心霊探偵八雲10 魂の道標 (角川文庫)

  • KADOKAWA
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本棚登録 : 845
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041076729

作品紹介・あらすじ

左眼を傷付けられ、死者の魂を見る力を失った八雲。そんな中、唯一の肉親である妹の奈緒が幽霊に憑依された状態で行方不明になる。奈緒を探す鍵はマンションで多発する心霊現象にあるらしいのだが!?

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ10作目。
    事故により後藤の命が危なくなり、更に奈緒が行方不明に…
    いつも頼りの八雲は、赤い左眼が精神的ダメージにより見えなくなっていて頼りに出来ず。自分自身でもこれでは役に立たないと思って何も行動しようとしなかったところを、晴香が決死の想いを伝えて動かした。

    過去は変えられないから、過去を認めてその上に立ってこその今だ、ということ。
    奈緒は最後の最後まで見つからなかったけど、無事に見つかり良かった。七瀬美雪はしぶとい…

  • 2019/04/04 15:57
    p.419
    定価:本体720円(税別)
    今回は、毎回だけど本当に良かった。八雲の決意が感じられたし、初めの頃からしたら全員の成長が感じられた。八雲の父、雲海もこの事件で何かが変わったかもしれないと考えるととても面白い。次の話が早く読みたい!!

  • できることができなくなる。
    そんな自分は、誰からも
    必要とされないのかもしれない…

    「見えないということは、こんなにも不安なことだったんだな」(261ページ)

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    七瀬美雪の攻撃により、左眼を傷つけられてしまった八雲。
    眼球自体に損傷はなかったものの、八雲の視力は未だ回復していなかった。

    そんな折、八雲の唯一の肉親・奈緒に霊がとりついてしまい、奈緒は失踪する。
    しかし霊を見る能力を失ってしまった八雲は、自分の存在価値を見失い、浮上できずにいた…

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    心霊探偵八雲シリーズ、本編10作目です。
    今回は事件そのものの謎解きよりも、能力を失ってしまった八雲の葛藤がよく描かれていて、そちらの方がおもしろかったです。

    “能力“がある状態でないと、自分は誰からも必要とされないのか…?

    この“能力”は、なにも霊を見る力だけとは限りません。
    ここの部分を、自分がいままで当たり前のようにできていたことに置き換えてみると、八雲の苦悩がより身近に感じられると思います。

    そして八雲ははじめて、自分にとっての当たり前が当たり前でない状況にも直面します。
    霊が見えない、ということは、他の人にとってはむしろ普通のことです。
    八雲は自分がそうなってみて、そんな人たちの不安さ、恐れがどうして生まれるのかに気づくことができました。

    できなくなってしまった、そのことで気づくことがたくさんあります。
    できなくなってしまったことで、得るものもあります。

    もし今、八雲とおなじような悩みを抱えている方がいたら、八雲と一緒に悩み、八雲の出した結論を見てみるといいかもしれません。
    八雲の出した結論は、すでにいろいろなところで見かけられるものではありますが、八雲が自分でこの結論にたしたということが、いちばん大事なことなんだなと感じました。

    今回のお話では、両眼の赤い男の過去が、さらに詳しく書かれています。
    けれど彼の過去をどんなに知ろうとも、それを理由に他の人をこんなにも傷つけていいはずがありません。
    そしてそれは両眼の赤い男のまわりにいる人、いた人にも言えることです。

    過去を言い訳にしない生き方を、ひとりひとりが見つけていくこと。
    しんどい道でもありますが、その道にしか、本当の幸せはないのだと思いました。

  • 八雲のストーリーを思い出した!
    一心が亡くなって、奈緒は後藤たち夫婦に引き取られ、後藤は警察を辞めて、八雲は目を傷つけられた。

    晴香どさくさに告白か!?
    誰かに想いを伝えるのって勇気がいる。
    関係が変わること、自分も傷つくかもしれない、相手も傷つけるかもしれない、でも伝えないと何も前に進めない。
    もちろんぬるま湯のような、陽だまりのような優しさが必要な時もあるけど、八雲に必要だったのは一心が亡くなった今、保護者ではなく、対等に真っ正面から向き合ってくれる人だったのだろう。
    自分を思ってくれる人がいる。
    自分のために動いてくれる人がいる。
    晴香の想いを受けて、自分の軸を持てた八雲は、奈緒を救うために自らの父と対峙する。

    なんだかクライマックスに近づいてきた。
    次回の二人の関係も、石井刑事と真琴の進展もあるか気になる展開だ。

  • 自分の価値を失った時。
    これまで誰もが彼の目を頼りに事件解決への道を辿っていたのだから、彼がそう錯覚してしまうのも無理は無いのかもしれない。
    人と本気で向き合う時は、嫌われる覚悟も時には必要であり寄り添うだけが全てではないんだよな。

  • 何かができなくなる。その他には何もないと思っていると、なんにもできない人間だと落ち込む。下を向いて生きていきたいならそれでもいいかもしれない。でも、前を向いて、 少しは上を向いていた方が楽しいよ。

    たまたま生きている今を元気に泳いでいたい ♡

  • んええぇ…?

    八雲と晴香の関係がどうなるかはやや気になるので本編は最後まで読もうかなと思うけど、どんどん好きじゃなくなるなぁ。

    最初の3巻くらいまではよかった。「幽霊は八雲にしか見えない」「幽霊は想いを伝えるしかできない」「幽霊は生きてる人間に影響できない」を徹底して、人怖ミステリーを貫いてほしかった。

  • 【2024-035-1693】図書館より。

  • 八雲と晴香の距離が縮まった一冊。クライマックスに向かっているのが分かる。この先2人がどうなるのか気になる。

  • 15周年らしいが相変わらずの文章力。周りが面白いとおだてているのか?本人のためにならん。ようやく終わるのか、七瀬美幸は「ミレニアム」の双子と被る。

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著者プロフィール

2003年『赤い隻眼』でデビュー。改題した「心霊探偵八雲」シリーズでブレイク。様々なエンタテインメント作品を発表し続けている。

「2023年 『怪盗探偵山猫 深紅の虎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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