- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041074312
作品紹介・あらすじ
シリアの砂漠に現れた男。
旧日本兵らしき軍服に、五芒星が染め付けられた白手袋。
その男は、古今東西の呪術と魔術を極めた魔人・加藤保憲に、よく似ているように見えた――。
妖怪専門誌『怪』の編集長と共に水木プロを訪れたアルバイトの榎木津平太郎は、水木しげる氏の叫びを聞いた。
「妖怪や目に見えないモノが、ニッポンから消えている!」と。
だがその言葉とは逆に、妖怪が次々と姿を現し、日本は大混乱に陥ってゆく。
窮地に立たされた榎木津平太郎、荒俣宏、京極夏彦らの命運は!?
驚異の実名小説、ここに開幕!
<解説:朝宮運河>
感想・レビュー・書評
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妖怪専門誌「怪」の編集者である榎木津平太郎は、水木しげるから「鬼が妖怪をコロス」と告げられる。一方、駆け出しライターのレオ☆若葉は呼ぶ子を出現させる石を手に入れる。それと並行して、妖怪が現実のものとして現れるようになるが、それに伴って人間が少しずつ狂い始めていく。
帝都物語の悪役、魔人・加藤保憲の出現を機に、この世の理が捻じ曲げられていく。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とりあえず三部作の一作目。
なんだこれ?
名だたるホラー作家が実名で登場している。
妖怪が現代に現れ、世の中が大混乱。
水木しげるが憂い、荒俣宏が奮闘する。
会話文が多くて、今までの京極小説っぽさがない。
大御所がラノベ書いたらこんな感じなのか?それにしても語彙が多くて、会話文だらけの展開でもどこか新鮮で面白い。
端役だったけど、岩井志麻子が男性に刺されそうになって逃げてるところがツボだった。妖怪関係なく身の危険にさらされる女流作家。
黒史郎さんがいい人なのに貧乏くじ引くのがほほえましい。ダゴンみたいのに憑かれて可哀そう(だけど笑える)
ちゃんとした感想は最終巻まで読んでから。
今のところは面白い。バ●とか●ねとか中学生みたいな暴言多く、もしかしたら読む人選ぶ可能性はある。だが、私は好きな一冊。 -
京極夏彦の作品は結構読んだつもりだったけど、こんな現実の作家が登場する妖怪大暴れみたいな作品も書いていたとは知らなかった。お話と現実の境目を曖昧にして、どこからがお話かのあわいを楽しむ作品だと思う。
京極夏彦、荒俣宏、水木しげるなど登場したり、新幹線やSNSが出てくる(ついでに言うなら東日本大震災の原発問題も)現代。
榎木津、木場、青木などの百鬼夜行シリーズの登場人物の苗字を持つキャラクターも登場して(勿論年恰好も全く別の人)、ここで話題にのぼる「京極」は作家の京極夏彦か、京極堂の中禅寺秋彦なのか?と思いを馳せてしまうね。 -
初めての京極夏彦チャレンジでどうして上・中・下3巻続き物(しかもすごいぶ厚い)なんて選んでしまったんだ…
でも続きがすごい気になるので頑張って最後までは読み終わりたい。
確かに。最近の世の中は“怪異”だとか、“不可思議”だとか、そういった曖昧なものを許容する余地がどんどん無くなっていってて、最終的にそれが人と人同士の関係からも寛容さを奪っていってる気もしますね。
何でもかんでも見え過ぎてしまう世の中というのも考えものだなぁ、なんて思ったり。 -
日本に妖怪が次々姿を現す、序章。続きものなのでこの話は冒頭の話。
つまらないというわけではないのだけど、いまいちノリきれなかった。たぶん登場人物でわかる人が二人しかいなかったからかな。続きが気にならないわけではないけど、時間置いてみて買うか検討って感じかなあ。 -
実在の人物を登場させている、という意味では「京極版・ウロボロスの偽書」という感じでしょうか。
ただ、キャラクターがぶっ飛びすぎていて、会話のやり取りにちょっと付いていけない部分もありました。
中盤くらいまでは話がなかなか進まず、この小説はどこに向かって行くのかな、とも感じましたが、終盤になって徐々に盛り上がりを見せて来ました。
つまらなくは無かったですが、破、急、と読み進められるかな・・・。 -
実名出ちゃってるし、自分登場させちゃうし、面白おかしいです。どうやって収拾つけるのか、もう気になって気になって。
合巻版?心ひかれましたけど、電車で読むにはどう考えても、不向きでしょう。 -
後半になって、物語が一気にに加速する。ちょっとそんな物語の世界に身を置いてみたいと思ってしまう。
また、実名で出てくる人物像・社名が多いのでとてもリアリティーがあり、ああ、まさに「虚実」と思わされます。