はまったく違う国になっていて、それは今後30年さらに加速する。
    ・プラットフォーム化したテクノロジーは分断を促すというより、都市と地方を結んでいる最大の共通項になっている。
    ・インフラを適材適所に組み替えていくということ
    ・日本は3つのブロックに分かれ、それぞれ別の課題を持つ国になっていく。都市部タワマン型、都市郊外型、地方型。
    ・少子化が悲観的でない3つの理由
    テクノロジー導入にネガティブな圧力がかかりにくいこと
    輸出戦略
    教育投資
    ・落合陽一の高度経済成長のとらえかた
    均一な教育、年功序列の給与と住宅ローン、マスメディア
    ・唱歌は、共通の心象風景を作り上げ、僕たちは同じ日本人だというふうに認識できた。風景は近代のメロディによって再編成された。
    ・ドラえもんでは出てこないが、現実世界でいまの日本を象徴するようなな風景
    コンビニ、ショッピングモール、スマホソフトウェアプラットフォーム
    ・東京の中心には皇居があり、手付かずの自然が残る。自然を抑え込まず中心において、周辺にビジネスやテクノロジー。西洋は自然を抑え込むことで、近代化を成し遂げた。

  • 落合陽一氏と猪瀬直樹氏との対談、人口・産業、日本の風景(文化)、統治(政治)、人材(教育)について落合氏が発案した内容について猪瀬氏がお得意の近代史や自身の政治経験から歴史やデータで裏付けて補足を行い、とても説得力のある提言になっています。うーん、東京都は惜しい人を失ったような。。。

  • 「不決断」が招いた失敗。縦割りの官僚制の限界が見えている中で、
    組織のしがらみや内輪の空気から解放されて「変化」を決断するべき。
    その「リスクテイキング」はAI時代の中で人間しか出来ない価値となる。

  • 1周。

  • お二人の共著というかたちですが、落合さんと猪瀬さんが対談ではなく、各々の語りで出たキーワードや話の流れを受けて語る、というスタイルはさながら交換日記のようで読んでいて面白い形式でした。
    落合さんの大学職員・経営者・テクノロジーの専門家・一児の父としての目線と未来志向な語り口、猪瀬さんの作家・元都知事という目線とたびたび著作を引用した重厚な語り口が交互にやってきて非常に刺激的でした。

    各章では次の内容が語られます。
     第1章で、地方と東京、日本の人口減少とテクノロジーの積極的活用の必要性
     第2章で、日本人の過去と現在の心象風景、そして未来の心象風景を表現する絶好の機会としての東京オリンピック開会式
     第3章で、ポリテック(政治とテクノロジーの融合)
     第4章で、副題の「データから構想を生み出す教養と思考法」

    特に印象的だった部分は、第1章と第2章です。
    現在実用化に向けて研究開発が進められているテクノロジー(次世代通信5G、AI、ブロックチェーンなど)の高い有用性、テクノロジーが生み出す未来の素晴らしさを知ることができ、日本の未来を垣間見た気がしました。

    また、新聞TVで騒がれる社会問題は「社会保障政策も、税制も、経済も、すべては人口増加を前提に設計されてきた」から少子化による人口減少を怖がるが、以下3つの理由で怖がる必要はないと落合さんは言います。
     1. 生産人口が減る=テクノロジーの力を積極的に取り入れる土壌ができやすい
     2. 人口減少・高齢化社会をいち早く経験することでその知見を世界に先んじて蓄え、海外に輸出することができる
     3. 子供が少ない=貴重な存在として教育コストをかけやすい国になる

    人口減少にしろ原発の廃炉問題にしろ、世界に先駆けて課題を先取りできる日本は先に解決するチャンスが手元にあるという意味でむしろラッキーだ、いう落合さんの言葉は非常に勇気づけられるものでした。
    逆にショッキングだったのが、1995年からこれまで、日本のGDPがずっと横ばいだったこと。同じ期間に1位のアメリカは2倍以上は増やしているにも関わらず、です。「失われた20年」というよく聞かれる言葉を数値でよりリアルに感じてショックでした。

    しかし、落ち込んでばかりもいられず、落合さんは第1章で「僕は近未来、2040年ぐらいを見据えて研究をしている」「次世代のプラットフォームとして役立つものをつくるということを意識して研究なり教育なりを行なっている」とおっしゃっています。
    本を読み終えて、自分も20年後、30年後を見据えた動きをしていきたい、と明るく前向きな気持ちになれる本です。

  • 概ね内容に共感、同意した。
    こういう感性と理論と語る力のある方に政治に関わった欲しいと切に願います。

  • 落合陽一と元都知事の猪瀬さんが各章を受けながら議論を進める形式の良書でした。政治という枠組みをどういう風に捉えて、そこにイノベーションを起こせるのか。そういう視点からものを見れば、日本はめちゃめちゃ伸び代がありますw(2018年12月初旬読了)

著者プロフィール

メディアアーティスト。1987年生まれ。JST CREST xDiversityプロジェクト研究代表。
東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学)。
筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、准教授、京都市立芸術大学客員教授、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学特任教授、金沢美術工芸大学客員教授。
2020年度、2021年度文化庁文化交流使、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)テーマ事業プロデューサーなどを務める。
2017~2019年まで筑波大学学長補佐、2018年より内閣府知的財産戦略ビジョン専門調査会委員、内閣府「ムーンショット型研究開発制度」ビジョナリー会議委員,デジタル改革関連法案WG構成員などを歴任。

「2023年 『xDiversityという可能性の挑戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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