転落 (角川文庫)

  • KADOKAWA
2.92
  • (0)
  • (3)
  • (6)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 39
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041076552

作品紹介・あらすじ

理津子、78歳。彼女が一生をかけて隠し通そうとした秘密が、消えた公園の柳の木がきっかけで暴かれていく。死んだ娘を見殺しにした男。遺産目当ての甥夫婦。嘘と自己弁護の応酬の末、露になる真実とは?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 松下麻理緒『転落』角川文庫。

    先に読んだ『誤算』と共に古本屋で購入。

    『流転の海』の改題・改稿、文庫化。本作も『誤算』と同様に、テレビの2時間物のサスペンス・ドラマに有りがちなストーリーが展開する。描かれた事件が犯罪なのか否かを曖昧な状態で放置しているがために、幸せな家族が壊れていく過程に納得出来ぬままに結末を迎えた。

    32年前に劇団の合宿で水死した愛理の母親・理津子は娘の33回忌に当時の劇団仲間を集めようとする。理利子の義理の姪で愛理の同級生のみどりは、そんな理津子の行動に不信を感じる。少しずつ明らかになる愛理の死の真相と理津子と亡き夫が犯した罪……

    本体価格600円(古本7冊で127円)
    ★★★

  • 32年前、劇団の合宿中に不慮の事故で亡くなった高須愛理。
    母の理津子は、娘の三十三回忌に、当時の劇団メンバーを呼ぶという。

    当時、娘の婚約者・佐良大輔は、劇団のリーダーであったが、理津子は、事故が不審なものとして、彼を疑っていたが、結局、確たる証拠はなく、時が過ぎて行った。

    そして、13年前、相良の娘・美樹が誘拐され、なんとか無事に帰って来たが、同時に居なくなった愛犬は、戻らなかった...

    果たして、32年前の事故と13年前の誘拐事件は、どう繋がるのか?
    そして、理津子は、三十三回忌で、何を企んでいるのか?

    だんだん真実が表れるにつれ、驚きの展開に...
    最後は、やや消化不良を感じさせる面もありますが、エピローグでは、希望を感じさせます。

  • 事件真相が明らかになって一番の盛り上がりの場面なのは頭で分かっていても、罵り合いに辟易してしまい読むのをやめようかと思った。最終的には、まあスッキリと終わったので良かったかな。

  • 最後は美樹やみどりにとってはハッピーエンドのように終わってるけど、ちょっと大輔や邦彦が果たして実際どうだったのかはっきりしなくてちょっとモヤモヤする…

  • 愛理が32年前に劇団の合宿中に水死した事故の真相が、愛理の三十三回忌に母親の理津子によって明らかにされるのか?という期待を胸に購入。
    裏表紙にある一気読み必至のミステリーという紹介の通り確かに一気読みだったけれど、読み終えてみると一番肝心なところが結局どうだったのだろう?という疑問が残りスッキリしない気持ちが残った。

  • 内容がやや薄い印象。愛理の水死も単なる事故なのか相良による計画的なものなのかはっきりせず。
    登場人物の全てが善でも悪でもなく、もやもやした感じで終了。どの人物にも感情移入できないため読了感がすっきりしない。
    みどりの夫である邦彦はなんだかよく分からないが被害者面しながら相良を攻め立てていたのに不快感あり。
    相良が娘からの暴露で社会的制裁を受けるが、彼も罪を認めていないのに代償が大きすぎる気が。
    最後に理津子が相良の娘と和解の様な形になったのも違和感が否めない

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

東京女子大学心理学科同期卒の二人による共同執筆。『誤算』で第27回横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞を受賞。

「2020年 『偽画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松下麻理緒の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×