あなたもスマホに殺される (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 453
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041077696

作品紹介・あらすじ

教師の鈴木の下に奇妙なSNSからの招待が届く。鈴木は訝りながらものめり込むが、知らぬ間に周囲にもSNSは広まっていく。やがて一様に自殺を肯定するようになった彼らにカルト宗教の洗脳を疑うが……。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。
    最後の最後まで隠された真実に気付けなくて、最後の一行で「えっ?!」となって、関係しそうな箇所を読み返した。

    「日本人は皆何かしらに洗脳されている。世間体とか人並みの幸せとかいう考え方に、自身がマインドコントロールされている。」
    「現代人は時間が有限だってことを理解していない。考え方によっては、時間はお金よりも重要なのに、平気で何時間もスマホをいじって時間を潰す。本来だったらその時間で、本を読んだり勉強したり、家族との団欒をたのしむべきなのに、巨大プラットフォーマーのために、貴重な時間を搾取され続けているんだ」

    ーーーというのが胸に刺さった。自分の夫婦も、同じ空間に居ながらにしてそれぞれに携帯をいじって過ごすことが多くあり…反省した。

  • スマホ関連で起きる事件をテーマにした小説は恐い。身近に潜む罠という感じ。この作品も例にもれず、うす気味悪さと読後の脱力感を連れてきた。
    私の印象はさておき、内容はとても面白くて読みやすかった。

  • 何で主人公は奥さんと結婚したんだろう…。
    嫌な過去として記憶に残っていた相手と、家庭を築くってとんでもないことだと思うけどなぁ。その時点で既にコントロールされてたの?
    (ストーカーはどうなったんだろう)

  • この人のスマホシリーズ、つい買ってしまう。
    個人的には「スマホを落とした〜」の続編が好きです。賛否両論ありますが(笑)

    「自殺相談室」というSNSからメールが来て、興味本位で相談に答えている内に、どんどんランクが上がっていく。
    必ず「自殺する」という回答の選択肢が設けられるのだけど、相談を受けながらもずっとそれを回避してきた主人公が、ついにその選択肢を選ぶまでの描写が上手いなーと思う。

    やたらと、モモチャレンジとブルーホエールを推すのは謎だけど、人が自分から死を選ぶ時って、肯定的であれ、否定的であれ、その選択肢を誰かから突き付けられる意味って大きいのだろうか。

    じゃあ、突き付けられる誰かさえいなければ、人は自分から死を選ばないんだろうか。
    だけど、一人っきりでいることは、死を突き付けられない反面、生きている何かもないんじゃないか。
    暴論かもしれないけど、ふと思ったことだった。

    この「自殺相談室」には卒業要件がある。
    一つ目は、100万自殺ポイントの獲得。
    二つ目は、あなたの行動が素晴らしいと認められた場合。
    三つ目は、あなたが自殺した場合。

    そもそも。
    この選択肢「の中から」選ばなければならないと思った時点で、手遅れかもしれない。

  • 面白かった笑
    人間の想像力や思い込みがいかに適当なのかわかったww


  • 内容紹介 (Amazonより)
    このSNSにハマったら、終わり。

    中学教師・鈴木のスマホに、ある日「自殺相談室」という怪しいSNSから招待が届いた。自殺志願者の匿名の相談に、4択から1つ意見を選び答えていく中で、鈴木は他人の人生を覗き見るような感覚の虜になっていく。しかし、担当クラスの女子生徒・雨宮を招待して以降、いつのまにか「自殺相談室」が学校中に蔓延し、ついには新人教師の山本が自殺してしまい……。あなたも他人事ではいられない、驚愕のサイバー・ミステリー!


    サクサクと読みやすかったのですが 登場人物に共感出来るような人がいなくてなんだか残念な感じです。
    ラストの一行には驚きましたが...
    ネットの世界とはいえ 他人事とはいえ 自分の意見が知らない誰かの人生を左右するなんて そんな事をわざわざ自らやりたいとは思いません。

  • どんどんネットに依存していく様子がリアルでなんか怖かった。簡単に入れられるアプリで洗脳とかされたら防ぎようがなくてどんどん堕ちていきそう。そして最後、やられた。

  • タイトルが面白そうだったのと、「スマホを落としただけなのに」の作者の作品だと知って興味が湧いたため手に取った。
    この本の面白いところは、細かい伏線が随所に張られていることだ。だからこそ、後半で伏線がどんどん回収されていくときに、ゾワゾワしてしまった。何より、鈴木の周囲の人間の様子がおかしくなるに従って、「鈴木どうにか最後まで生き残って〜」と思いながら読み進めてしまうほど、物語に熱中していた。しかし、結果的に鈴木は自殺という道を選択してしまう。
    この作品の恐ろしいところは、鈴木に感情移入させておきながら、その鈴木本人が実は洗脳されていたことが終盤で明かされる点だ。人間の脳がいかに脆く、洗脳されやすいのかを考えさせられた。それと同時に、私自身も洗脳されているのではないかと思うようにもなった。私の価値観や思想というのは、果たして本当に私の意思で形成されたものなのだろうか。私が見るツイート、私がフォローするインスタグラマーは、果たして私の思考がどれほど反映された結果表示されたものなのだろうか。現代においてそんなことを考えるとキリがないのも事実だが、同時に、私たちが人間らしくあるためにもこの問いに向き合うことは重要だと思う。本作は、私に洗脳やネット社会、AI技術の恐ろしさを改めて感じさせた。

  • ネット社会に警笛を鳴らすようなありがちな内容。今読むとちょっと情報が古いかなって気はする。ただし、子供や情報弱者にはまだまだ認知されてほしいような内容ではある。普通にリテラシー持ってる人にとっては「なぜそうする」と馬鹿馬鹿しく思えてしまう。私も何度もイライラしながら読み進めた。
    タイトルにあるような本筋に関しては途中で結末がわかってしまうような展開だった。
    が、ラストの一行は、タイトル全く関係ないじゃん…と、妙に萎えてしまった。「マインドコントロール」とタイトルを変更した方が良いのではないか。いやそれでは結末がわかってしまうのか。
    微妙な評価となってしまった。

  • 面白かったけど、謎が幾つか解決していないなぁ、、、。

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著者プロフィール

1963年生まれ。第15回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉作品『スマホを落としただけなのに』にて2017年にデビュー。他の著書に『ちょっと一杯のはずだったのに』『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』がある。

「2022年 『たとえ世界を敵に回しても』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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