監殺 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 114
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041076644

作品紹介・あらすじ

警務課内に組織された、警察の罪を取り締まる監察裏部隊「警務部警務課巡回教養班=SG班」。警察内の異端児たちが、声なき者の恨みを力で晴らす。警察のリアルを知る著者による、前代未聞の監察小説!

感想・レビュー・書評

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  • 優秀な警部が警察署内で首を吊った。闘病の末の自殺だという。背景にあったのは組織ぐるみの陰湿なパワハラだった。警察の罪を取り締まる目的で集められた異端児集団「監殺部隊SG班」は、悪徳上司たちに”処分”を下すため、秘密裏に動き始める……。出世レース、派閥争い、人間関係の軋轢――私怨と義憤が渦巻く中、声なき者の無念は晴らせるのか。

  • 何やら「続き…」が酷く気になって、朝、夕、深夜、早朝とドンドン時間を設けて頁を繰り続けてしまい、素早く読了に至った。
    「警察モノ」とも言えるのだが、その範疇を少し踏み出した感も在る。「探偵モノ」というような感でも在るのだが、結局は「悪辣に過ぎる者達に密かに鉄槌を…」というようなことになる。
    物語の舞台は「B県」という架空の地域だ。
    B県の県警本部で、警察官不祥事の謝罪会見に本部長が臨んでいた時、監察官室長が唐突に本部長に近付いて心臓を刃物で一突きしてしまった。多くの報道関係者が集まっていた中での出来事で衝撃が走った。本部長は死亡した。
    こういう衝撃的な出来事の後、新たな本部長が赴任することになる。本部長が刺殺されてしまうような事態が起きたB県警は、「酷く病んでいる」という様相だったのだ。新たな本部長はその状況を何とかしようとする。
    新たな本部長の肝煎りで、警務部に新たな班が設けられた。「巡回教養班」と称する。「サテライトガイダンス=巡回教養」ということで「SG班」という略称も与えられた。
    “教養”というのは警察の用語で「研修する」とか「学ぶ」ということで、要は県警の方々を巡回して研修を行うための業務に従事する班ということだ。中村警視が「SG班」の班長で、第1係長の秦野警部、第2係長の漆間警部、以下は後藤田巡査部長と女性の國松巡査というメンバーだった。何れも声望が高いでもなく、酷く目立つ実績が在るのでもない、何処となく主流から外れたような感のメンバーであった。警務部の中でも「何をやっている?」という感でもあった。
    その班が登場して暫く経った頃から、B県では悪質な非違事案に携わった警察官が密かに誅殺されるという事件が散見するようになったのだった。
    そんな或る日、声望が高かった警部が鬱病を患って休職に追い込まれ、何とか復職を目指していた中、県警本部で自殺してしまうという事件が発生していた。事件後、夫であり息子達の好き父親でも在った警部の死に大きな疑問を抱く妻が、或る依頼を或る筋に持ち込んだ…
    ということで展開する物語である。
    自殺してしまうという事件の真相を丁寧に探り、そういう異常な状況が生じるに至った経過が解き明かされて行く。この解き明かされる内容が凄絶だ。「流石にこういうのは?」という程なのだ…
    本作の内容に触れて凄く思った。この国では働く場所や学ぶ場所等の流動性が酷く低く、そういう中で“イジメ”のような事を仕出かす者でも在って、何らかの思惑で敢えてそういうことでもした日には「やりたい放題!!」という傾向が在るのかもしれない。そういう様子を少し誇張して物語化したのが本作の軸の一つかもしれない。
    そういう変な様子の描写に何かのめり込んでしまったのだが…他方で「悪質な非違事案に携わった者が密かに誅殺」に至るまで、事実を明らかにしようとする過程等が、なかなかに痛快な「探偵モノ」、更に「アクション」となっていて、そこが酷く好かった。
    或いは本作は?テレビドラマの原案というような感じがしないでもなかった…

  • これでもか、と続く、過去の重苦しい組織内の出来事についての描写と、カタルシスを、驚倒の設定でエンタテインメントとしている、というところ。

  • 『必殺仕掛人』『必殺仕置人』などの
    ‶必殺シリーズ〟現代版。
    警察組織内の膿を密かに始末するお話(。+・`ω・´)キリッ
    懲戒暗殺の仕方がいかにも必殺。

    癖のある警務課SG班5名は
    役に立たない窓際族と思われてるが
    裏公安委員会(医局)からの依頼を受け
    綿密に調査し会議を踏まえ
    警察の不祥事で恨みを持つ者から
    一件一人につき一千万をもらい無念、恨みを晴らす。

    7年前執拗なパワハラで鬱病になり自殺した神浜警部。
    調査をしてみると、
    このパワハラには裏があり…
    残された遺族の恨みを晴らす!!

    ドラマとかで観たら面白いと思う。

  • イジメの描写はエグくて辛いものだったが基本的には楽しんで読むものかな。

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著者プロフィール

東京大学卒。リヨン第三大学法学部第三段階専攻修士課程修了。元警察官僚。2007年『天帝のはしたなき果実』でデビュー。以後続く「天帝シリーズ」は、高校生、大学生を中心に熱狂的なファンを獲得。他著作に『絶海ジェイル』『背徳のぐるりよざ』『その孤島の名は、虚』など。

「2022年 『老警』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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