記憶の渚にて (角川文庫)

  • KADOKAWA
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本棚登録 : 251
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041073070

作品紹介・あらすじ

世界的ベストセラー作家の兄の不審死と遺された謎だらけの随筆。記憶とは食い違う原稿の真実が明かされるとき、“世界”は大きく揺らぎはじめる――。

感想・レビュー・書評

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  • 記憶の渚にて

    1.物語
    10年以上、付き合いがなかった兄と弟の対面が果たされます。
    兄が自宅で自殺したことによる確認と引き取りです。
    弟に連絡をした女性は偽名かつ住所も架空でした。
    謎解きの始まりです。

    2.物語の結末
    1.のとおり、物語はミステリーで始まります。
    しかし、終わりは、本の装丁のとおり、桜の木の下のシーンです。
    しかも、犯人は、、、???と読者側の疑問を残す形で終わります。

    ミステリーで始まり、その事件の動機から別の方向性で展開するのは、理解はできるが、難解でした。

    3.難解な理由
    登場人物は10人を超え、かつそれぞれ役割があり、さらに血縁で絡んできます。

    家系図が巻末にあれば、解像度が少し高くなり、楽しめたのかもしれません。



  • 面白かったのかどうかは正直わからない。
    登場人物が多くて、時間も飛ぶ。
    関係図を書きながら丁寧に読んでいってようやく消化された感じ。
    1番印象に残ってるのは味噌おでんがすんごくおいしそうってこと。白石さんの料理の書き方はほんとすごい。

  • あまりにいろんなことが起こり、しかも主人公が入れ替わり、たくさんの人が出てきて、その上現代と過去が入り組み...こんがらがってなんだか良くわからないまま読了。
    著者の言いたいことはわからなくもないけど、小説として楽しむには難解です。
    読むなら一気読みをお勧めします。私は寝る前に30分ずつ読んでいるので複雑なストーリーに読み返しながらで時間がとてもかかってしまいました。

  • 数ある白石作品でも「見えないドアと鶴の空」系のちょっと不思議系な内容の作品ですが、二部後半三百九十六頁あたりと三部八項に題名にもなっている「記憶」に関する作者の論考が非常に面白いです。「どれくらいの愛情」に収録されている「ダーウィンの法則」でも主人公の所見の程で「セックスレス」に関して白石一文先生の論考が語られています。こういう書き方って面白いです。絶対的な答えのない命題に対して自説を、自身が綴る物語に織り交ぜて紡いで作品に仕上げるなんて四苦八苦していても書きながら笑っていそうです(笑)
    三分構成の物語で一部はこれまで通りの白石作品ぽい感じ、二部では主人公も変わり横溝ミステリーテイストな味付けで、三部で伏線を一気に回収してる手腕はさすがです。まぁ些か強引な感じは有りますが、よくぞまぁこんな物語を考え出すもんですねぇ〜
    これまでの白石作品とは少し毛色が違ってはおりますが、面白い作品でした。

  • 小説を読みながら、まるで映画を見ているかのように情景を思い浮かべることが、楽しいこの頃。その映画をより深層まで表現するために、現実での体験が必要になってくると思う。生活地域での経験や人との関わりでの経験等を重ねれば重ねるほど映画で細かい描写ができる。だから年齢を重ねることで小説の感じ方が変わるのだと思う。

    白石一文さんの作品に少しだが、実家である清瀬市が出てきたことに感動しました。
    没入感が半端ない作品。

  • 登場人物が多く、後半はどんどん複雑な繋がりが出てくるのでしっかり読まないと混乱する。白石一文の作品は謎が解けたんだか解決したんだか何だか曖昧というかふわっと終わることが多いのだが、独特の人生観やこの世というものの捉え方が面白くてつい読んでしまう。

  • 文章はおもしろく先が気になり読み進められるけれど、話の内容が抽象的。なんだか変な話だなあというのが率直な感想。

  • 白石一文の超長編。時間と空間を駆け巡るミステリー。登場人物が多くキャラが立っていないため、ストーリーに入り込めない。

  • 酷評レビューがあったけどこの作者さんの本なら面白いかもと読み始め、最後にはレビューに納得。

    前半はスルスル読めるけど、後半はとにかくスピリチュアル系。
    「記憶」がキーになってるんだろうけど、スピリチュアルに興味がない身からすれば、読んでも「は?」以外の感想が持てない。ここまで読んだんだし結末まで、と読み進め、読了後には「時間かかった割に面白くなかった」としか思えない。

  • 見渡す限りの草原が広がっている。私たちは、私たちとして私たちの場所に帰ってきたのだった。まるで海だと思う、この草原ははてしなく続くいのちの海だ

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著者プロフィール

白石 一文(しらいし・かずふみ):1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋勤務を経て、2000年『一瞬の光』でデビュー。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で第22回山本周五郎賞、10年『ほかならぬ人へ』で第一四二回直木賞を受賞。著書に『不自由な心』『すぐそばの彼方』『僕のなかの壊れていない部分』『草にすわる』『どれくらいの愛情』『この世の全部を敵に回して』『翼』『火口のふたり』『記憶の渚にて』『光のない海』『一億円のさようなら』『プラスチックの祈り』『ファウンテンブルーの魔人たち』『我が産声を聞きに』『道』『松雪先生は空を飛んだ』『投身』『かさなりあう人へ』『Timer 世界の秘密と光の見つけ方』等多数。

「2024年 『代替伴侶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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