トロッコ・一塊の土 (角川文庫)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041075852

作品紹介・あらすじ

今年八つになる良平は、鉄道の敷設工事で行き来するトロッコが面白くて仕方がない。ある日、見知らぬ若い男達とともにトロッコを押す機会を得た良平だったが……「トロッコ」。倅を亡くしたお住は、毎日畑へ出て男まさりに稼ぐ嫁、お民に敬意を感じている。しかし、いつしか「稼ぎ病」に取り憑かれたお民の存在がお住を苦しめるようになり……「一塊の土」。表題作の二篇をはじめ、芥川の転機となる中期の21篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • トロッコ 小さい頃の帰り道の不安な気持ち
    一塊の土 姑嫁問題。家にいて、やることない人はいろいろネガティブなこと考えちゃうような気がする。

  • 気に入った作品
    あくまで個人のメモとして

    「庭」
    人の営み
    無常感
    たった9ページなのに
    時の流れの余韻

    「猿蟹合戦」
    社会風刺もあるようだけど
    パロディ面白い
    こういうの国語の教科書に
    載せればいいのに

    「一塊の土」
    外づら内づら
    家族間のエゴ
    フラストレーション
    それでも生きていく

    一二三館書店にて購入

  • とにかく濃い。たまには読み応えのあるこういう一冊も良い。

  • 短い文の中に、トロッコの駆け抜ける躍動感、少年が感じた心細さや恐怖心が手に取るように伝わってきた。少年の心細さの要因として、暗闇の中で今日は母に会えないかもしれないという気持ちがあったのではないかと思う。最後の「26の歳、彼はどうかすると理由もないのにその時の彼を思い出すことがある」という文に涙がでてくる。その感情知っているかもしれない。大人になっても突然、母(自分の生命の帰る場所、この場合必ずしも母親ではない)場所へ辿り着けないように感じ、言いようのない心細さを感じる場合がある。

  • 信仰より人間でありたかったのかも
    おぎん

  • 表題作含む短編21篇。やはり『トロッコ』が素晴らしい。誰しも子供の頃、大人に突然一人にされてしまった不安感を感じたことがあるだろう。涙を堪えながら一人家まで歩いて帰る良平の不安が胸に迫ってきてたまらなかった。

  • 没落の侘びと寂びの話。

    久しぶりに芥川龍之介を読んでみた。

    昔と今で印象が変わった話としては、「庭」が昔繁栄していた名残りでまだ何とか体裁を保っているけど、確実に没落していく荒廃の感じが隠せない今現在の日本を現しているようでとても興味深いかった。
    ニコ没も良いと思うし、没落自体侘び寂びがあるけど、中身はないのに体裁だけは必死に整えながら、それ自体も無くなり忘れられていく詫び寂びのある没落も良いな、と。

    あと、表紙おしゃれ。

  • 24年2月6日読了

  • 一夕話と、おぎんがお気に入り

  • 案外に読みやすい作品、少し読みにくい作品、物語の帰結がよく分からないもの‥芥川龍之介の作品であっても全てが名作の名作というわけではないとは思う。

    でもタイトルになっている作品は、人間なら誰でも覚えのある普遍的な感情を克明に描き出していて良い。
    あと、おぎん、白、雛も好き。
    ふとしたシーンに、えも言われぬ情感を込める才覚は、芥川龍之介はずば抜けていると思う。

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著者プロフィール

1892年(明治25)3月1日東京生れ。日本の小説家。東京帝大大学中から創作を始める。作品の多くは短編小説である。『芋粥』『藪の中』『地獄変』など古典から題材を取ったものが多い。また、『蜘蛛の糸』『杜子春』など児童向け作品も書いている。1927年(昭和2)7月24日没。

「2021年 『芥川龍之介大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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