人外サーカス

  • KADOKAWA (2018年12月21日発売)
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  • 本 ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041077658

作品紹介・あらすじ

今宵、お目にかけますは、
命をかけたサーカス・ショー。

惨劇に隠れた秘密を見抜けるか。
『玩具修理者』『アリス殺し』著者による究極のサバイバル・ミステリ!

脱出マジックに失敗して以来、トラウマを抱える手品師の蘭堂。所属する経営不振の「インクレディブル・サーカス」で、親友のクロスボウ使いやアシスタントに励まされながら、完全復活を目指し日々練習を重ねている。
ある日、サーカス団を異形のモノ達が襲う――彼らは世界中に密かに存在する、人の血肉を喰らい生きる吸血鬼だった! 圧倒的な身体能力と回復力を持つ吸血鬼たちに、団員たちは恐怖するも、生き残るため、それぞれの特技を駆使して対抗し始める。だが、団員のピンチに駆けつけようと森の中を走る蘭堂は、あることに気がつき――?

ショックとサプライズに溢れたサバイバル・ミステリの幕が上がる。

感想・レビュー・書評

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  • 小林泰三作品を読むのは三作目。


    題名から想像していた内容と実際の内容は違ったけれど、楽しめた。特に終わり方がメリーバッドエンドで好き。


    結局、《彼》は探し求めた愛しい人に噛まれてその《“人”生》を終わらせるのかな。そして終わりなき幸せを二人で、いや二匹で生きるのかな。でも結局、もしそうなってもコンソーシアムに殺されそう。


    どんどん小林泰三作品に魅入られていく。

  • かなりサバイバルバイオレンス的な話で、タイトルから想像していた話とちょっと違ってたけど、面白かった。
    最初コンソーシアムがこのサーカス団なのかと思ってたけど、ただ単に間違われてただけだったっていうオチ、なかなか分からずじまいだった。サーカス団の面々強すぎ。

  • 装丁のゴスロリ衣装の少女が佇むサーカステントの中の煌びやかな空間が美しい装丁。でもそこには不穏な空気が漂う。

    普段は経営不振のサーカス団、インクレディブルサーカスなのだが、その実は吸血鬼ハンターたちの集団であるコンソーシアム。最初はクイーンビーと呼ばれる吸血鬼との対決シーンから始まる。そして吸血鬼の中でも力のあるミーティアはそれを他の吸血鬼たちに教えるのだが…

    とまぁ序盤で好きな人は引き込まれる設定。もちろん私は没入。そしてサーカス団員それぞれの芸をフルに使っての戦闘シーンはたまらない。それでいてミステリーなところが良い!

  • 2024年7月6日読了。人間をはるかに凌駕する身体能力・再生能力を持つ吸血鬼たちが狙いを定めたのは、興行もままならない弱小サーカス団だった…。無駄に臓物をまき散らすいつもの小林泰三節が楽しい(?)。吸血鬼たちとの圧倒的な戦力差の割に味方の被害がこれだけ、というあたりにご都合主義を感じてしまうが…そういうもんか?団員たちの人間関係など、もっと前半を割いて書き込まないと後半の展開に生きてこない気もするのだが、そういうあたりを省略することでこのスピード感が生まれているのだ、という気もする。

  • 特殊組織と間違えられたサーカス団vs不死身で冷血な吸血鬼集団。勝ち目のない戦いに、身体能力の高い団員はどう立ち向かうか。

    グロテスクだ。SF要素が強すぎる。
    どんなに自信があっても、過信せず用心すること。

  • 経営難で、大量の団員が離脱してしまったインクレディブルサーカス。そのサーカス団をある日襲撃した吸血鬼の群れ。圧倒的な能力を持ち残虐極まりない吸血鬼たちに人間が勝てるはずはない……と思いきや、いやいや頑張るじゃんこの人たち! 血沸き肉躍るアクション満載のホラー。そしてミステリ的な展開も待っています。
    血しぶきが飛び内臓があふれ出し、その中を跳梁跋扈する異形の吸血鬼。とことんスプラッタで絶体絶命な危機的状況の主人公たちなんだけれど。自らの能力を最大限に発揮し闘う彼らの姿には悲愴感がほぼなくって、実に清々しい(笑)読み心地でした。シュールでコミカルな部分も多々あって、なぜだか笑いがこみ上げてきて仕方ありません。楽しすぎる。はらはらどきどきの展開に一気読みです。
    キャラクターも素敵な人ばっかりで。しかし徳さん、あの人はいったい何者なのだ……? 他の作品にちらりと出てきたりしないのかな。探してみようっと。

  • 面白かったです。
    人間離れしたサーカス団のお話かと思っていたら、吸血鬼集団vs普通のサーカス団のバトルものでした。グロい。
    コンソーシアムという、サーカス団に擬態した吸血鬼ハンター集団と間違われて襲われるというきっかけが不運過ぎですが、団員たちがそれぞれの曲芸の能力を駆使して吸血鬼を倒すのがグロいのですが痛快でした。猛獣たちもがんばった。
    吸血鬼の名前がなかなか覚えられなかったですが、ボクっ娘のキリフィッシュ可愛い。
    しかし、この中で最強のミーティアがシューティだったとは驚きました。蘭堂は辛いだろうな。
    そして徳さん何者だ…躊躇無く吸血鬼を細切れに。徳さん無双。
    キブキィは多分、吸血鬼になっちゃったんだろうな…切ない。
    グロくて想像したくないのですが、とても映像的でした。映像化しても痛そうで観てられないのでしょうが。

  • 201904

  • 仲間の内に潜んでいたのは。
    ただのサーカス団が自分たちの曲芸を生かし戦うというのは、凄いと言うよりも彼らの方が人間離れしているようだったな。
    彼の心は壊れたままなのかもしくはある意味正常なのか、知ってるのは亡くなった彼女だけなのだろうな。

  • 小林さん好きな子供に薦められて読む。
    ぐちゃぐちゃな戦闘シーンが繰り広げられ、あまり想像しないようにして読む。ミステリーなのか?

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著者プロフィール

1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2014年『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他、『大きな森の小さな密室』『密室・殺人』『肉食屋敷』『ウルトラマンF』『失われた過去と未来の犯罪』『人外サーカス』など著書多数。

「2023年 『人獣細工』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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