テレビ探偵

  • KADOKAWA
3.21
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041074107

作品紹介・あらすじ

1969年、人気絶頂のバンド「トレインズ」のボーヤ葛西靖之(チャコ)は、個性的なメンバーたちに振り回されていつも忙しい。ある日、楽屋で殺人未遂(?)事件が発生し--元気全開、昭和青春ミステリの開幕!

感想・レビュー・書評

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  • 1969年、イケイケで無類に楽しく、でもちょっといかがわしい、
    そんなテレビに誰もが夢中だったあの頃―コミックバンド「ザ・トレインズ」の
    ボーヤとなって芸能界入りした19歳の葛西靖之(チャコ)は、
    個性的なメンバーや業界人たちに振り回されていつも忙しい。
    ある日、トレインズに土曜夜8時の新番組を持つ話が持ち上がった。
    スターへの道が拓けたことを喜ぶ者、音楽に専念できないことを危ぶむ者…
    間で右往左往するばかりのチャコだが、
    そんな中、生放送中の舞台で殺人未遂(?)事件が発生し―。

    コントグループの見習いの主人公チャコが、
    彼らの周りで起こる芸能界の色々なスキャンダルを解決
    するため日々駆け回る。
    テレビ探偵というタイトルですが、ミステリーというより
    謎解き…その謎もすぐにわかっちゃうし解決しちゃう。
    小路さんらしい人情味のある安定の温かいお話でした。

    最初このグループは誰なのか?
    モデルは誰なんだろう…ってわかんなかった(笑)
    ドリフターズじゃないってわかった時、誰が誰なんだろう。
    このお話は本当のエピソードなのかなぁって、
    色々想像しました(*'-'*)エヘヘ
    ドリフターズってミュージシャンだったのですね。
    皆が互いを思い合って素晴らしいグループだったんですね。
    懐かしい昭和のテレビの世界を描いた優しいお話でした。

  •  いくつかある短編のうちはじめの二つのみ読了。昭和四十年代後半ごろの芸能界を舞台にした人情もの、ミステリー?
     ちょっと今は乗らなかったので、機会があればまた。

  • 1969年頃、バンドマン&エンターテイナーとして人気な、「ザ・トレインズ」のボーイの主人公がザ・トレインズのメンバー内で起こったことや、同じ時代に人気になったベテラン双子姉妹デュオの謎などを色々な人の協力のもと、解決する物語だった。
    昭和ならではの表現や当時の番組・テレビの視聴率を取るための工夫などが、ところどころ載っており面白かった。

  •  きちんと読んでみると史実とうまく同期している。
     ただし、探偵ではない。
     ドリフがモデルであるのは間違いないが、チャコは志村とは重ならないな。

  • 昭和のレトロ感あふれる、テレビ番組を巡る連作ミステリ。この時代を知っている人にはとても懐かしいんじゃないのかなあ。たぶん、某人気コント番組とか。現実のあれこれをいろいろ彷彿とさせられるような気がします。
    キャラのそれぞれが魅力たっぷりでいいなあ。「ザ・トレインズ」の面々はもちろんなのだけれど。タクシー運転手の堺谷さんがあまりに素敵すぎるでしょこれ!(笑) 「ハードボイルドよ永遠に」のあのシーン、かっこいいのだけれど抱腹絶倒でもありました。敵にとってはある意味的気の毒だったかも。

  • 昭和50年代のテレビが記憶にある年代なら
    出てくる誰もが当時の誰かで脳内再生される物語。
    これまたシリーズ化されそう。

    [図書館・初読・2月19日読了]

  • 懐かしい土曜日の夜。思い浮かべました。面白かった。

  • ・誰が見てもモデルは「8時だよ 全員集合」のザ・ドリフターズで、彼らの周囲で起こるトラブルをボーヤのチャコが中心になって解決の努力をする。
    ・もちろん、フィクションなのでこれらのできごとはなかったやろうし、あんまり意識しすぎてもアカンかな。でも一種のオマアジュではあるやろう。当時を知っている人のための作品とは言えそう。
    ・最初の話は、ゲストに人気アクションスターたちが来たとき起こった事故。
    ・双子の歌手の片割れが恋をしたがそのせいで姉妹の間がギクシャク。
    ・たいそうさんの家庭の事情と怪しい連中。
    ・ナベさんと人気アイドルの恋に新興宗教がからんで。
    ・ラストは事件でもないが最も大きなできごとが。個人的に、ドリフの中では注さんがいちばん好きでした。
    ・あっさりしたつくり。それはそれでいいかと。

    ▼トレインズについての簡単なメモ

    【安西キリエ】「スパイハンター」のアシスタント役。「キーハンター」でなら大川栄子さんかな。
    【石垣剛/いしがき・ごう】ドラマ「スパイハンター」の人気アクションスター。「キーハンター」時代の千葉真一さんのイメージかな。
    【上原麻里】人気アイドル。「土曜だ! バンバンバン!」にもよく出てくれコントの勘がいい。若干ズレがあるとは思うけど強いてモデルを探したら桜田淳子さんっぽい気はする。単に「駄目な女」シリーズ(相手は志村けんさんやった記憶があるけど)をやってて三人娘と呼ばれたアイドルってだけでストーリーとは関係ないけど。
    【小野次雄/おの・つぎお】たいそうさんの実父。
    【葛西保之/かさい・やすゆき】→チャコ
    【鹿島勇一】鹿島芸能事務所の社長。モデルは渡辺晋さんってことになるやろうけど?
    【鹿島芸能事務所】トレインズが所属する。ドリフターズはたしか渡辺プロやったからモデルはそこかな。
    【カルチェラタン】銀座一丁目にある店。洞窟を模した個室がいっぱいあって芸能人たちが内緒の話をすることができるようになっている。オーナーは理香さんの父、鹿島勇一さん。
    【カンスケさん】芸名は伴勘助、本名は幡随院勘之助。ザトレインズのリーダー。ミュージシャンとしてはベース。モデルがドリフターズだとしたらいかりや長介さん。
    【銀さん】トレインズのメンバー。いつもふてぶてしい。文学部出身の読書家でオリジナル曲の歌詞は全部銀さんが書いている。料理も上手い。ドリフターズでいえば荒井注さんか。ファンでした。
    【来垣伸子】「スパイハンター」の美人スパイ役。「キーハンター」でなら野際陽子さんかな。
    【ゲン】かつてカンスケのバンド仲間だった。銀さんより前から一緒にやっていた。
    【児島昌次/こじま・まさつぐ】たいそうさんの義理の父。実業家。
    【権藤久夫】「スパイハンター」のボス役。「キーハンター」でなら丹波哲郎さんかな。
    【堺谷/さかいや】ある事件で知り合ったタクシーの運転手。強そうやし、いろいろ頼りになる。
    【ザ・トレインズ】音楽グループ。お客さんを楽しませたい一念からエンタテインメントに力を入れた。各自の芸でお客さんを笑わせるのではなく皆で考え作品として組み立てていくという考え方。
    【東雲】鹿島勇一の秘書。
    【スイート・スリー】アイドルグルーブ。キャンディーズがモデルかな。
    【たいそうさん】トレインズのメンバー。本名は児島康一。ミュージシャンとしてはギターとボーカルでトレインズの中心。オリジナル曲も作曲している。ただ、華がない。名前からして、ドリフターズでなら仲本工事さんかな。
    【チャコ】主人公で語り手。最初十九歳。ザ・トレインズのボーヤ。本名は葛西保之。芸名は葛西チャコ。ドリフターズでいえば志村けんかなと思われるがキャラはだいぶ違う感じ。すわしんじさんでもなさそうやし。
    【土曜だ! バンバンバン!】トレインズが新たに持つことになった番組。子どもがターゲットでコント中心の生放送にしたいとマッケンさんは考えている。
    【ナベさん】トレインズのメンバー。ミュージシャンとしてはドラマー。ドリフターズでなら加藤茶さんかな。メンバー唯一の地方出身者。福島県。
    【ニック蒲原とニューバクスター】「土曜だ! バンバンバン!」のバックバンド。ドリフターズの番組でなら「○○とゲイスターズ」ってとこかな。たぶん「岡本章生とゲイスターズ」かな。
    【新田慎悟】元人気グループサウンズの「ザ・バーディ」の中でも一番だった、今でも人気のある歌手。たぶんモデルは沢田研二さんかな。
    【原研二】「スパイハンター」出演俳優。石垣剛の弟分。「キーハンター」でなら谷隼人さんの役回りかな?
    【ピーさん】トレインズのメンバー。本名は大木稔。ミュージシャンとしてはギター。それも一流。大卒で工学士の資格を持っている。子どもの頃からピーピーよく泣くからピーなんだとか。グループ最年長。ドリフターズでなら高木ブーさんかな。
    【フラワーツインズ】双子の歌手。モデルはザ・ピーナッツかな。
    【ボンボンサンデー】トレインズが出演していた人気番組。音楽メインだった。モデルは「シャボン玉ホリデー」かな。
    【マッケンさん】大松健吾。大角テレビプロデューサー。トレインズを見いだした。普段はがさつで大酒飲みの大飯ぐらいだが仕事では一流。
    【美子】ゲンの妻。
    【理香さん】マネージャー。鹿島芸能事務所の社長令嬢。チャコとともにトラブル解決に腐心する。

  • ドリフがモチーフの小説。
    若干キャラ立ちがあんまりで、ここ!ってところがない。
    が、まー、面白くなくもない。

    ドリフの裏側的なドキュメンタリーを昔見たことがあるがゆえ、やー、もっと壮絶よなー、と思ったりなんかして、微妙だったのかもしれません。

  • 8時だよ!〜に反応する方にオススメです!

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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