- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041076675
作品紹介・あらすじ
日本を代表する詩人・谷川俊太郎の1970年代~1980年代前半までの代表作を精選した文庫版詩集、第2弾。「ことばあそびうた」「わらべうた」「みみをすます」など、子どもから大人まで楽しめる1冊。
感想・レビュー・書評
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谷川俊太郎さんの詩集は文庫、単行本ともに主要なものはほとんどブクログの本棚に載せていますが、先日、家の本棚を整理していたらこの本を見つけました。
なぜ、まだレビューしていなかったかといえば、あまりにマニアック(?)な詩が多かったためだと思います。
”定義”などの難解な詩も多いです。
”ことばあそびうた”や”わらべうた”などのこどもにもわかる詩も入っていますが。
この詩集は文庫で手に取りやすいとは思いますが、谷川さんの代表作を集めたものではなく、広範囲の色々な遊び心のある詩を集めています。
谷川さんの詩集を初めて読もうとする方には、この詩集はあまりお薦めではありません。
文庫だったら、同じ角川文庫の『谷川俊太郎詩集Ⅰ』か岩波文庫の自選詩集、又は他の各詩集ごとのタイトルがついている文庫の方がお薦めです。
ちなみにこの選集は、1985年の版で、選と解説は北川透さんです。
「つもり」
自分じゃ生きてるつもりで
歌いながら番いながら小鳥が死ぬ
自分じゃ生きてるつもりで
わきめもふらず働きながらひとが死ぬ
僕は自分が死ぬのはこわくない
こわいのは小鳥が死ぬこと
こわいのはひとがしぬこと
自分じゃ生きてるつもりで
葉を風にそよがせて木が死ぬ
月に見守られながら海が死ぬ
自分じゃ生きてるつもりで
僕の書く言葉が死ぬ
木と海と小鳥とひとつの死体の上で
自分じゃ生きてるつもりで詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
詩集を手に取ったことがなく、まず読み方がわからない・・・。
一気に読み進めるものなのか、それとも気が向いたときに一編ずつ読み進めるのか、はたまた気まぐれに開いたところを読んでみるのか。
ただ、谷川先生の詩の意味は教科書で読んだ頃にはわからなかったけれど大人になって触れてみると、どーんと、そしてズーンと心に響いてくる言葉がある。多く掲載されたなかから響いてくるのはその時の心の持ちようや、状況によっても違うだろうとおもう。きっと詩集は、何度も読み返すものなのでしょう。 -
<あなたの発することのできるもっとも大きな声、その声をあなたは何に用いるのでしょう、怒りの表現、喜びの表現、苦痛、それとも他人への強制、あるいはまた、単なるおあそび?>
<いつの間にかどこかへなくなってしまった小さな物、それをなくしたのは誰ですか?そしてその行方はどこですか?たとえその物の細部はありありとあなたの記憶にとどめられているとしても。>
<金管楽器群の和声に支えられた一本のフルートの旋律、その音はどこから来るのですか、笛の内部の空気から、奏者の肺と口腔から、すでに死んだ作曲者の魂から、それともそれらすべてを遠く距ったどこかから?>
質問集 -
2023/09/10 Kindle Unlimited
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本詩集に収録されたもののなかで目立っていたのは、日本語の音韻がもつ美しさは現代詩と短歌の相克のなかで表現した詩や、シニフィアンとシニフィエの関係構造が垣間見えるソシュール言語学的な詩だった。
…いや、「コカコーラ・レッスン」にせよ「わらべうた」にせよ、あるいは「対詩」(連歌のような…?)にせよ、同詩集に収録される北川透の解説にあるがごとく、変幻自在な谷川俊太郎を表してやまない。どれが目立つというわけでなく、どれも目立っていた。この詩人のタイプはどんなものだろうと、測ることはもはや許されなかった。 -
“きみに遠慮はしないぞ
きみが馬鹿なら
馬鹿と云ってやる”
(『私は』)
著者プロフィール
谷川俊太郎の作品





