- KADOKAWA (2018年11月22日発売)
本棚登録 : 92人
感想 : 12件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784041074398
作品紹介・あらすじ
「ナバリ・イズミ神話大系」とも呼ぶべき独自の、魅力的な宇宙観。その新たな切り口から噴出する、新たな謎〈ミステリー〉と恐怖〈ホラー〉に戦慄せよ。
――綾辻行人
僕の姉は「取り替えられた」魔物なのか? 「マガイ」のおぞましい真実とは
「山に棲む『紛(まがい)』という魔性の獣が里の子供を攫って喰らい、己の子とすりかえる」「『紛』の子は見かけは人間だが、長ずるに従って徐々に獣の本性を表し、里に災いをもたらす」
現代社会では迷信扱いされる民話だが、鞍臥の人たちは今でも、心のどこかで信じている。なぜなら、あたしがその「マガイの子」だからだ――。
いまは東京で美大生をしている坂見風哩は、8年前に「お山」で従兄が惨殺された現場に立ち会っていた。従兄の死体は獣に食われたようだったが、風哩には事件時の記憶がない。腫物のように扱われる田舎を出たものの、不穏な出来事が周りで続いている。セクハラ教授とのトラブルで訪れた風変わりなスクールカウンセラーとの話で、夢に見る「マガイ」のことをついしゃべってしまい……。
一方、まだ鞍臥に住んでいる高校生の弟・怜治は、8年前に姉を助けてくれた円藤老人が、砂原という謎の研究者と最近共にいるのが気になっている。砂原ら「聖泉協会」の人間は「お山」の「磨崖仏」を調べているというのだが……。
文庫版カバーイラスト=松浦だるま (『累 -かさね-』)
解説=朝宮運河
みんなの感想まとめ
民間伝承や神隠し、怪物といった要素が織り交ぜられた独自のホラー作品で、読者を引き込む魅力があります。物語は、東京で美大生として生活する風哩が、過去の惨劇や「マガイ」の存在に向き合う姿を描いています。彼...
感想・レビュー・書評
-
【2026年41冊目】
神隠しにあった子どもたちが無事の帰還を果たす。通常であれば喜ばしい出来事を、その地域では忌み事として捉えていた。帰ってきた子どもは姿形は同じに見えるが、別の者が成り代わっているというのだ。人はそれを「マガイの子」と呼んだ。東京で一人暮らしをする風哩もまた、とある過去を抱えていることから「マガイの子」と呼ばれていて――。
最初は文体の読みにくさが気になりましたが、徐々に慣れました。なんというか、こねくり回さなくていい表現の仕方をしているというか、ストレートに入ってこないというか。文章のリズム等は多分好き好きだと思うので良い悪いでは語れませんが。
途中で「もしかして」と思ったことが真相につながってしまったので、「そんな気はした〜」という感じでしたが、物語の全体を掴むのはちょっと難しかったです。登場人物がそんなに多いわけではないんですけど、一人ひとりの役割が複雑というか不明瞭というか。
設定が多いけど、語り切る前に終わってしまったからなんですかね。なんか、結局のところよくわからなかったな、という印象です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
民間伝承、神隠し、怪物、異界……ホラー好きが思わず反応してしまいそうな設定だが、後半に至るに連れて目に見えて胡散臭さが倍増してくる。名梁はキングやクーンツといったモダンホラーを好んで読んだ事からそういったジャンルからの影響だろう。この影響が物語を無駄に大きくしてしまって恐怖を削ぎとってしまった印象が強く残る。悪くない作品だけに惜しい。
-
記録
-
山に棲む獣『紛』が里の子を己の子とすり替える。現代では迷信扱いの民話を鞍臥の人は今でも心のどこかで信じている。なぜならあたしがその「マガイの子」だから―。東京で美大に通う風哩は、「お山」で従兄が惨殺された事件の記憶がない。セクハラ教授問題で訪れた変なカウンセラーと話すうち、夢に見る「マガイ」の事を喋ってしまう。高校生の弟・怜治がまだ住む地元では「お山」の磨崖仏を調査する謎の研究者が暗躍し始め…。
-
僕の姉は「取り替えられた」魔者なのか? 「マガイ」のおぞましい真実とは 従兄が惨殺された8年前の事件の記憶がない風哩。今は東京で美大に通うが、セクハラ教授問題で訪れた変なスクールカウンセラーに「マガイ」の夢のことをつい喋ってしまう。(e-honより)
-
面白かったけど、たしかに作者独自の神話体系があるような感じ。ここを起点にまた別の物語も展開しそうな。ただ現代社会の問題に起因している感じはあるし、昔と今、時代は変わっても人間に潜む残酷さはそうそう変わらないとも感じさせられる作品だった。
-
解説の民間伝承,神隠し,怪物,異界,恒川光太郎,小野不由美というキーワードに惹かれて購入→やっと読了.面白かった.漫画化にしても面白いだろうなと思う.
-
その村では、こつ然と現れたそのこどもを「マガイ」と呼び、「マガイ」に怪物の影がつきまとうと言われていた……。「マガイの子」と言われて育った東京の美術大生が、奇妙な事態にまきこまれていく。ヒロインと弟の関係が楽しかった。思いもよらぬ展開。今後が楽しみです。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
名梁和泉の作品
