永遠についての証明

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  • KADOKAWA (2018年8月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784041072196

作品紹介・あらすじ

特別推薦生として協和大学の数学科にやってきた瞭司と熊沢、そして佐那。眩いばかりの数学的才能を持つ瞭司に惹きつけられるように三人は結びつき、共同研究で画期的な成果を上げる。しかし瞭司の過剰な才能は周囲の人間を巻き込み、関係性を修復不可能なほどに引き裂いてしまう。出会いから17年後、失意のなかで死んだ瞭司の研究ノートを手にした熊沢は、そこに未解決問題「コラッツ予想」の証明と思われる記述を発見する。贖罪の気持ちを抱える熊沢は、ノートに挑むことで再び瞭司と向き合うことを決意するが――。
冲方丁、辻村深月、森見登美彦絶賛! 選考委員の圧倒的な評価を勝ち取った、フロンティア文学賞3年ぶりの受賞作!

感想・レビュー・書評

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  • マリモさんの書評を読んで手にしました。

    瞭司の命を削って出来たプルビス理論。この理論の為に瞭司は生まれてきたのかと思ってしまう。ここまで捧げないと理論と言うのは見えないのか。

    熊沢と佐那、小沼先生に出会い同じ言葉が通じて無邪気に喜ぶ瞭司が孤独に苛まれていく姿をみるのは辛い。
    でも自分が熊沢と佐那と同じ立場だったとしても同じようなことしか出来なかっただろうなと分かるからなおさら辛い。
    ただ数学をしたかっただけ、そんな無邪気で少年のような瞭司は自分を受け入れてくれない状況には弱かった。
    こんな状況は実際にもあるんじゃないかと思ってしまった。
    天才は生活なんてせずに天才を続ければいい。生活なんて凡人がすればいい。
    こんな住み分けができればいいのに

    • マリモさん
      raindropsさん
      こんばんは!コメントありがとうございました。
      私のレビューから読んだ下さったとのこと、とても嬉しいですー。
      アルコー...
      raindropsさん
      こんばんは!コメントありがとうございました。
      私のレビューから読んだ下さったとのこと、とても嬉しいですー。
      アルコールに浸かりながら、自分だけが見える世界に孤独にのめりこんでいく姿が痛々しくて。
      私も、自分でも熊沢たちと同じように逃げてしまっただろうなと思ったんですね。それでも彼には誰か理解者がそばにいてあげてほしかったとも。
      切ないお話でした。
      2023/10/09
    • raindropsさん
      マリモさん、コメントありがとうございます。
      自分だけが見える世界を言葉にするにはアルコールがなければ無理だったんだろうか、と思ってしまいます...
      マリモさん、コメントありがとうございます。
      自分だけが見える世界を言葉にするにはアルコールがなければ無理だったんだろうか、と思ってしまいます。そうだったら悲しい。
      アルコールが理解者の代わりになってしまったんですね。
      本当に切ないお話でしたね。
      2023/10/10
  • 主人公瞭司の孤独が痛いほど伝わってくる物語でした。
    数学が好きすぎて天才すぎて、友達や先生から理解してもらえず独りぼっちだった瞭司。でも、大学で出逢った友達と恩師と、初めて対等に話をすることができきるようになる。瞭司の幸福感がこちらにも伝わって頬が緩みました。瞭司の青春はここから始まるのだ!と。
    けれど、あまりにも才能がありすぎる人は、周りの気持ちを歪ませてしまうことが少なからずあるのかもしれません。距離が近ければ近いほどあるのかも。
    そして、瞭司自身にも視野の狭さがあったのかもしれません。
    歯車が狂い始めてからは本当に辛い展開に……。
    瞭司の孤独も、周囲の人達の嫉妬や罪悪感も痛いほど共感できます。だからこそ、読んでいて辛いですね……。

    • 1Q84O1さん
      ほんとですか…?
      ちょっと混ざってますか…?
      ( ̄ー ̄)ニヤリ
      天才の血がなくならないように出血には気をつけます!
      ほんとですか…?
      ちょっと混ざってますか…?
      ( ̄ー ̄)ニヤリ
      天才の血がなくならないように出血には気をつけます!
      2025/03/31
    • こっとんさん
      あ!
      鼻血が出てますよ!
      あ!
      鼻血が出てますよ!
      2025/04/01
    • 1Q84O1さん
      やべ!Σ(゚Д゚)
      天才の血が…
      舐めてとこっと!
      やべ!Σ(゚Д゚)
      天才の血が…
      舐めてとこっと!
      2025/04/01
  • 天才数学者の瞭司、ひらめきはピカイチのようで、見えてる世界が異次元すぎて予想を証明するのは万人にも理解できる次元まで下ろして見えるようにする努力が必要なようで何言っているのか実際のところ解りませんでしたorz
    雰囲気は伝わってくるのですけど、コミュ症の私が言うのもなんですが人間性に問題あるようで取り憑かれちゃった孤独感が凄かった。
    誰も彼を救うことができなかったのに、誰かの希望にはなるんだろうか不思議な話でした。

    • つくねさん
      本とコさん、かなさん、こんばんわ

      誰も証明していない問題を証明したりとロマンありますね。
      うちの家計簿は三大悲劇よりも泣けてきますよ...
      本とコさん、かなさん、こんばんわ

      誰も証明していない問題を証明したりとロマンありますね。
      うちの家計簿は三大悲劇よりも泣けてきますよっw

      2024/12/15
    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      働けど働けど我が暮らし楽にならざり、ぢっと手を見る
      年の瀬なのに、通帳の数字は一握の砂の如き…
      働けど働けど我が暮らし楽にならざり、ぢっと手を見る
      年の瀬なのに、通帳の数字は一握の砂の如き…
      2024/12/15
    • つくねさん
      本とコさん、こんにちわ

      石川啄木ですね。
      清貧さがにじみ出てるけど実際の暮らしぶりとはギャップのあり
      放蕩の限りだったようですね。...
      本とコさん、こんにちわ

      石川啄木ですね。
      清貧さがにじみ出てるけど実際の暮らしぶりとはギャップのあり
      放蕩の限りだったようですね。
      啄木が現在にいきてたらネットで叩かれちゃうでしょうねw
      天才の感覚は常人には理解できない感じですww
      2024/12/16

  • 『文身』に衝撃を受け、こちらも手に取りました
    岩井圭也さんのデビュー作だそうです


    数学者の話ですが、数学はすっかり忘れ、、、いや覚えていたとしてもちんぷんかんぷんだったと思いますが。そんな私でも問題なく読めました!ボリュームも程よいです




    天才的な数学の才能を持つ三ツ谷瞭司

    天才っぽい思考がなかなか面白い

    なんでみんなが驚くかわからない
    普通のことを言ってるのに怒るのがわからない
    そういう感覚は面白いです



    でも天才が故に抱えてしまう孤独

    どんどんみんなが離れていき、孤独に追い詰められていく瞭司の姿がとても痛々しく、辛かったです

    それは自分しか見えない景色があって、他人には理解できないからかもしれません
    学者だから、同じものを目指す者だからこそ
    嫉妬や羨望が生まれるのかもしれないですが
    共感や寄り添いが必要な私には生きるのは辛い世界だなと思いました。



    出てくる単語は全然わからない!!
    わからないのに読み進められる不思議を体験しました。笑
    数学の没入感を少し体験できた気がします
    全然知らない世界を知ることができました(^^)


    もう少し岩井さんの世界を楽しみたいと思います♪

    • どんぐりさん
      一休さん

      ですよねーψ(`∇´)ψ
      数学者の感覚自体が未知でした!
      一休さん

      ですよねーψ(`∇´)ψ
      数学者の感覚自体が未知でした!
      2024/06/25
    • かなさん
      どんぐりさん、おはようございます。
      岩井圭也さん、読みたい読みたいんですけど
      もうちょっと先になりそうです(^-^;
      先に読んで待って...
      どんぐりさん、おはようございます。
      岩井圭也さん、読みたい読みたいんですけど
      もうちょっと先になりそうです(^-^;
      先に読んで待っていてくださいね!!
      でも、私も数学苦手…というか数字がダメ、なんで
      心配といえば心配ですけど…。
      2024/06/25
    • どんぐりさん
      かなさん こんばんは♪

      私でも読めたからかなさんは大丈夫だと思いますψ(`∇´)ψ

      数学の単語はなんか呪文のようで
      理解できなくても読め...
      かなさん こんばんは♪

      私でも読めたからかなさんは大丈夫だと思いますψ(`∇´)ψ

      数学の単語はなんか呪文のようで
      理解できなくても読めちゃうんですよ!!
      2024/06/25
  • 第9回野生時代フロンティア文学賞受賞

    天才的な数学の才能を持つ、三ツ矢暸司は、特別推薦によって、協和大学の数学科に入学する。同じく、特別推薦で入学した、熊沢勇一、斉藤佐那と共同で、日夜数学に挑み、「二十一世紀のガロア」と呼ばれる程の成果を残した。
    しかし、仲間達が、彼の周りから去り、その寂しさを酒に紛らす様になる。仲間のいなくなった今、数の拡張という難事業に立ち向かうには、アルコールの力が、不可欠だった。

    雲を表す式を応用すれば、波になるかもしれない。
    雪を表す式を変形すれば、森になるかもしれない。

    とても、理解できない。

    「どうしても解けない問題があっても、死ぬまでに解ければ良い。何回でもチャレンジすれば良い。
    それに、自分が解けなくても、他の誰かが解いても良い。だから、そもそも、問題を解くことに、挫折はない」という暸司。
    そんな、暸司が、なぜ、酒に溺れてしまったのか。
    ひたすら数学だけを見つめて生きてきた、彼の不器用さか、寂しがりの性分がそうさせたのか。

  • ブク友さんのお陰で知ってから好きになり、その後何冊かの作品を読んでいる岩井圭也さん。
    この本がデビュー作なんですね!

    いま色んな設定の作品を書かれていますが、どれも繊細な人物描写が素晴らしいので、益々好きになっています。

    この作品は、大学の研究室という環境下での数学者たちの物語。求められる成果や競争の中で、孤独やライバル心、自分とのたたかいが描かれたもの。
    博士課程の論文執筆の過程で、暸司と同じように依存症になってしまった人を知っているだけに辛い部分もありました。

    • どんぐりさん
      は!

      ちょうど図書館から届きましたよの連絡が来ました!なんてタイムリー╰(*´︶`*)╯♡

      という喜びのコメントです♪
      は!

      ちょうど図書館から届きましたよの連絡が来ました!なんてタイムリー╰(*´︶`*)╯♡

      という喜びのコメントです♪
      2024/06/19
    • koalajさん
      どんぐりさん
      あら、まあ!偶然ですねー♪
      岩井圭也さん…いま好きな作家さんの一人です。
      どんぐりさん
      あら、まあ!偶然ですねー♪
      岩井圭也さん…いま好きな作家さんの一人です。
      2024/06/19
  • 数学のことは1ミリも理解出来なかったけれど笑

    天才的な頭脳を持ち孤独の中で人生を終えた瞭司
    その頭脳ゆえに人に理解されない苦悩
    皆からの羨望や嫉妬
    なんだか切ない一冊でした。゚(゚´ω`゚)゚。

    残された者達はそれぞれ何かしらの罪悪感と共に
    瞭司はみんなの心に生き続けるんだろうなぁ…

    • bmakiさん
      わぁーいo(^▽^)o
      みんみんさんも商業だぁ♪
      この春から、何故か日商簿記2級持っている人は、月給3000円増えることになりました♪
      本が...
      わぁーいo(^▽^)o
      みんみんさんも商業だぁ♪
      この春から、何故か日商簿記2級持っている人は、月給3000円増えることになりました♪
      本が買えます〜(*´∇`*)商業万歳♪
      2025/04/28
    • 土瓶さん
      |д゚)
      |д゚)
      2025/04/28
    • みんみんさん
      Σ(゚д゚lll)
      Σ(゚д゚lll)
      2025/04/28
  • とても美しい世界が広がっていました。見えないはずの数学の世界。それが見えるように感じてしまう。そして、数学に魅せられた友人同士の想いが、その世界をさらに美しく彩っていました。

    数学の天才少年と、同期入学した二人の秀才たち。未解決問題の一つであるコラッチ予想の証明に夢中になる三人の18歳から30代半ばまで。数学の解が「見えてしまう」天才の瞭司。現実的にものを考える秀才の熊沢。そして、様々な才能に恵まれた自由人の佐那。個性の全く違う三人が、それぞれのやり方で一つの真理に向かっていく ひたむきさが眩しい!

    ため息が出てしまった箇所があります。「テストで解けなかった問題とかないのか?」と熊沢が瞭司に訊くところ。瞭司は「ない」と間髪を入れることなく答えます。「テストの問題って答えがあるでしょ。答えがあるってことは、すでに誰かが解いてるってことだよね。なのにどうして僕が解く必要あるのかなっていつも思う」天才の頭の中ってこんな感じ? それを引き出してしまう岩井氏もすごい、と変なところで感心。

    数学の話ができる友人との出会いに、三人が心を躍らせてから十数年。別々の人生を送りながら、それぞれに経験や知識を得て、数学の光の中で絡み合う最終章は圧巻でした。そして、これで最後と思った後の展開が素敵。ふわ~っと希望の粒が舞い落ちてきたかのようなエンディング。

    Naotyさんがずっと岩井氏を追いかけてらした理由が分かりました。私もしばらく付いて行きます。

    • 1Q84O1さん
      Naotyさんに続いてyyさんも岩井祭りか!?
      楽しみ〜((o(´∀`)o))ワクワク
      Naotyさんに続いてyyさんも岩井祭りか!?
      楽しみ〜((o(´∀`)o))ワクワク
      2025/05/01
    • yyさん
      1Qさん
      1Qさん
      2025/05/02
    • yyさん
      おっと!
      私のスマホ、途中でストライキする
      ꒰(>ㅿ<;;)꒱
      私もNaotyさんに続きます。
      わっしょい !! *\(^o^)/*
      おっと!
      私のスマホ、途中でストライキする
      ꒰(>ㅿ<;;)꒱
      私もNaotyさんに続きます。
      わっしょい !! *\(^o^)/*
      2025/05/02
  • 数学に疎すぎて、この小説の良さが半分もわかっていないと自覚しながら読んだ。
    天才数学者の瞭司の数学への愛情。それが深すぎるが故の苦悩が、後半は特に辛かった。
    数学という学問を通して、美しさと苦しさ…相反するものを見せられたような気分。

  • 完全断固たる文系ですが、数学ができる世界とはこうも美しいのかと、惚けてしまいます。
    でも、突出した才能というのは、辛いものなんですね…
    共有できない世界観、伝わらないもどかしさ、否応なしに向けられる嫉妬。
    後半は苦しさで痛々しかったし、他の仲間が憎かったw
    瞭司にも幸せになってほしかった…
    みな、瞭司を讃えよ!
    そして、少年を守れよ!

  • どなたかの本棚を見て図書館予約

    数学音痴のバーさんに
    読めるかなあとこわごわページを繰った

    それは杞憂
    数学はなんて美しくて孤独なんだろうと
    引き込まれました

    Proof of Eternity

    登場人物は秀才
    そして 天才
    人とつながりたくてどうすればいいのか分からなくて
    もがきながら死んでいく
    たまりませんね
    でも、ノートは残った

    お若い作者のご活躍を期待しています

    ≪ 永遠を 証明するのだ 数学で ≫

  •  ある一人のずば抜けて天才の数学者と、優秀な数学者二人の友達、恩師の先生の話。
    数学は好きだけど、文系の私にはあまりにもわからなさすぎて、数学の詳しい所は深入りできないし、そもそも何をいっているかまるでわからかった(´∀`=)けれど、それでもやめられなくなる面白さでした。

    天才というのは、人が見えていない景色がやはり見えているものなのでしょうか?嫌な奴だったら、一人で悦に入って突き進む場合もあるのかもしれないけれど、この主人公は純粋で、ただただ数学が好きで、初めて数学の話が通じた場所で、友達と数学の話をしながら共に考えるのが楽しくて仕方ない愛すべき青年。

    次第に友達や恩師と、離れていき、孤独感を募らせ、数学者としての焦りもあり、壊れていってしまいます。友達の気持ちもわかるし、天才本人の気持ちも想像はできる。

    天才数学者のみる世界をほんの一瞬でいいから見てみたいと思いました。きっと、そこは、自然が豊かで光に溢れている、人間の手の及ばないところなんでしょうね。

    一気読みでした。恩師の小沼先生が特に好きでした。

  • 数学上の予想に取憑かれた天才瞭司の友情と絶望と死。(熊沢の平賀教授への傾倒に苛立。)贖罪から熊沢は亡き瞭司の理論研究を引継ぐ。亡き友は理論の中で生きる。悲しみの中に希望が見えた。

  •  初めての作家さん。というのも当たり前で、これがデビュー作。本当にこれがデビュー作?と思わせるストーリー構成とその内容に舌を巻いてしまった。

     天才数学家の瞭司は、小学生の頃に数学に目覚めてからは数学にしか興味がなくなってしまった。捲し立てるように数学についてばかり話す瞭司から同級生はみんな離れていってしまう。教師を上回る才能に、やがて教師からも疎ましく思われ、完全に孤立してしまう。
     高校生になった瞭司。瞭司の才能に気付いた先生が、知り合いの大学教授の小沼に瞭司のことを紹介すると、特別推薦生として大学に入学することになる。そこには瞭司の他にも特別推薦生の熊沢と佐那がいて、瞭司は初めて語り合える人と出会うことができ、喜びを感じていた。熊沢と佐那を初め、周りの人たちは瞭司の才能に嫉妬を感じながらも瞭司のことを認めていく。
     やがて瞭司の才能は、教授である小沼までもが嫉妬を抱くようになり、小沼は現役に戻りたいと瞭司から離れていき、佐那や熊沢までもが離れていくことになる。

     数学会を大きく揺さぶる論文を残し、若くして亡くなってしまった瞭司。瞭司を救えなかった後ろめたさを抱えながらその論文を読み解こうとする熊沢。熊沢を通した現在と、瞭司を通した過去の世界が交互に繰り広げられていく。

     数学に関してはチンプンカンプンな私でも大いに楽しむことができた。瞭司が大学生の頃は、やっと瞭司も報われたなあと嬉しく思ったが、その才能ゆえにまたしても瞭司は運命に翻弄されていってしまう。
     これまで辛い思いをしてきたのに、なんでまたこんな思いをしなければならないのかと、暸司の境遇に打ちひしがれた。
    ラスト。やっと、本当にやっと瞭司が報われたんだと、数学を通して瞭司の存在そのものを証明できたんだと胸が熱くなった。それも、一番大切だと思っていた友達の手で。そして、田中からのプレゼントがまた素敵だった。
    3人が出会った頃のような爽やかな風が、心の中で優しく吹いた。

  • 数学の世界に導かれた1人の天才と、彼を取り巻く人々の話。

    えてして、何かに突出した才能を持つものは他のことが見えなくなってしまうものらしい。
    この作品は数学のレース模様のような繊細で巧妙な美しさだけではなく、
    そんな残酷さも表している。

    読み終わって希望よりも切なさが勝ったけれど、良書であることは間違いないです。

  • 高校以来、数学とは無縁の生活をしてきた。数学の証明、と言われても中学の頃の三角形の合同くらいしか覚えてもいないから、作品に登場するコラッツ予想だとか フラクタルの基本公式、超弦理論…とか想像すらできないレベルで、イメージもしづらかった。だけど、才能に恵まれた天才ゆえの苦しみや孤独の悲しみがすごく伝わってきて辛い気持ちになったりした。

  • 第9回野性時代フロンティア文学賞受賞作品。数学で天才的な才能を持つ瞭司。特別推薦で大学に入るが、その才能に周囲は驚きと嫉妬を隠せない。同期の熊沢、佐那とともに難問に挑んでゆくが、天才であることで、本人にその気は無くとも人間関係は歪んでしまう。味方がいなくなり、孤独のまま瞭司は難問の証明を試みるがアルコールに身体を蝕まれ、若くして亡くなる。17年後、熊沢は彼のノートを遺族から受け取り…。
    最初からすぐに引き込まれた。比喩など含め、若さ、みずみずしさ、表現がとても素晴らしい。森の中、星を見るシーンなどその空気を感じました。輝いていました。破滅に向かうところと、瞭司に対しての教授の、特に熊沢の心を対比してよく書けてて、内容も良かったですがその文章に圧倒的にやられました。

  • 本屋で表紙は見たこと有ったんですが、わけわかんないイケメン兄ちゃんがドヤ顔で写っているわ、妙にキラキラしているのでてっきり自己啓発本めいた小説かなんなんて思ったのでスルーしていました。まさかこんなにいい本だったとは。完全に盲点でありました。
    先日剣道表紙に惹かれて読んだ「夏の陰」が個人的にツボだったので、他も読んでみようと思ったらなんとこのキラキラ表紙。おいおいって思いました。
    数学界を舞台にした青春群像劇なのですが、秀才の悲哀と天才の絶望を両面から書いていてメチャクチャ切ないです。
    自分の突き進むべき道に誰の足跡もついていない快感。そして誰も理解者がいない圧倒的な孤独。天才の影になり嵩む劣等感と妬み。天才の限界を見たと感じた時に湧きおこる醜く昏いよろこび。
    天才と秀才、秀才は天才の才能が得られるのならば悪魔にだって命を売っただろうし、天才は秀才の心が理解できないままにいつまでも一緒に居られると信じた。先駆者の圧倒的な孤独。それを受け止められなかった悔恨が読者にも伝わってきます。
    フェルマーの最終定理も何言ってんだか分からないけどめちゃくちゃ面白かった。これもまた数学なんて全然分からなくて大丈夫。絶対面白いから。
    それにしても数学って人間臭い学問なんだなあって、フェルマーの最終定理の時に思いましたが、これ読むと猶更思います。
    所で結構売れた本だと思うのですが、2作目が剣道って売れ線絶対はずしてる気がします。僕はうれしかったけれど、世間的にはマーケティングの失敗だったりしないのでしょうか。次次回作も期待大。



  • 切ない。辛い。

    物語が少しずつ破滅へと向かっていく様が、本当に辛く悲しかった。

    瞭司の回りの環境があと少しでも彼にとって恵まれたものであったら…。
    誰かが彼に寄り添えていたならば…。


    圧倒的な才能、嫉妬、地位、名誉、焦り、それらと反比例する瞭司の純粋さ。
    全てが悪い方、悪い方へと進んでしまった。

    ラストは明るさが垣間見える終わり方だったけれど、それであってもそこへ繋がる悲劇の大きさに心が大きく揺さぶられる。

  • コラッツ予想の一般証明は誰かに任せて、個別解計算にドハマリしています。それは本書を読んでから。任意の数列を目にするたびごとに自動的に計算プログラムが起動するほどになりました。内容はさておき(楽しく読んだ憶えあり)、強く影響を受けた本と胸を張っていえます。大学受験数学を乗り切れたのは本書に拠るところが大きいかもしれない。

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著者プロフィール

いわい・けいや 小説家。1987年生まれ。北海道大学大学院農学院修了。2018年『永遠についての証明』で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞(KADOKAWAより刊行)。著書に『文身』(祥伝社)、『水よ踊れ』(新潮社)、『この夜が明ければ』(双葉社)などがある。

「2021年 『人と数学のあいだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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