准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041075326

作品紹介・あらすじ

「怪異は、現象と解釈によって成り立つんだよ、深町くん」

人の嘘がわかる耳を持ち、それゆえに孤独になってしまった大学生・深町尚哉。
なんとなく受講した「民俗学2」のイケメン准教授・高槻になぜか気に入られ、怪異に出会うとついテンションが上がってしまう彼の「常識担当」としてバイトをすることに。
しかし高槻のもとには、奇妙な事件が次々と持ち込まれ――?

このアパートは、事故物件?! 隣の空き部屋から聞こえる奇妙な音の正体は――「第一章 いないはずの隣人」
ふと気づくと、周りにいつも針が落ちている……。これは呪い?それとも―――  「第二章 針を吐く娘」
肝試しに出かけた少女が消えた。しかし数日後、彼女は帰ってきた。足の裏はきれいなままで――「第三章 神隠しの家」

ちょっぴり残念なイケメン准教授と、常識担当の大学生の凸凹コンビが、民俗学の知識を使って怪奇事件を「解釈」する軽快なミステリ、開幕!!!

感想・レビュー・書評

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  • 民俗学、面白いです。
    そして、それぞれ過去に奇怪な体験をした大学生の尚哉と民俗学の准教授、高槻のこれからも気になります。
    二人が関わる怪異事件は何となく結末がわかるようなものなので、謎解きというよりもそこに至るまでの道中に興味を持ちました。
    「説明のつかない事態を、人は恐れる」
    だから、わけもわからず怖い思いをするよりも、妖怪の仕業にした方が気持ちを落ち着かせることができると、昔の人は物語を作り解釈をしたようです。怪異の背景には恐ろしい事件あり、です。
    「わからないままなのは、怖いからね」
    そうですね。わたしも2人の身に起きたこと、このままわからないままでいられないですね。
    と、刑事の健ちゃんいい感じですねぇ。そして、ちらりと健ちゃんが話した怪異事件専門の係って?その頭って?気になるキャラクターがまだまだ出てきそうです(*^^*)
    このシリーズ、途中で放り出すことできなさそうです。

  • 堅苦しくなく民俗学を楽しめる、一冊。

    夏祭りの夜に不思議な経験をした大学生深町が民俗学の高槻准教授と出会い、怪異等の謎に迫り解釈していくという物語。

    もう1ページ目からどストライク。
    田舎の夏祭り。真夜中の太鼓、青い提灯と…この雰囲気は幻想的でたまらない。

    高槻准教授の民俗学講義は自分もその場で講義を受けている感覚で楽しめた。
    こういう堅苦しさがない、気軽に心を耳を傾けられる民俗学の作品も良いな。

    どの怪異への解釈もなるほどうなずける。

    世の中に伝説、物語があふれていくのはなぜか、この解釈には一番納得した。

    孤独を抱える深町への准教授の数々の言葉も心に響いて良かった。

    こちらまで気持ちがほぐれる気分。このコンビ、お気に入り。

  • ミステリー小説に詳しい職場の方が紹介してくれました。
    伊野尾くん主演でドラマにもなっているんですね。小説も面白かったし、基本的に一話完結で分かりやすいので、ドラマ化にはもってこいですね。ぜひ見てみたいなぁ。

    民俗学を研究している高槻先生と文学部生の深町くんのコンビが、身の回りで起こるちょっとした怪奇現象の謎を解き明かしていくお話です。

    実は二人には、幼い頃に、現実離れした不思議な出来事を経験した、という共通点があります。
    その特殊な体験によって、普通じゃない自分になってしまったというモヤモヤを感じている二人は、これから自分のルーツを探す長い道のりを歩むことになるのでしょうか。

    民俗学とは、不思議な物語や伝説が生まれた背景を調べて研究する学問ー。
    「知る」ことに貪欲な二人の活躍を、もっともっと見たいです。
    早く2巻を買いに行かなきゃ〜!

  • 図書館でたまたま見かけて、あらすじを読んで面白そうだったので借りてみました。読んでから知ったのですが、ドラマ化されているみたいです。ドラマ化するほどの作品とだけあって、ストーリー性やキャラも濃くてとても面白かったです。

    あらすじは、不思議な力を持った主人公・尚哉と准教授の高槻がタッグを組んで、奇怪な事件を解決していくというものでした。
    そのため、読む前は、ゴーストバスターズのような要素が盛り込まれたファンタジーものかと思っていたのですが、読んでみるとファンタジー要素は主人公の持つ力のみで、ミステリー要素の方が断然強かったです。
    普段ファンタジーを全く読まないよ、という方がもしいたら、あらすじだけで嫌厭せず、ぜひ読んでみて欲しいです。

    本当は内容についてもたくさん触れたいのですが、今回は皆さんにおすすめしたいので控えることにします( * ॑꒳ ॑* )

    私の大好きなシリーズ物だそうで、今後も楽しみです。早速来週にでも借りたいと思います。そして2巻以降は内容にも触れて感想を書いていこうかなと思います。

  • 学校の七不思議や都市伝説等を専門とする民俗学の准教授と共に大学1年生の男子学生が依頼される怪奇な事件を解決していくミステリー。

    オカルトが好きな方にもおすすめな一冊。

    アニメ化やドラマに向きそうと思ったら、もう数年前にドラマ化してたそうです(笑)

  • 清和大学文学部の一年生になった、尚哉は「民俗学Ⅱ」の講義で高槻彰良と出会う。
    高槻は、背が高く大きな二重に綺麗な鼻筋の「イケメン」であり、怪奇、妖怪をわかりやすく解説する人気の准教授だった。
    高槻が尚哉のレポートの幼いころの体験談に興味をもち、彼を呼び出したことで二人の交友が始まる。
    人の嘘が歪んで聴こえる尚哉は、アルバイトとして高槻への怪異相談に同行するようになるが、高槻に持ち掛けられた奇怪な出来事の真相は。

    一人暮らしのOLの無人の隣部屋からの聴こえる音
    気づくと身の回りに針が散らばる彼女
    空き家に一人で肝試しに出かけた友人が二日後に記憶が朦朧として見つかって

    怪異な話に周りが見えなくなる、ちょっと残念なイケメンの高槻。
    自分の体質から人と距離を置きつつ、ついつい高槻の世話を焼く常識人の尚哉。
    暗い過去を持つ二人だけど、描写がそんなに悲惨ではないので、読後は前向きな気持ちになれる。
    まだ続くようだから、高槻の身に起きたことがだんだんと明らかになるのかも。 
    尚哉の体験の真相も気になる。これからべっこう飴食べる度に思い出しそう。

    ドラマを先に観てしまったので、高槻のイメージがジャニーズから離れず。一話だけ観て本を読むことにしたので、とりあえず、ドラマを最後まで観てみよう。

  • 民俗学系のミステリーでキャラが暴走というと、三津田信三氏のシリーズを思い浮かべるのだが、それに比べるとかなりライトで、一部ファンタジー要素ありといったところか。登場人物にも魅力があるし、准教授の講義を実際に聴くと楽しいだろうなと思う。ただ、1巻の段階では先にあげたシリーズほど事件と民俗学が絡んではいないので、その点は少々物足りない。おそらく事件があまり入り組んでいないせいだろう。怪異かそうでないかをシンプルに見定めるだけの流れなので、事件の裏に隠された風習やら何やらに人の事情が加わって云々……を期待せずに読めば、十分楽しめる。

  • 【その、声は。何の歪みもなく、驚くほど真っ直ぐに耳に届いた。】【ねえ深町くん。君、バイトしない?】准教授・高槻彰良先生と嘘が聞き分けられちゃう大学生・深町くんのとっても面白い民族学ミステリーの幕開けだ!軽快にでもなんだか勉強にもなるぞぉぉ。うん、面白い!!!

  • 高田崇史さんをライトにした感じを期待していたが、その土地の歴史などは出てこなくて、少し物足りなかった。
    でも、高槻先生のキャラは面白かった。

  • 10歳の夏の夜、不思議な体験をした深町尚哉は嘘を聞き分ける耳をもった。
    大学生になった尚哉は民俗学の授業の延長で書いたその不思議な体験をきっかけに、準教授の高槻と3件の怪奇現象の真実を暴いていく…といった内容。

    霊現象の謎、高槻自身の謎を織り交ぜられています。状況説明が簡潔に書かれていて読みやすく、明るい場面、真面目な場面の緩急のバランスが良く、時間を忘れて一気読みしてしまいます。
    尚哉の嘘を聞き分ける耳の特徴のせいで、犯人がある程度絞られてしまうものの、謎解きの展開が面白いです。

    ドラマの最後の最後のシーンだけ偶然観て、面白そうだなと思って図書館で借りました。伊野尾慧さんが演じる高槻のイメージはちょっと違うのですが、それでもいいキャスティングだなあ、と思います。

    お盆の時期に読むのにぴったりの一冊。絶対続編を読みます。

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著者プロフィール

神奈川県横浜市出身、在住。2016年に『憧れの作家は人間じゃありませんでした』で第2回角川文庫キャラクター小説大賞《大賞》を満場一致で受賞し、デビュー。同作はシリーズ化され1~3巻を数える。21年夏、「准教授・高槻彰良の推察」シリーズが実写ドラマ化され話題に。キャラクター文芸界再注目の作家。

「2023年 『憧れの作家は人間じゃありませんでした4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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