- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041074442
作品紹介・あらすじ
異国から来た少女は、眠りの世界で魔女修行をする。「夜の都」を望む異界を訪れて。
魔女の「クダン」から教わるのは、妖精の鱗粉を触媒とした、月の姫から授かりし魔術。
亡者どもを追い払う任務を、世界を守る役目を、図らずも背負わされた少女の運命は。
圧倒的な想像力が世界を創造する、あまりにも美しく苛烈な、ヒストリカル・ネオファンタジー×魔法少女物語。
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1920年代前半(大正時代)、父と義母とともに、『ガリヴァー旅行記』に登場する東洋の島国を訪れた14歳の少女・ライラ。
7日間を保養地のホテルで過ごすことになったライラだが、古い祠として祀られていた岩井戸で、底から湧き出た星のような小さな光の粉が眼に入ってしまう。
部屋に帰り猛烈な睡魔に襲われた彼女がベッドに倒れ込むと、なぜかそのまま真っ暗闇の空間を落下し、気が付くと見知らぬ場所にいた。
月のように巨大なシャンデリア、大理石の環状列柱が支える絢爛の大広間。
夢だと思ったライラが不思議な空間をさまようと、何処かで電話機のベルが鳴っている。
応答したライラに語り掛けてきた相手は、「月の姫より直々に眠りの魔術を授かりし禍の魔女」で「クダン」と自らを呼ぶようにと言った。
クダンはここが「星の界の異界」であり、空の彼方に屹立する摩天楼群を「夜の都」だと語るのだが……。
日本ホラー小説大賞出身作家、待望の第2作。
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装画=朱華 「眠る島」 2021
感想・レビュー・書評
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圧巻。びっくりするほど面白くてほとんど一気読みの勢いで読んだ。すっっっごい。アニメ映画化してほしい。絢爛で美しくて妖しい魔術の世界と、魅入られてしまった少女のお話。個人的にはさりげなく百合なのも嬉しかった。迷い家も好きだったけど、山吹静吽さんの作る壮大で独特の世界観と、人間らしい感情の機微が描かれているところがとても好き。
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デビュー作『迷い家』も見事だったが、本作も圧巻。よくぞここまで見事な異世界を構築し、細部に至るまで魔術を、妖精達を、作り込むものだ。それをありありと現前させる筆力も素晴らしいし、息つく暇もない幻想の描写も素晴らしい。物語の進め方もうまい。読むのにいささかエネルギはーいる(特に最後の魔術対決はしんどい。いい意味で)けど、この作家の小説、もっとももっと読みたい。
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読むの時間かかったけどおもしろかった!ファンタジー×ホラー。
幻想的すぎて想像が追いつかないシーンもあったけど、迫力あったー。
装丁もめちゃくちゃ好み!