手をつないだまま さくらんぼの館で

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 101
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041073902

作品紹介・あらすじ

ぼくらは、壊れても手をつないだままだった。
 あのとき、手をはなしてさえいれば――。
大学生で作家のぼくは、入院した遠縁のおばあさんの家……白い桜の木がある、アニメに出てきそうな洋館・「白桜館」の管理を任された。そこにりりなと称する謎の多い10歳の女の子が現れ、彼女の世話をすることに。わがままなりりなの世話と執筆に追われつつも、いままで感じたことのない満たされた毎日を送る僕。しかし、あたたかい二人の日々は唐突に終わった。それがお別れになるとは知らず、二人が向かった先とは?りりなの本当のすがたは? 愛する人の喪失、自分自身の喪失、絶望の淵に落ちても、それでも生きていこうと思えたのは、亡き彼女からの贈り物だった。

感想・レビュー・書評

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  • するするサクサクと読めるお話やった。
    児童文学作家さんとのことで、とっても読みやすい、優しいふんわりとしたお話やった。
    颯太が頑張って前をむいて歩けていけますよぉに。

  • 著者は多くの児童文学作品を排出なさっているだけあって、物語のベースを優しく進めている。
    しかし、その優しさに甘え過ぎていまったのか、大きなしっぺ返しを食らってしまった。
    その根底にあるものは、文学の普遍的なテーマだったからである。
    とにかく読みやすく、大人のための童話であり、考えさせられた。

  • 前半はのんびりした大学生の作家が、ひょんな事から雰囲気ある屋敷に住むことになり、そこへ不思議な女の子が訪れて、だんだん心が通いだし…ほのぼのなお話かと思いきや…後半は意外な事実が明らかに。ネタバレするといけないので感想が書きずらいが、心って喪失感って、乗り越えられるものかな…。

  • 読み終えた時すーっと心に染みた作品でした。

    〝無理に変えようとしないから悩まないでいられるし、思い通りにならないからって怒らないから、自然体でいられる。〟
    こんな人でありたいと心から感じました。

    決まった家族のカタチも無ければ、決められた家族の幸せがある訳では無い。
    分かってはいるようでも実際に自分の身に起こらなければ自覚できないような事故や病気の現実を、今一度考えさせられる作品でした。

  • 20181110 読み始めたら止まらなくなった。ファンタジーの世界。男の希望としてはもっと違った結末を求めていたかもしれない。作者の冷静な判断が正しいのだと思うが恋について欲望を、抑えたストーリーがなんと無く物足りない。がだからこそノンストップでページをめくったのだと思う。

    20181118 実は今日、ブクログから献本で抽選に当たったとの連絡と現物が届きました。既に独自で買って評価と感想も書いているのでこれで勘弁してもらえますか。
    間違いなく良い本です。

  • 作者が「若おかみ」シリーズで小学生に大人気の作家で、この作品は初めての一般書として書いたという情報だけで読んだ。
    始めのりりなと颯太の部分は昔の少女マンガみたいで、正直「こんなもんか、やっぱり」と思いつつ読んだのだが、後半は良かった。
    ストーリーは大島弓子みたいだな(私としてはかなり褒め言葉)、と。(「金髪の草原」とか、黄金期の名作の雰囲気)終わり方は、ちょっと児童文学臭がしたけど。もしかして作者は大島弓子ファンなのではとすら思った。
    もう少し終わりの説教じみたところをどうにかしてくれたら、随分いいのではないかと。
    一般書とは言うけど、中高生でもいいと思う。(恋人が親のいない日に泊まりに来るシーンはあるけど詳しく書かれてはいない。)
    令丈ヒロ子のファンも成長してるからいい時期にこういう作品が出たな、と。
    元々のファンのためにも、セクシュアルな表現は抑え目にして、文学界の大島弓子を目指してください。

  • この本は何なんだ!
    ハンマーで打ちのめされ、マシンガンで吹き飛ばされる!!
    読後~何とも言えない気持ちになる!!!

    この子供はどうゆう子だ!
    頭に来る~~! と思っていたら
    後半まったく違う展開に突入!
    どうなるんだ!

    勇気をもらえた小説です。

  • 大学生作家の颯太は遠縁のおばあさんの家「白桜館」の管理を任される。白桜館での生活を楽しんでいたある日、おばあさんの孫だという10歳の女の子りりなが現れた。りりなは颯太にあれこれとワガママを言うのだった。

    白桜館でのほのぼのとしつつも、りりなとのドタバタな毎日を描いた作品。かと思いきや、物語は急展開を遂げます。白桜館での生活が理想であったからこそ、その後の展開のもつ意味が際立たされます。
    「喪失と再生」喪ったものはもう二度と手には入れられないけれど、完全に無になる訳ではないのかもしれない。起こったことはなかったことにはできない。記憶の奥に仕舞い込んでも、なかったことにはならない。喪ってもそこからまた新たなものを手に入れなければいけない。それは辛いことかもしれないけれど、そうすることによって喪ったものが消え去らずに永遠のものになるのだろう。

    理想として書かれる白桜館だけど、りりなは初めは颯太とぶつかり合います。りりなはワガママを言い、颯太はそんなりりなを疎ましくも思います。しかしお互いがお互いのことを知ろうとし、気持ちを伝え合うことでふたりの距離は縮まっていきます。何故理想の世界なのに、そんな手順を追うようなことにしたのだろう。そこに何か意味があるのではないか。それを考えた時にりりなという存在の理由が見えてきます。
    りりなは理想の象徴でありながら、理想の世界から颯太を切り離す存在でもあるのでしょう。理想の夢に居続けても喪ったものは戻って来ない。喪ったものを再生するためにどうすればいいのか。それを示す役割があったのかも知れません。

  • プロローグでなんだか可愛いなあと思う反面、少し怖い思いを抱きながら本文へ。
    穏やかなお話なんだと思いました。最初は。笑
    読み進めていくと、兄と恋人、大切な2人を失ってしまった颯太の事がどんどん分かっていきました…。
    それでもりりなは、那亜里は、颯太に強くなってほしいと伝えました。
    前半の夢は穏やかな日常のお話なんかじゃなかった。
    那亜里が伝えたかったことが詰まっていた。
    個人的に、颯太がバスの中で那亜里の最初で最後の本を読んでいるシーンがとても大好きです。
    虚しい切なさに晒されながらも、読みきりました。
    読み終わった後で、プロローグと書名の意味が分かり、とても苦しくなりました。

  •  意味のないことを、毎日やるというのはそれなりに頭も使うし、力も使う。
     風邪っぽくてシンドイときも、テンション低くてやる気ゼロのときも、悲しいときもつらいときも、根性を出してふざけた。
    (P.185)

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著者プロフィール

作家。大阪市生まれ。嵯峨美術短期大学(現・京都嵯峨芸術大学)卒業。講談社児童文学新人賞に応募した作品で独特のユーモア感覚を注目され、作家デビュー。おもな作品に、劇場映画にもなった「若おかみは小学生!」シリーズ(講談社青い鳥文庫)『パンプキン! 模擬原爆の夏』『よみきかせ日本昔話 おむすびころりん 』(以上、講談社)など多数。

「2021年 『ポケットはん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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