OFF 猟奇犯罪分析官・中島保 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 264
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041077870

作品紹介・あらすじ

見習いカウンセラーの中島保は、殺人者の脳に働きかけて犯行を抑制する「スイッチ」の開発を進めていた。殺人への欲望を強制的に痛みへ変換する、そんなSFじみた研究のはずが、実験は成功。野放しになっている犯罪者たちにスイッチを埋め込む保だが、それは想像を超え、犯罪者が自らの肉体を傷つける破滅のスイッチへと化してゆく――。「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」シリーズ始まりの事件を保目線で描く約束のスピンオフ長編!

感想・レビュー・書評

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  • 内藤了『OFF 猟奇犯罪分析官・中島保』角川ホラー文庫。

    『猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』シリーズのスピンオフ。かなり期待していたが、無難なストーリーに拍子抜け。

    殺人者の脳に埋め込まれた殺人への渇望を抑止するスイッチを開発し、殺人者に自らを傷付け、破滅に向かわせた中島保。本作では『猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』シリーズの第1作『ON』の直前の経緯を描いているので『OFF』ということになるのだろう。

    中島保については、シリーズの中で充分に語り尽くされているので、今さら感は否めない。出来れば、全く違うエピソードを描いてもらいたかった。

    本体価格680円
    ★★★★

  • 野比先生の始まりの話
    残酷ではあるが復讐する方法としては凄すぎる。

    懐かしいキャラも出てきて良かった。
    あの場面は視点を変えるとこんな感じだったのかと読みながら納得。

    怖くてなかなか読めなくてずっと積読していたのだが、
    意を決して読むも止まらなくて1日で読み終えた。

  • ONの事件の起こるきっかけとなる保目線のスピンオフ。なんだか切ないなぁ。
    改めて読むと、比奈子ちゃんと接してる時間ってこれほど多くはなかったんですね。

  • 仲間がたくさんいて人を集める気質のある比奈子と、ずっと一人だった野比先生の比較がえぐい。
    犯罪者の過去とか背景を思いやる野比先生のそれも大概だと思うとやりきれない。
    紆余曲折あって最後にはひとつの団円に辿り着くことが分かった上で読めたのが救いでした。

  • 2020/11/26
    野比せんせ~い。泣いちゃうよ。
    全部背負わなくていいんだよ。
    早坂が主犯やん。先生には止められなかった。
    ホントもうちょっと早く比奈ちゃんと出会えていたら。
    やっぱちょっとこのシリーズは悲しいな。
    出てくる人みんな好きなのにみんなつらい。
    みんなに会いたいけど読み返すの勇気いるからこれでまた会えたのはうれしかった。
    先生から見た比奈ちゃんがまたかわいいんだ。

  • 気を抜いてしまった...

    別シリーズで少しマイルドな感じだったので読んでみたら、こっちのシリーズはエグい描写が多々あった。

    内容としては「猟奇犯罪捜査官 藤堂比奈子」シリーズの前日譚の話だったので、シリーズ一作目がより深く掘り下げられるかな、と思う。

  • 〇藤堂比奈子シリーズ前夜、「スイッチ」の秘密を本人の口から明かす

    矯正心理を大学院で学んでいたときに出会った事件をトラウマとする、この小説の主人公・中島保は、精神科医の早坂のクリニックで研鑽を積む日々。
    少年・晋平が起こした事件の真相を知るため、早坂と保は鑑別所へ向かうが、どうもはっきりしない。そんな折、早坂が保に施した「腫瘍」がうまく発現したことを知り早坂は沸き立つ。腫瘍をつくることで人の殺人衝動を抑える研究を保は行っていた。
    晋平の事件の真相を保と早坂が論議しているとき、真犯人にたどり着くと、早坂が腫瘍と装置を組み合わせて真犯人による殺人を止めよう、と提案するが・・・

    この話は、内藤了氏の「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」シリーズのスピンオフとして、シリーズの中の重要人物である中島保のシリーズ第1巻での登場の舞台裏を描いたものである。タイトルの「OFF」も第1巻「ON」に対応したものになっている。
    懐かしい藤堂と保の出会いや一夜のシーンもあるが、それが出てくるのは後半であり、保が抱えるトラウマとそれを克服せんがために真剣に研究に取り組む姿勢、そしてその気持ちや熱心さをもてあそぶ早坂医師の存在など、第1巻で必ずしもすべて語られなかった部分が登場人物本人の口から明らかにされている。
    もはや、このエピソードが後に、人の生死を操ろうとしている巨大組織との闘いのプロローグに過ぎない、とは誰も思わないだろう。

    "あの瞬間の、宇宙から突き抜けてきたような怒りと慟哭は、時が経つにつれて静まって、今では見失いそうになることもある。二度と誰かを死なせないと誓ったのに、そのためなら何でもしようと誓ったのに、目まぐるしくも慌ただしい日々や、早苗が幸福になれた現実に、行く先を見失いそうになる。他人の脳をいじって考えを変えさせる権利が自分にあるのか悩んでしまう。(pp.90-91)"

    おそらく、保の葛藤がよく表れている段落ではないかと思うと同時に、これは人間の常に抱える葛藤だ。信じたものをずっと信じ続けることがいかに難しいことか。このあとの展開でもまざまざと我々は見せつけられる。そして、ホラー文庫らしいグロテスクな描写に慄く。

    内藤了は怒りを抱えた人の気持ちの動きをよく見ていると思う。そして、悪役を悪役然と描き、絶対にこんな犯罪者にならない、生んではならないと、保を通して我々に誓わせてくれる。

  • 『うら交番』からの流れで続けて読んでみた。

    内容的にはシリーズ既刊の視点を変えた物語という事でドキドキ感や目新しさは無かったけれど、好きなシリーズだったので、各キャラクターに再会出来たのは嬉しかった(某女子は最新のうら交番にも登場されていたケド)。

    互いの世界観を壊さないのであれば、こういうクロスオーバーな試みは個人的にアリアリです。

    で、次回の恵平さんにも期待大です!

  • 始まりの話の野比先生目線
    初めは、野比先生より東海林のスピンオフが読みたいと思ったけど 笑
    野比先生側から見ると、同じ事件同じ話も少し違うように見えるんだと思ったし、間にかなりの話を挟んだからか懐かしくも新しく感じた。
    思えば、やっぱり最初のスイッチを押す者が、1番衝撃的だったなと。

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著者プロフィール

長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー.。同作からはじまる「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」シリーズは、猟奇的な殺人事件に挑む親しみやすい女刑事の造形がホラー小説ファン以外にも支持を集めヒット作となり、2016年にテレビドラマ化。近著に『DOUBT 東京駅おもてうら交番・堀北恵平』(角川ホラー文庫)、『ネスト・ハンター 憑依作家 雨宮縁』(祥伝社文庫)がある。

「2021年 『蠱峯神 よろず建物因縁帳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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