- Amazon.co.jp ・本 (1392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041074343
作品紹介・あらすじ
「妖怪や目に見えないモノが、ニッポンから消えている!」
水木しげるの叫びとは逆に、日本各地に妖怪が現れ始める。
背後には、古今東西の魔術を極めた魔人・加藤保憲の影が……。
妖怪撲滅に動き出す政府。“妖怪狩り”を始める民衆。
虚構と現実が入り混じり、荒んだ空気が蔓延する中、榎木津平太郎、荒俣宏、京極夏彦らは原因究明に乗り出した。
多数の小説家、研究者などが実名で登場し、物語は驚異の結末を迎える!
※本書は『虚実妖怪百物語 序』『虚実妖怪百物語 破』『虚実妖怪百物語 急』の3冊を1冊にまとめた合巻版です。
感想・レビュー・書評
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日本を滅ぼすには、妖怪を滅ぼせばいい?
その目論見に、妖怪馬鹿たちが立ち上がるーーーのか??
虚実が混じり合って、何が嘘で何が実やら…妖怪大好きな人にぜひ読んでほしい、京極節満載の物語。
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好きだなー、このお話。ところどころクスクス笑いながら、極太本を楽しく読み終えた。
あの人が!あの人も!?(大好き小松和彦さんも!)
で、あのキャラが!!
と、実在のヒトたちがたくさん出演している。人気キャラクターも出てくる終盤は、まぁ笑った。
読後は祭りの終わりの一抹の寂しさ…水木しげるさんが亡くなっている今だから、一層寂しく感じる。
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余裕や遊びがないと、生きるのは難しい。
日本人が古くから、人生をどれだけ楽しみながら生きてきたかを知る物語でもあった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
単行本は三分冊だったのが、文庫では合本でも出た。そうこなくっちゃ。
1960年代の映画『妖怪百物語』とか『妖怪大戦争』へのオマージュかと思われたが、それなら子役時代の神木隆之介くん主演の2005年の映画『妖怪大戦争』で、京極夏彦も企画にかんでいる(妖怪として登場もしている)のでもう済ませてあるはず。それではこれは何か。
「虚実」とあるように、実在の人物と創作の人物がないまぜに登場する。とはいえ、評者は特に妖怪ファンというわけでもないので、登場する妖怪系や怪談系のライターたちがどこまで実在なのかよくわからない。もちろん水木しげる「大先生」は知っている。舞台の重鎮を締める天皇陛下みたいな役回りだ。たぶん執筆時にはご存命だったが、刊行時には文字通り鬼籍に入ってしまった。冒頭、榎木津なる青年が登場し、例の推理しない名探偵も登場するのかと思いきや、中禅寺とか京極作品の登場人物が一緒に活躍するというわけではない。
2005年の映画『妖怪大戦争』と同様、加藤保憲が日本を滅ぼそうと策をめぐらし、そして妖怪たちが姿を現して社会は混乱に陥るといったストーリーなのだが……
だんだん世論が厄介な妖怪を根絶やしにしようという方向に行って、何だか暮らしにくい世の中になって、これって安倍政権下の現代日本を皮肉っているようにも読める。
京極夏彦は「序」「破」「急」の「破」になるまで登場しない。登場するや、不思議なことなど何もない、妖怪など存在しないと、まあ「京極堂」中禅寺秋彦のようなことを宣うのだが、この小説はそういう小説である。妖怪関係者総出演のアヴェンジャーズみたいなノリだが、誰も特殊能力など持たないので、魔人加藤に対抗できるわけがない。だいたい妖怪関係者はバカであるバカであると繰り返されるので、ばかぢからならぬバカ力が何か役に立つのだろうと思うが、それはお楽しみ。 -
メタメタ面白かった。妖怪オールスター感謝祭です。読み進めるとどんどん自分も莫迦になるような巫山戯ているのか真面目なのか、虚なのか実なのか、とてもエンターテインメントでロマンが詰まった作品でした。ラストが最高です。
手首が痛くても読む価値があります。 -
2019/3/3読了
内容は、結構おバカなようでいても、多様性、寛容さの問題を突いているようにも思えて、意外に深い話なのかも?
実在人物多数登場+キャラクターも多数登場(貞子の登場シーンは笑った笑った……)で映像化したくても版権とかの問題で不可能だろうなぁ、と思ったり。 -
妖怪エンターテイメント笑
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この話の中には馬鹿がいっぱい出てくる。右を見ても左を見ても馬鹿という有り様。もう馬鹿ばっかり。でもこの馬鹿はかっこいい馬鹿なのだ。素敵な馬鹿なのだ。余裕のある馬鹿なのだ。余裕があるからこそ馬鹿なのだ。特に妖怪馬鹿がいっぱい出てくる。もううようよと出てくる。そうして京極版妖怪大戦争になるのだが、そこは馬鹿だから一筋縄ではいかない。馬鹿には馬鹿らしい馬鹿馬鹿しいオチがある。けれどもここでいう馬鹿とは良い意味での馬鹿なのだ。
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京極夏彦史上最長だという大長編。やはりこれは紙で、それも合本版で読まないとダメでしょう。あまり妖怪も知らないし、実名小説なのに知っている名前が少なかったけれど、十分楽しめた。基本的にはお馬鹿な話なのでなかなか笑える。作中の小ネタがわかる人なら余計面白いのかも(これだけ膨大なネタがあればいくつかは引っかかるだろうが)。ラスト付近のまさに妖怪大戦争な部分の盛り上がりは最高。著者インタビューがネット上に2本掲載されているのでこちらも必読。映画の妖怪大戦争の方も観てみたくなった。
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内輪ネタ、大いに結構!
大好きな平山夢明先生と京極先生の掛け合いが、まさか京極先生本人の作品で読めるとは……w
全体的なノリが最高に軽妙。 -
日本から霊などがいなくなり、妖怪が人々の目に見えるようになるお話
「この世に不思議な事など何もない」と言い、実物の妖怪を出してこなかった京極夏彦がとうとう人の目に見える形で妖怪を登場させるというのに驚く
豆富小僧は妖怪として登場してたけど、そんな概念としての存在ではなく、デジタルデータすら書き換えて映像記録にも残る
妖怪が見えるようになるカラクリに関してはキーアイテムの存在こそフィクションだけど、理屈としてはまぁ妥当なものなのかな?
ただまぁ、最後まで読めばいつも通りなんだけどね
やってくれるぜ京極……
作家さん達が実際の名前で登場するし、妖怪だけでなくフィクションのキャラクターが色々出てくるので、版権的に忠実な映像化は絶対に無理ではなかろうか
こんだけ分厚いのの殆どはバカな会話
一般人にはわからない細かいネタが散りばめられているんだろうけど、僕レベルでは10分の1もわかってないんだろうな
そんなバカな会話が繰り広げられているのにもストーリー上の理由があるようだけど、やはり冗長だよなぁ
豆富小僧が出てきたあたりで、「実は豆富小僧の続編?」とか思ったけど違った
榎木津礼二郎が叔父とかって設定のようだけど
木場の方も架空のキャラなのか?実在の人?
毎日少しずつ読み進めて、終わるのに10日かかった
普通の本の4、5冊分はあるなぁ
他にもまだ読んでない京極の本が棚にあるけど、しばらくはお休みしとこうかな
著者プロフィール
京極夏彦の作品





