ギリギリ (角川文庫)

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  • KADOKAWA (2018年11月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784041076439

作品紹介・あらすじ

夫の一郎太が過労死し、寂しさを紛らわすかのように同級生の健児と再婚した瞳。脚本家の卵である健児は、前夫の母・静江と妙に仲が良く、それが瞳は気に入らない。ある日、瞳は家で健児が書いた脚本の草稿を見つける。静江の伯母の思い出話をもとに構成したというその脚本を読むうちに、自ら選んだ「再婚」という選択に疑問を感じるようになり……。妻、夫、元姑。奇妙な三角関係が織りなす極上の<人間関係小説>。

感想・レビュー・書評

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  • 夫を過労死で突然亡くした妻・瞳。その寂しさから、早々と再婚した相手の同級生・健児。前夫の母親。三人が、微妙な関係を保ちながら、日常生活を過ごしている。
    瞳は、多忙な仕事に追われている。健児は、まだ売れない脚本家、瞳のマンションに居候的佇まい。義母は、一人暮らしの不便さを、関係の薄い健児に頼る。亡くなった夫への、息子への気持ちをそれぞれ隠しながら。さんすくみではない、三つ巴でもないけれど。関係性が未確定のまま気持ちがすれ違っていく。
    健児さんのお人柄の良さが溢れている。妻のできない家事を支えて、義母の困り事を引き受ける。もう、多少何がずれたって、それで良いのでは?と思うんだけど、最後の亀裂が入る。
    後書で、この関係性を相克と表現していてなるほどと同意。でも、社会や家庭は、相克しあって成り立つのだあ。ちょっと、ストレスが残る。

    • きたごやたろうさん
      「いいね」ありがとうございます。

      やっと原田ひ香さんデビューできました!
      「いいね」ありがとうございます。

      やっと原田ひ香さんデビューできました!
      2025/09/04
  • 本当に失礼な話、あまり期待していなかったので、これは期待以上に面白かったです。

    夫を亡くした瞳と、再婚相手の健児、そして亡くなった夫の母静江。5つの連作短編集。それぞれのお話で語り手がこの3人の誰かに変わる。

    健児と静江が妙にウマが合うというか、仲が良く、それを快く思わない瞳・・・
    奇妙な人間関係における、それぞれの複雑な感情がとてもよく読者に伝わる作品だと思います。そもそもが人間関係も、個々の人間の感情も、どちらもとても複雑なもの。どちらにも、良いも悪いもない。でもどちらにも目をつぶって生きていけるわけでもない。登場人物がこうなった今の状況も、誰のせいでもないし、誰の感情が正しいとか間違っているとかない。それでも、それぞれがそれぞれに悩みに悩み、意図せず相手を傷つけてしまう。それが本当にうまく表現されていました。

    著者の原田さん、脚本家でもあるんですね。プロフィールを見て納得。何も文章なんて書けない私が、なんとなく上からで申し訳ないんですが、「上手だな」と思いました。なんというか、セリフと感情の描写のバランスが良い。説明しすぎず、でも大事なことは伝わる文章で、そしてセリフも一人歩きしてないというか。構成もとてもうまいと思いました。

    いい意味ですらすらとあっという間に読めました。「ん?どうゆうこと?」と立ち止まって読み直すことも嫌いじゃないけど、ここまですらすらと気持ちよく読めた小説が久しぶりだったのもあって、とても楽しめた読書でした。読了後に少し切ない気持ちになるのも良かった。この「少し」切ないがポイントです。「とても」切ないではダメなんです、本書は。

    「なんかいい小説ないかな?」と思っている人に、ぜひ!!と薦めたい一冊です。

    • yururi4525さん
      こんにちは^^
      面白そうですね(*'▽')
      読ませて頂きますね(^^♪
      ご紹介、どうもありがとうございます(⋈◍>◡<◍)。✧♡
      こんにちは^^
      面白そうですね(*'▽')
      読ませて頂きますね(^^♪
      ご紹介、どうもありがとうございます(⋈◍>◡<◍)。✧♡
      2023/07/18
    • URIKOさん
      >yururi4525さん

      コメントありがとうございます♪
      これ以外にも最近よく原田ひ香さんの作品を目にします。
      (まだまだ読めて...
      >yururi4525さん

      コメントありがとうございます♪
      これ以外にも最近よく原田ひ香さんの作品を目にします。
      (まだまだ読めていませんが・・・)
      yururi4525さんがどんな感想を書かれるか楽しみにしています!
      2023/07/19
    • yururi4525さん
      お返事、どうもありがとうございます(⋈◍>◡<◍)。✧♡
      読ませて頂いたら、感想を書かせて頂きますね^^
      お返事、どうもありがとうございます(⋈◍>◡<◍)。✧♡
      読ませて頂いたら、感想を書かせて頂きますね^^
      2023/07/19
  • 原田ひ香作品4冊目。
    穏やかで、でもヒリヒリしたりモヤモヤしたりする日常を描いている。本作は登場人物のキャラがとても良くて私はかなりツボ。
    藤色のカーディガンがお気に入りの静江、頼まれごとを断らない健児、ストッキングやスーツを脱ぎ散らす瞳。主要人物ではないが一朗太氏に冴子、ヘンリーなどなど。
    読み進めるほどにそれぞれのキャラが立ち上がってきて、ストーリーだけでなく彼らに夢中になっている自分がいた。前半から読む手が止まらなかった。

    一見嫌みのある人物であっても、関わっていくと本音がぽろぽろと出てきて、知っていくごとに愛おしくなっていく。
    表面的な部分だけでなく、大切な人の奥底にある弱さを知るには、受けとる側の深い優しさと度量がいるよなぁと、静江・健児・瞳を見ていて思った。彼ら3人にはそれがあったから。
    タイトルの「ギリギリ」の意味も最後に分かって納得。心が温かくなった一冊。

  • 主人公、突然死した夫、元姑、そして再婚相手、登場人物が実に繊細で魅力的。
    静江さんの凜とした素敵な生き方、健児さんの優しさが心を温かくしました。結果的に結婚生活が続行する事なくお話しは終わりますが、けして失敗したという感じでなく、これから先の良い関係性を示唆しているように感じました。

  • 精神的にぎりぎりなのかとおもっていたけれど、ちがうのね。
    瞳ちゃんは真面目なのだろうか。
    嫌がる、ということはあの一言が尾を引いていて、それでいてそれが大きくなって帰ってくることがわかっているからなのだろうか。
    何事にも理由はあると思うし、誰でも引っかかるひとことはあると思う(が、人は忘れることができる生き物。あまりに嫌なことであれば、(コンピュータじゃないんだから)だんだん忘れてもいいのでは?それが人生かもしれないです)。もっと楽に、そして人生楽しんでもいいのにな、と思いました。

    折角彼が成功しているんだもの。なかなか体験できない世界が待っていたかもしれないのにな~
    うーん。。。

    +++

    パソコンのHDDが壊れたこと、そして容量が不足してきた、ということもあって今は家のサーバーを整理中です。
    なかなか楽しいです。
    今まではKodiを使おう、と思っていろいろ調べていましたが
    録画ファイルはH264が多くて環境によっては再生できないという問題があって、なかなか本格的に運用できていませんでした。
    今月みつけたEmbyは、無料で配信までできて、メタデータも(ある程度自動で)持ってくるので、ちょっと手はかかるけれどなかなか素晴らしい環境ができるかも。おうちでTverみたいな環境ができつつあります。

    と、ドラマや映画を録りためていたこともあったので、健児くんのお仕事、ななかなやるなア、と思って読んでいました。
    こうやって楽しんでる人もいるんですよ~(あんまり見る時間ないし、整理して満足なのです)

  • 夫の一郎太を過労のため突然亡くした瞳、同窓会で再会し、その後瞳と結婚した健児、一郎太の母で瞳の義理の母だった静江の、3人の視点で物語が進んでいく。
    3人の心情がとても丁寧に描かれている。
    突然愛する人を失ったら、後悔もするし、思い出は美化して行くだろう。
    心に空いた穴を埋めるために、誰かにすがりたくもなるだろう。
    健児の書いたシナリオがドラマ化されることになり、瞳は家のゴミ箱に捨てていた原稿を読んで、自分と健児との再婚のことを考えてしまい家を出て行く。
    二人の間にすれ違いがあったとか嫌いになったというわけでもなく、結局自分が許せなくなったのではないのか。
    亡くなった夫が遺していったものに苛まされて、いつまでも前に進めていないということではないか。
    健児はどこも悪くないのに、振り回されて可哀想としか言えない。
    面白かったが重い話で、これでいいのかといった終わりだったが、ひ香さんらしいのかも。

  • 第1話 一郎太が死んだ。妻の瞳は中学校の同級生である健児と再婚。一郎太の母の静江が、瞳に連絡をしてくるが、瞳は静江との付き合いを嫌がるので、健児が見れなくなったテレビの手配をしてあげる。

    第2話 瞳は一郎太の愛人だったという女に呼び出されて、一緒に高級フレンチのランチを食べる。一郎太が本当に浮気していたかどうかは誰にもわからない。瞳は愛人だった女を本当に嫌なヤツだと思う。

    第3話 静江は日本語を習いたい外国人とスカイプで先生役をすることになった。健児がいろいろお膳立てをする。静江は健児と会話しながらも、一郎太のことばかり考えている。

    第4話 健児のドラマのシナリオを読んだ瞳は、再婚は悪いことなのか考えはじめてしまう。健児の考えがどれくらい反映されてシナリオが書かれているのか、確認したいが訊くことができない。シナリオの完成のため健児が忙しくて二人の時間がとれないまますれ違っていく。

    第5話 とうとう瞳は家を出た。健児と別れるしかないと決意を固める瞳。健児は行く場所がない。どうしたらいいのだろう。

  • まかさ、こんな関係が…
    夫の一郎太が急逝し、その寂しさを紛らわすために、同窓会で再会した健児と再婚した瞳。
    健児はまだ無名の脚本家で、仕事の忙しい瞳に代わって家事を担当している。
    そんな健児が仲良くしているのが、一郎太の母の静江。
    夫も息子も亡くし、天涯孤独の静江は瞳に連絡をしてくるが、不在の時には健児が対応する。
    健児は静江の困り事を手伝っている時、たまたま静江の伯母の思い出話を聞き、たまたまそれが脚本に採用され、忙しくなる。
    しかし、その話の内容の中に瞳が気になる部分があり…そこから健児と瞳の関係がぎこちなくなる。
    健児も仕事が忙しくなり、瞳のことにばかりかまっていられなくなる。
    不思議な関係の3人の間で揺れ動く気持ちと心の変化が、切ない。

    2025.5.21

  • 「健児が気の毒でしょうがない。」
    読了後、最初に出てきたワードです(笑)

    一郎太の存在が健児、瞳、静江の関係性や人生に
    凄く大きな影響を与えている気がしました。
    瞳さんには、あまり共感できなかったです。
    "シナリオ"を"本心"or"本音"と捉えている所が
    理解ができなくて、冷めました(笑)

    序盤は、優しい感じと暖かさがあり
    日常が溢れ、ハートフルな気持ちで読んでました。
    後半は、少しずつドラマっぽい演出を感じて
    作者の原田さんは、構成作りが上手いと思いました。

    僕が影響されやすい事もあると思いますが
    解説を読んでみて、この作品は"純文学"だと思いました。
    原田さんが、実際に体験したお話?なのか
    辛い経験を得てシナリオライターの面白さを
    読者に伝えたかったのか。。。
    どちらにせよ、僕には純文学はまだ難しいと感じた。

    そして、明けましておめでとうございます。
    昨年は読書があまりできなかったですが
    今年は、本を沢山読める年にしていきたいですし
    皆さまのレビューを楽しく読ませて頂きますので
    今後ともよろしくです(ヒヒーン!)

  • 亡くなった夫の母と、現在の夫との端からみたらちょっと首をかしげたくなる三人の関係。大きな事件が起こるわけでもないし、お互いに普通にやりとりをするのだけれど、心の中は様々な思いが渦巻いていて、読んでいて引き込まれる。
    それぞれの関わりや、亡くなった一郎太を通して、自分の思いに気が付いていく。
    自分に息子がいるからだろうか、「スカイプ」の静江さんの、息子一郎太を思う描写に涙が出た。
    タイトルの「ギリギリ」が「義理義理」だったとは。
    解説の仁木英之氏も書いておられるように、心の中に余韻が残る素敵な作品であった。

  • 夫・一郎太が過労で急死して未亡人となった瞳。
    瞳の同級生で、脚本家の卵である健児。
    一郎太の母・静江。

    章ごとに各人の視点で描写される。
    読み始めは3人の関係性にとても違和感があったけど、段々3人の心情が理解できて、その気持ちに寄り添えるようになっていく感じが不思議だった。
    結末は哀しくもあり、前向きでもある。
    最後のシーン、別れ際に静江が言う「マイ・フレンド」。
    とても素敵だった。

  • 本のタイトルの『ギリギリ』ってなんだろうと思いながら読みましたが最後の章で(遅いかもですが)納得しました。
    章ごとに複雑な関係性の三人からの視点で描かれていてそれぞれの立場に立って読むことができて良かったですし、亡くなった一郎太さんを中心にした三人の心の動きに共感することもできました。
    寂しさも感じつつでしたが、終始温かい小説でした。

  • 傷ついた心の表現の仕方
    そこに織りなす「日常」
    タイトルに隠された小さなしかけ

    ……なんておもしろい!!
    2025マイベスト大賞です。
    (今年の作品ではないですが)

    どの人物にも共感できるから
    読みやすいのです。
    原田ひ香さんマジック。

  • タイトルの『ギリギリ』は、ある程度予測できていたけれど、やはりそうだったのかと。

    夫を亡くした瞳さん、息子を亡くした母親、夫を亡くした後の再婚相手の健二さん。
    それぞれの立場で、微妙な関係性を保っているが、危うさも持っている。

    子供に先立たれた母親、始めは、もっと瞳さんの気持ちを汲んであげてもと思ったけれど、だんだんと自身が強く立ち直るに連れて元嫁への真の思いを伝えるまでになってくれた。

    瞳さん、再婚や元夫の母親との関係に悩みながらも、必死に自分と向き合う選択をしたのは、エールを送りたい!

    いい人として描かれている健二さんの母親との対面で、素の部分も見えて良かった。

    これまで読了した原田ひ香作品とは、別の味わいが楽しめた。

  • ギリギリってそういうことだったのね。
    面白いシチュエーションだけど、瞳と健ちゃんの繊細さ、静江さんの典型的昭和の主婦の微妙な変化、きめこまやかに描かれていて、ますます原田ひ香さんが好きになった。

  • 久しぶりに読んだ原田ひ香さん。
    夫→妻→妻の元夫(死別)の母親→妻→夫の目線で書かれる全5章。
    盲目からの脱却。
    文庫本を読んだのだけれど解説を読んで「だから彼女の本は映像が頭に浮かびやすいのか!」ということを知ることができました。

  •  どの登場人物にもあまり感情移入できなかったが、彼らの苦しく生きづらい気持ちは伝わっ
    てくる。瞳は特に、真面目すぎてネガティブに考えすぎるから余計にしんどいだろうな。振り回された健児が可哀想だったが、瞳の選択も彼女の人生において前を向いて生きるためには必要だったし仕方がない。最後の方の吹っ切れた静江さんが、爽やかで気持ち良かった。
     個人的には、10年前に読んでいたら刺さっただろう。

  • 妻、夫、元姑の奇妙な微妙な人間関係。夫、健児が書いた脚本を読んだ妻、瞳の気持ちに変化が。せっかく立ち直りかけていた彼女だったけれど一つの綻びにより関係はあっさりと壊れてしまう。それでも2人の前途は明るいと思える終わり方で良かった。

  • 表題の意味が最後に分かる。なるほどね。気がついてもおかしくはないのだが、気づく人はなかなかいないだろうな。
    しかし上手い。こういうストーリーを次から次によく生み出すものだ。解説に書かれているが、作者は脚本を書いていたらしい。主人公の一人が脚本家。痛めつけられるその物語はリアルだが経験の賜物なのか。

  • 登場人物それぞれの視点で
    描かれているのが面白い。
    それぞれの脆さや弱さがひ
    しひしと伝わる表現、
    それでいて読み終わった後は
    どこがすっきり、
    さっぱりした気持ちになります。

    原田ひ香さんの作品は
    初めて読んだのですが
    他の作品も気になります!

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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