- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041073261
作品紹介・あらすじ
「憑きもの」を宿す少女は、病室に収容されていた。精神分析医はその正体の追求を試みるが……。表題作のほか「岬にて」「すぺるむ・さぴえんすの冒険」「あなろぐ・らう゛」を収録した、衝撃のSF短編集!
感想・レビュー・書評
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今読んだも新鮮な名作四篇。表題作は1番かっこいい日本SFだと思う。あと小松左京の文章力はすごいと思う。
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日本を代表するSF作家ということで、職場のおじさんが貸してくれた短編集。
ジャンルとしてはSFホラー。
悪魔に取り憑かれた少女の周りで起こる怪奇現象を解明するために、彼女の心理内部にサイコダイブ、潜入し探る中で、ホラーと量子力学の宇宙の関係性に気がついていくという流れ。
レオナルドディカプリオ主演(渡辺謙共演)のインセプションという映画があったが、サイコダイブという点で似ているかな。
SFではあるが、ホラーと宇宙を繋げるというかなりの荒技に圧倒され、逆に疲れた…笑
しかしこれが1970年代の作品というのがかなり驚きだった。当時はまだブラックホールの構造などそれほど話題になってなかっただろう。
自分は宇宙論が好きなので、ある程度の予備知識があったから、何となく読めたが、そうでない人にはオススメできない作品です笑。 -
SFというより哲学小説、とても興深い作品。作者は渾身の力を込めている。
「岬にて」
孤島の岬で人生の終盤を迎える人々の姿に、宇宙とのつながりを見られるのか。
「ゴルディアスの結び目」
恐ろしいほどねじれてしまった心の闇、その固く複雑な結び目をほどくにはどうするのか、
時間をかけてほどいていくのか、刃物で断ち切ってしまうのか。
そこも宇宙のひとつなら、行ってみるしかない。
「すぺるむ・さぴえんすの冒険」
全地球の人々の生命を犠牲にすれば、絶対一人に授けるという「宇宙とは何かの悟り」
どちらを選ぶのか、するとどうなっていくのか。
「あなろぐ・らう”」
人間に備わっていると思われる「実在意識」はどこから来たのか?
宇宙からなのか。
茫漠広大な宇宙の中の銀河系の中ののひとつ太陽系にある地球がいずれ滅びるとき。
この最後の章のカップルの様子と景色の描写が美しい。
しばらくおいて再読することにしたい。 -
哲学的話もあり、何回も読んでも捉えるのが難しい。が、そこも含めて良い。小松左京はもっと評価・注目されるべき作家である。
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内容が難しかった。
10回くらい読まないと理解できない。 -
NHKの番組を見てたから場面をイメージできた。文字だけだったら辛いかも。
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八重洲BCの1Fワゴンにて発見。それっぽい帯だったけど、これも書店限定の復刊なんだろうか?
小松左京はご多分に漏れず若い頃に読んだが、最近はとんとご無沙汰だった。久しぶりに読んだけどやっぱりいいなぁ……。
収録作の中では『岬にて』が好きだ。 -
表題作は必読かも。日本の作家の手になる日本的SFの一つの極み。宇宙の中の人類という壮大なテーマを背景にしながら、何故かしら話がプライベート的な小さな空間に収まっていく。
でも法螺が吹けないなら、このプライベート感をギリギリまで突き詰めないと世界で伍していけない。もう半世紀近く前にそのことを本作は証明している気がする。 -
九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1439713
著者プロフィール
小松左京の作品





