- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041072189
作品紹介・あらすじ
カリスマユーチューバーの純は、会心の動画配信に成功する。不当請求業者をおちょくるその配信の餌食となった鉄平は、純を捕まえるべく動き始めた。出会うはずのなかったふたりが巻き起こす、大トラブルの結末は!?
感想・レビュー・書評
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著者、染井為人さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。
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染井 為人(そめい ためひと、1983年7月21日 - )は、日本の小説家。千葉県印西市出身。
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で、本作の内容は、次のとおり。
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現実では引きこもりながら、カリスマユーチューバー“ジョン”として活躍する純。ある日、悪徳請求業者に電話をかけ、相手をおちょくる配信をする。キャラの濃い関西弁男を懲らしめた動画は大好評。ジョンはさらに、動画の男とリアルに会って対決できないものか考える。そのころ、動画の餌食となった悪徳請求業者の鉄平は、ジョンをとっ捕まえようと動き始めていた。やがてふたりは巡り会い―なぜか事態はヤクザや女子高生を巻き込んだ大トラブルに発展!ふたりが迎える予想外の結末とは!?
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ユーチューバーを主人公にした作品。
一昔前にはなかった職業だけに、新鮮さを感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
終わり方は嫌いな方ではなく、むしろ好きな方だということに読み終わった後に気づきました。
正規ルートから外れた人たちが必死にもがき、点と点が一本の線となり、最悪な出会いもその後どうなったか分かりませんが、繋がっていてほしいなと思いました。 -
ドタバタストーリー?テンポ良く面白かったです❗
読み終わった後、ニヤッとしてしまいました(^-^) -
ラストは予想した展開だったけどそれまでのプロセスが凄いですね。
ラストまで持って行くパワーを自分は感じました。
かなり無理があるとは思うけどね。 -
文句なしに面白い!『悪い夏』では、ケースワーカーと不正受給者、それにヤクザを登場させて、途中までは面白かったものの、最後に失速してしまった感が拭えず、かなり勿体ないと感じた。
しかし、こちらは最初から最後まで面白さがノンストップで突っ走っている。しかも、コメディ要素が強いのに、最後にはホロっとさせられるから、たまったもんじゃない。
タイガーマスクを被ったユーチューバー、ジョンは、気弱なニート。しかし、タイガーマスクを被った時だけは性格が豹変し、強気で陽気なジョンとなる。フォロワーが60万人ほどいるカリスマユーチューバーだ。
ある日、不当請求業者と対決すべく、いつものようにそのやり取りをユーチューブにアップするのだが、その悪徳業者の森口(本名:栗山鉄平)のキャラが濃く、何度もユーチューブにアップしてコケにするようになる。そして、鉄平はジョンを成敗すべく、大阪から東京まで出てくるが・・・。
とにかく鉄平のキャラがいい。悪いことばかりをやってきて、決して人に胸を張った生き方をしているわけではない。すぐにキレるし喧嘩っ早い。でも、筋は通すし、情に熱い。つまり、憎めないし、根は悪い奴ではないのだ。最初は鉄平を敵視していたが、いつのまにか鉄平の応援をしてしまっている自分がいる。そして、ネットの世界でしか生きられないジョンもキャラが立っている。ラスト、そのジョンに泣かされることになろうとは。 -
染井為人の正義の申し子を読みました。
タイガーマスクのマスクを被ったユーチューバーのジョンと架空請求の仕事をする鉄平。
ジョンにやられた鉄平が大阪から東京にジョンを探しに行きます。
最後は思わぬ方向へ
話のテンポがよくて一気に読んでしまいました。
ドラマか映画になって欲しいですね -
引きこもりの純。しかし彼は、カリスマユーチューバー”ジョン”であり、悪徳請求業者を餌食に配信する”正義の申し子”であった。電話で恥を書かされた大阪の悪徳請求業者で働く鉄平は、ジョンと対決を目指し上京する。そして、純はある秘密を抱えつつ鉄平と対面するが、純、純の高校生の妹、その友達、鉄平は大きなトラブルに巻き込まれ…
うまいリズムに乗って、最後まで楽しめたエンタメ小説でした。純(ジョン)と鉄平のやりとりがそして最後の結末が良かったね。前作とだいぶ毛色が違いましたね。勢いで読了。
前半の楽しみ、後半のハラハラ、そして、最後にホロリ、楽しめました。 -
ダブル主人公で片方がユーチューバーなのが新しい。二人ともどんどん魅力的なキャラになってよかった。
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面白かった。
いいやつ。
いや、悪い人なんだけど憎めないというか。
なんとなく結末は分かってたけど落としどころが良い。
読後感が良い。 -
YouTuberと不正請求で稼ぐチンピラと女子高生。
一見関係もない彼らの点と点が一本の線で結ばれた時、大トラブルが発生する。
世の中は匿名の時代だ。SNSにYouTube、インターネット。匿名性という仮面をして人が人を笑う。それが現代なのだろう。
本作もそういった現代を見つめながら時に切なく、時におかしくとびきりのエンターテインメントを見せつけてくる。スピード感は抜群だし、どこに着地するか全く見えない。良い意味でお先真っ暗なエンターテインメント、それが本書である。