星をつける女 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041077528

作品紹介・あらすじ

世界的な「食の格付け本」の元格付け人、牧村紗英。 独立し会社を興した彼女は、先輩で相棒の真山幸太郎と、 人気店の調査と格付けをする会社を立ち上げ……。雑誌掲載時から話題騒然のニューヒロイン!

感想・レビュー・書評

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  • 劇団員の真山をパートナーとして、覆面調査を生業とする紗英。
    主婦の小遣い稼ぎのような副業ではなく、投資家から依頼されて、プロフェッショナルとしての調査を進める紗英がカッコいい!
    ストーリーも次の展開が気になって、あっと言う間に読み切ってしまいました。

  • 飲食店の味を評価して、その背景まで調べるお仕事の話

    世界的な食のガイドブックの元調査員の牧村紗英
    調査方針の違いで上司と意見が対立して会社を辞め、日本に帰国して飲食店の格付け会社を立ち上げた
    主に個人投資家や機関投資家からの依頼で覆面調査員としてお店の素を評価しようとするが、違和感の原因やその背景まで調べると飲食店の裏側の実態が明らかになっていく


    紗英と店側の一人の視点が交互に描かれる

    メゾン・ド・カミキ
    有名シェフの高級フレンチレストラン

    麺屋勝秀
    頑固親父のラーメン屋が支店展開している会社

    白浜温泉 紀州ノ庵
    料理にも力を入れ、いわゆるオーベルジュに舵を切って成功している高級旅館

    食品偽装、ブラック会社、世襲問題など
    現代の食の問題をお店側を単なる悪者としてではなく、その辺の事情の背景も含めて描かれている
    飲食店の裏側の事情がお客さんに影響を与えることもあるのだなぁと思う


    食品偽装に関して、故意であろうと過失であろうと、お客様に間違ったものを提供している時点でその評価でいいと思う
    でも、そこで終わらないのが紗英さんなのね
    確かに、こんな方針だったら某有名飲食店評価会社では上司と相容れないでしょうね

    公共放送でやっている、匿名の当事者にねほりはほり聞く番組で、某有名飲食店評価会社の元調査員の人の回があって見たけど
    紗英さんのやってる事とはちょっと違ってた
    同じ店に何度も通うのは同じだけど、決して自分の素性は明かさないんですよね
    あと、もちろんお店側にはフィードバックしない

    小説で納得いかないのが、「星をつけるだけ」と言いつつもそこでで終わらず、介入していくところとか、覆面調査であることを時には明かすところ
    調査対象に影響を与えているあたりが不完全なんじゃなかろうか
    依頼人は投資するかどうかの判断材料としての調査を依頼しているわけで、調査が現状に影響を与えるのは駄目じゃないっすかね?
    それとも、依頼人はむしろそれを狙ってたりするんだろうか?
    描かれていない案件に関してはそんな様子もなさそうなので、そんなエピソードだけ小説になっていると考える方がしっくりくる


    原宏一の食小説は「佳代のキッチン」は既読
    「ヤッさん」は未読だけど、ドラマでちょっと見た
    やはり、食の描写が細部まで気を使って書いている気がする
    そんなわけで、続編も続けて読む

  • 面白かったです。
    格付けのリアルを感じました。
    上手く行き過ぎな気がするけど小説だからこれでいいのかな。

  • とてもサクサクワクワクしながら完読しました。出てくるお料理にも惹かれ、登場人物にも惹かれます。仕事をしている者として分野は違いますが、とても気持ちをシャキッとさせられました。3つの物語以外も読んでみたい作品です。アシパルモンティエを作ってみようと思います(。•̀ᴗ-)✧

  • 4人の給与分利益出すの大変。

  • 第二章のブラックラーメン屋さんの話が印象的だった。
    フランス人上司の仕事論が素敵。

  • 色の覆面調査員。お店に星をつけるだけじゃなく時にはお家騒動解決にも手を貸す。
    高級店で出されたらステーキ肉の産地を疑わないよー、雰囲気に飲まれてわかんないし。
    ラーメン店に限らず飲食店のブラック労働はほぼ常識と言ってもいい状況では。
    銀座出店なんて見栄だけで出来ることじゃない、赤字なのに10年も続けるなんて親バカもいいとこだよ。
    不思議に出てくる料理に魅力を感じなかった。

  • 歯切れの良い倫理観を突き付けることは、もはや正義とは呼べないのかもしれない。
    現実的ではないからだ。

    本著のサクセスストーリーが、現代社会の澱みを明瞭に映し出すことがシニカルでならない。

  • 【私たちは飲食店の星をつけるだけ】という割には第二話以降は調査対象の事情に結構首を突っ込む紗英。
    最初は真山と二人でマンパワー不足だったチームも元シェフの智也と元ラーメン店主だった七海が入って、これからってところで終わり。
    娘が作るフランスの家庭料理がおいしそうだった。
    日本では高級料理だと思われているけど、現地に住んでいた人達にとっては本当に家庭料理なのね。

  • 食のディテールが素晴らしいのはもちろん、星とはいわゆるグルメだけの星ではなくて、食はもちろんのこと、企業として投資に値するかどうかの星なので、会社の経営に関する問題が浮き彫りになり面白い。
    描かれる視点も、調査側、調査される側で描かれていて、揺れる心情が伝わってきます。
    続編すぐに読みます。

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著者プロフィール

1954年、長野県生まれ。早稲田大学卒。97年に作家デビュー。2007年『床下仙人』が第1回啓文堂書店おすすめ文庫大賞に選ばれるなどベストセラーに。他の著書に「佳代のキッチン」シリーズ、『天下り酒場』『ダイナマイト・ツアーズ』『東京箱庭鉄道』『ねじれびと』(以上、祥伝社文庫)、「ヤッさん」シリーズなど多数。最新作は『間借り鮨まさよ』。

「2023年 『うたかた姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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