リズム/ゴールド・フィッシュ (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041075289

作品紹介・あらすじ

中学1年生のさゆきは、いとこの真ちゃんが大好きだ。高校へ行かず金髪頭でロックバンドの活動に打ち込むようになっても、真ちゃんのかっこよさは変わらない。家族ぐるみでずっと一緒にいたいのに、真ちゃんの両親の離婚話を聞いてしまい……。

第31回講談社児童文学新人賞、第2回椋鳩十児童文学賞を受賞した著者デビュー作「リズム」と、その2年後を描いた「ゴールド・フィッシュ」を収録した不朽の名作集。

感想・レビュー・書評

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  • 高校に行かず、バンドの夢を追い続ける、いとこの真ちゃん。
    あたしはそんな真ちゃんが大好きだった。

    キラキラした自由人の真ちゃんを愛するさゆきと、まわりの大人の見る目。

    大人と子供。
    常識と瑞々しさ。
    感覚のすれ違いが、細やかだった。

    リアル中学生が読むと、より響くかも。

    「リズム」は、第31回講談社児童文学新人賞、第2回椋鳩十児童文学賞受賞作で、デビュー作。
    「ゴールド・フィッシュ」は、その2年後。

  • 森絵都さんのデビュー作、リズムとその後を描いたゴールド・フィッシュを同じ本で読むことが出来てよかった。子供にも読みやすい作品だと思う。

  •  最初に読んだのは確か、小学校高学年か、中学一年かの頃。それからウン十年の時を経て再読。森絵都さんを知ったきっかけの本だったような気がする。(その後、森絵都さんの「カラフル」、「風に舞いあがるビニールシート」、「みかづき」は大好きな作品となった。)
     本書にはなんとも不思議な思い入れがある。「読んだことのある本」ということですごく心に残っているのだけれど、内容はあまり覚えていない。父に連れて行ってもらった地元の図書館で借りたのだけれど、この本を手にして見上げた窓から見た外が雨だった記憶があるようなないような。タイトルをよく覚えているのに、あまり好きになれなかったような。

     そしてすごく長い時を経て、なぜかまた読んでみようと思って、また図書館で借りてみた。今度は今私が住む町の図書館で。

     再読してみてわかった。あの頃「この本好き」と思えなかった理由が。主人公のさゆきが私にないものを持ちすぎていたから。ある種の嫉妬。近くに住む仲の良いいとこも、歌を、しかもロックを夢にするようなカッコイイいとこも、テツのような優しい幼馴染も、まぶしい街、新宿も私のまわりにはなかった。自分の心に素直で、思ったとおりに行動できて、ガッと燃えて、ワッと泣けて、先生に「個性」を褒められるようなさゆきがうらやましくて、「ふん、所詮、小説」と斜に構えるようなことしかできなかった私は、さゆきのお姉ちゃんと同じタイプだった。固定観念ゴリゴリ、偏見ゴリゴリ、自分の周りの小さな世界しか見えていなかった私には、この本の良さがわからなかったんだなと再読して思った。今回は素直に好きになれた。とても面白かった。児童文学ということを差し置いても、文章のリズムが良く、一瞬にして物語に引き込まれ、一気に読んでしまった。心地よい読後だった。

    脇役だけれど、個人的に大西先生が印象に残った。大西先生の良さを見抜くさゆきはやっぱり魅力的な主人公だった。余談だけれど、最近気づいたことに、少ししか登場しなくても重要な役割を果たす「学校の先生」が気になる小説が多い。私、学校の先生になりたかったのかな(笑)

  • 自分だけのリズムを見つける、他の周りの音は関係ない、とても共感できるし自分もそうありたい。

  • 高校を行かず 夢を追いかけるいところしんちゃん。
    主人公さゆきはそんな彼が大好きだった

    さゆきの前で「俺は東京でバンドマンとして成功する」と言って田舎町を飛び出たしんちゃん

    そんなしんしゃんを心から応援して誰よりも第一ファンだったさゆき

    現実は甘くなかった
    貯めたアルバイトはバンドの為に消えて、食費も節約し、身も心もボロボロになったしんちゃんはうつ病に

    それを知らされたさゆきはショックを隠せなかった
    考えない様に勉強、勉強、日々勉強
    中三だったさゆき下から数えた方が早い成績だったのが一気に上位へ

    しんちゃんとさゆきは会えることはできたのか?

    とても良い小説だったバンドで夢を追いかけている人には読んだ方がいいかもね
    せめて高校は卒業したほうがいいよね。。
    中卒だとよくな就職先ないし

  • 中1のさゆきは近所に住むいとこの真ちゃんが大好き。
    何も変わらなければいいのにと願うさゆきの想いとはうらはらに現実は変わってゆく。

    世間的には不良といわれる真ちゃんを慕うさゆきの純粋さに癒された。

  • リズムを読み終え、充足感のないままゴールド・フィッシュも一応読んだ。

    小中学生向けの、少し恥ずかしくなってしまうような文体は変わらなかったけど、リズムよりは読めた。

    最後のしんちゃんの手紙にある、『「社会は厳しい」だとかいうのは、生きてりゃだれだってわかることだから、わざわざ教えたり教えられたりすることじゃない。』という一節が割と好きだったので、★2。

  • 最近どうしたの?ってくらい、あたり本が続いてる。
    幸せだ。

    小学生の時、学校の図書館でたまたま見つけて、当時の友達達とコレは面白いってしばらくハマった本。
    あの本、なんだったっけかなーっ。。。
    確か、リズムって本でー。。。
    続編もあったよなー。。。
    記憶を頼りにAmazonで探してたら、なんとまさかの森絵都さん!!私、見る目あるじゃん!

    あの時の私に、何がどう琴線に触れたのか思い出せないけど、ちょっとお姉さんを生きてる主人公の考えや行動に共感するところがあったんだろうな。
    大人になれば分かると言われた主人公が、子供に戻れば分かると大人に思ったように、しょうがないを繰り返して忘れちゃったことが多くなったみたい。

    自分らしく生きるために、リズムを忘れずにいること。
    今からでも自分のリズムを持って生活しよう。
    そして、金魚飼ってもいいか旦那に聞いてみよう。

  • 小中学生の時に読みたかった一冊。

  • なんというか、この小説をもし子供の頃に読んでいたら今の自分とは変わっていたのではないか、と思ってしまった。

    それこそすごく子供っぽくて、ある大人が読めばくだらないと一笑に付されるかもしれない作品だけどそんな人って本当に大人なんだろうか?

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著者プロフィール

森 絵都(もり・えと):1968年生まれ。90年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。95年『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞及び産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、98年『つきのふね』で野間児童文芸賞、99年『カラフル』で産経児童出版文化賞、2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞、06年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞、17年『みかづき』で中央公論文芸賞等受賞。『この女』『クラスメイツ』『出会いなおし』『カザアナ』『あしたのことば』『生まれかわりのポオ』他著作多数。

「2023年 『できない相談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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