食いしんぼう同心 謎を食らわば皿まで (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041074275

作品紹介・あらすじ

例繰方の香川景蔵の許に届けられた文は、現実に起った事件を暗示したものだった。果たしてそれは犯人からの挑戦なのか。そして第2の謎文が届けられ──。知恵と力の同心コンビが江戸を奔る!

感想・レビュー・書評

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  • 「リサイクル資料」
    謎を食らわば皿まで ー 見習い同心野呂丈一郎シリーズ2作目《文庫本》
    2018.12発行。字の大きさは…小。2023.07.17~19読了。★★★☆☆

    南町奉行所の定廻り同心見習い野呂丈一郎の活躍の物語です。

    大柄でおおざっぱな丈一郎の親友で、丈一郎とは対照的に小柄で頭脳明晰な北町奉行所の例繰り方同心・香川景蔵が理不尽な恨みをかい、江戸の町を騒がせる悪党二人を二人が成敗する物語です。元定廻り同心の四男である内藤征四郎は、好きな女多恵が死んだのは景蔵のせいだと勘違いして景蔵を焼き殺そうとして捕まります。そして、征四郎の相棒で、盗人の娘で美しいお銀は、江戸の町に水を引いている神田上水(現在の水道)にトリカブトの猛毒をまき散らそうとして鉄砲組に撃ち殺されます。

    志木沢郁さんの本を読むのは2冊目です。

    【読後】
    筋書きは面白く、謎解きもよいと思います。主人公の野呂丈一郎と対照的な香川景蔵が面白いですが。奇をてらいすぎて物語を難しくしている。もう少し登場人物を絞って描いてはと思いますが、これはこれで面白いと思います。
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    同心見習い野呂丈一郎シリーズ一覧
    02.謎を食らわば皿まで 2023.07.19読了
    01.深紅の影      2023.07.04読了
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    参考
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    南町奉行所の定廻り同心見習い野呂丈一郎は、不器用で、大柄でおおざっぱで、無頓着であるが心優しい同心である。この丈一郎の親友に北町奉行所の例繰り方同心・香川景蔵がいる。景蔵は、小柄で、頭脳明晰で、覚えたことは忘れずコンピュータのように出てくる。丈一郎は、父親・野呂一郎兵衛が臨時廻り同心として出仕しているために見習いが外れない。
    ←第一話感想より抜粋。
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  • 例繰方同心の香川景蔵(かがわけいぞう)と同心見習いの野呂丈一郎(のろじょういちろう)のコンビが主人公。
    「食いしんぼう」という言葉が目に入ってしまい、つい手に取ったが、初めましてかと思ったらなんとシリーズ第二弾だった模様。

    どんどん時代小説に嵌まりつつあるが、今までは料理人もの、ファンタジー風ものものなど中心で、謎解きも素人探偵が解くようなものを読んできた。
    そして「食いしんぼう」にたどり着いたわけだが、こちらは、正統派というか、本格というか、昔ながらの時代小説だった。

    用語が江戸なだけで、私の好きな刑事ドラマそのもの。
    「足で稼ぐ」
    「事件が起こる前には動けない」
    「縄張り意識」
    「切れ者上司が自己判断で下っ端を配置」
    人気の刑事ドラマ2時間スペシャルっぽいお話でした。

    脳筋の丈一郎は、暑苦しくて力持ちの明るいキャラ。
    対して、文系の景蔵は“陰気な顔”と書かれる。
    2度目に書かれた時、「えー、そんな陰気な主人公って・・・」やだなー、と感じたが、3度目が書かれたら、もう素敵な個性に思えてきた。
    そして、今まで仕事で読んできた罪状の記録が脳内ですごい速さで再生されるとか・・・面白い!

    犯人から送られる文の謎解きも面白い。
    元から、江戸の判じ絵は面白いもの。

    ただし、一番活躍が目立っていたのは、丈一郎の上司の、鎌田栄輔(かまたえいすけ)さんだったような。
    この人の「足で稼ぐ」感がすごかった。
    聞き込みや、上に報告をあげる時、誰に通すか、誰を使うか、人選も的確。素敵でした。
    まー、丈太郎は「見習い」だから仕方ないですね。

    いいコンビだなーと思えてきたのに、二冊でシリーズ終了?残念。
    とりあえず、一作目を読まなくては。

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    作者は以前、学研M文庫の「結城秀康」がとても良かったので、時代小説の創作がある事を知って期待して手に取りました。

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著者プロフィール

東京生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒。卒論は『山本周五郎』。埼玉県内の公立高校の国語科教諭として勤務、のち非常勤講師として同じく埼玉県内の高校に勤務する。中学生より能楽(金春流)に親しみ、高校時代は弓道(日置流)、大学時代は狂言(和泉流)に打ち込む。2003年、『嶋左近戦記 信貴山妖変』で学習研究社の「ムー伝奇ノベル大賞」優秀賞を受賞。同時受賞者に誉田哲也がいた。以後、新しい研究を取り入れた歴史考証を基本とする史伝を中心に執筆、上梓する。作品に『立花宗茂』『上杉謙信』『真田信之』(いずれも学研M文庫)『仙石秀久』(PHP文庫)『光秀叛逆の血脈』(コスミック時代文庫)などがある。2012年より、より創作色の濃い作品にも活動の幅を広げ、江戸時代を背景とした「剣客定廻り」シリーズ(コスミック時代文庫)、『見習い同心捕物帳 深紅の影』『食いしんぼう同心 謎を食らわば皿まで』(角川文庫)を発表している。

「2022年 『二刀の竜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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