正義の申し子

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 212
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041072189

作品紹介・あらすじ

カリスマユーチューバーの純は、会心の動画配信に成功する。不当請求業者をおちょくるその配信の餌食となった鉄平は、純を捕まえるべく動き始めた。出会うはずのなかったふたりが巻き起こす、大トラブルの結末は!?

感想・レビュー・書評

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  • 著者、染井為人さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    染井 為人(そめい ためひと、1983年7月21日 - )は、日本の小説家。千葉県印西市出身。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    現実では引きこもりながら、カリスマユーチューバー“ジョン”として活躍する純。ある日、悪徳請求業者に電話をかけ、相手をおちょくる配信をする。キャラの濃い関西弁男を懲らしめた動画は大好評。ジョンはさらに、動画の男とリアルに会って対決できないものか考える。そのころ、動画の餌食となった悪徳請求業者の鉄平は、ジョンをとっ捕まえようと動き始めていた。やがてふたりは巡り会い―なぜか事態はヤクザや女子高生を巻き込んだ大トラブルに発展!ふたりが迎える予想外の結末とは!?

    ---引用終了

    ユーチューバーを主人公にした作品。
    一昔前にはなかった職業だけに、新鮮さを感じました。

  • 文句なしに面白い!『悪い夏』では、ケースワーカーと不正受給者、それにヤクザを登場させて、途中までは面白かったものの、最後に失速してしまった感が拭えず、かなり勿体ないと感じた。
    しかし、こちらは最初から最後まで面白さがノンストップで突っ走っている。しかも、コメディ要素が強いのに、最後にはホロっとさせられるから、たまったもんじゃない。

    タイガーマスクを被ったユーチューバー、ジョンは、気弱なニート。しかし、タイガーマスクを被った時だけは性格が豹変し、強気で陽気なジョンとなる。フォロワーが60万人ほどいるカリスマユーチューバーだ。
    ある日、不当請求業者と対決すべく、いつものようにそのやり取りをユーチューブにアップするのだが、その悪徳業者の森口(本名:栗山鉄平)のキャラが濃く、何度もユーチューブにアップしてコケにするようになる。そして、鉄平はジョンを成敗すべく、大阪から東京まで出てくるが・・・。

    とにかく鉄平のキャラがいい。悪いことばかりをやってきて、決して人に胸を張った生き方をしているわけではない。すぐにキレるし喧嘩っ早い。でも、筋は通すし、情に熱い。つまり、憎めないし、根は悪い奴ではないのだ。最初は鉄平を敵視していたが、いつのまにか鉄平の応援をしてしまっている自分がいる。そして、ネットの世界でしか生きられないジョンもキャラが立っている。ラスト、そのジョンに泣かされることになろうとは。

  • 引きこもりの純。しかし彼は、カリスマユーチューバー”ジョン”であり、悪徳請求業者を餌食に配信する”正義の申し子”であった。電話で恥を書かされた大阪の悪徳請求業者で働く鉄平は、ジョンと対決を目指し上京する。そして、純はある秘密を抱えつつ鉄平と対面するが、純、純の高校生の妹、その友達、鉄平は大きなトラブルに巻き込まれ…
    うまいリズムに乗って、最後まで楽しめたエンタメ小説でした。純(ジョン)と鉄平のやりとりがそして最後の結末が良かったね。前作とだいぶ毛色が違いましたね。勢いで読了。
    前半の楽しみ、後半のハラハラ、そして、最後にホロリ、楽しめました。

  • YouTuberと不正請求で稼ぐチンピラと女子高生。
    一見関係もない彼らの点と点が一本の線で結ばれた時、大トラブルが発生する。
    世の中は匿名の時代だ。SNSにYouTube、インターネット。匿名性という仮面をして人が人を笑う。それが現代なのだろう。
    本作もそういった現代を見つめながら時に切なく、時におかしくとびきりのエンターテインメントを見せつけてくる。スピード感は抜群だし、どこに着地するか全く見えない。良い意味でお先真っ暗なエンターテインメント、それが本書である。

  • ストーリーはよくある引きこもりが活躍するという内容だと思ったがなんだか痛快な感じがした。かなりチープな感じだがそれでも少しだけすっきりした。やっぱり登場人物の描き方がうまいのかな。

  • ダブル主人公で片方がユーチューバーなのが新しい。二人ともどんどん魅力的なキャラになってよかった。

  • 人気ユーチューバーと悪徳請求業者の戦いを描いた作品。なのだけれど、読み口はとことんスラップスティックで、まさしくコント状態。二面性を持つジョンと、悪人なのだけれどどこかしら悪人になり切れない鉄平の対決、そしてコンビ結成(笑)がなんともいえず痛快です。ホントに漫才でもやれば?
    (いい意味で)ふざけて楽しい作品なのだけれど。よくよく考えるとネットの恐ろしさというものもちらりと感じられたりも。便利だし楽しいけれど、使い方を間違えると怖いよなあ。
    ラストの展開はいいなあ。やっぱり笑えるのだけれど、とんでもなくカッコいい! 楽しく読んでスカッとできました。

  • ネット好きの人には刺さります!
    コメディだけど心が温まっちゃった!
    鉄平推せます\(^-^)/

  • Kindle Unlimitedにあったので何気なく読んでみたのだが、めちゃくちゃ面白かった。チャンネル登録者数60万人の人気YouTuber「ジョン」が「悪徳業者に電話してみた」という動画を撮って架空請求業者の男(栗山)との電話のやり取りを配信するところから始まるのだが、その後の展開がまさにジェットコースターのように目まぐるしく、ジョンVS栗山を軸にジョンの妹とその友人のサイドストーリーも読みごたえがあったし、何より最後は「正義」について思わず考えてしまった。

  • フォローしてる方が大絶賛されていたので読んだ。人格が壊れて行く純にハラハラしながらもはちゃめちゃな展開に付いて行くのは正直キツかったが、ラストは感動した、このラストの為の前半と納得した。

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著者プロフィール

染井為人(そめい・ためひと)
1983年千葉県生まれ。芸能プロダクションにて、マネージャーや舞台などのプロデューサーを務める。2017年『悪い夏』で横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞しデビュー。本作は単行本刊行時に読書メーター注目本ランキング1位を獲得する。『正体』がWOWOWでドラマ化。他の著書に『正義の申し子』『震える天秤』『海神』『鎮魂』などがある。


「2023年 『滅茶苦茶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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